戦史・軍事

8/15/20’:敗戦の日

 毎年同じネタですが、今日は75年目の敗戦の日です。8月15日は日本という国とその過半の国民が敗戦を受け入れた日であり、戦争が終わった日ではありません。対ソ戦に限らず、戦闘はまだ続いています。宇垣特攻もその一つと言えなくもないでしょう。組織的戦闘が終わったのは9月2日です。勿論、その後も戦闘を継続した集団はいましたが、それはもはや日本軍としての戦闘とは言えないでしょう。
 この季節は戦争の悲惨さを訴える報道番組などが多いですが、悲惨さを協調するだけでは戦争は防げないでしょう。なんにしても戦争はすべきではないです、特に負ける戦争は。
 日本は別の戦争に負けることなく、100年目の敗戦の日を迎えることが出来るでしょうか。ま、その時には私は生きていないでしょうが。

| | コメント (0)

8/6/20’:75年

 今日は原爆投下から75年目の8月6日です。終戦からも75年。過ちは繰り返しません、と今年も述べられたのでしょうが、まさにその通り。何故、広島に原爆が投下されたか?それは防空体制を確立できなかったから。本土空襲の拠点たるマリアナ諸島を奪われたから。それにもかかわらず戦闘をやめられなかったから。やめられなかったのは軍部が悪い?いや、軍部だけじゃないでしょう。マリアナ失陥の段階で厳しい条件で講和したら国民が納得しなかったと思います。無論、軍部の嘘のせいですが、日本はもう勝てないと国民は知らなかったので、何故ここで戦争をやめないといけないのだ、負けを受け入れないといけないのだと言うでしょう。負ける戦争、勝てない戦争はやっちゃいけません。日本は始めた戦争をなかなか終わらせられない国民です。日露戦争ですらあの有様ですから。日中戦争をやめられなかったのも同じでしょう。

 また、日本も核禁止条約を調印すべきとも言われていますが、現状、日本は核保有を条約で禁止されています。核拡散防止条約により、既得権をもった核保有国以外は保有できません。勿論、それを無視する国もありますが、日本は国内外の関係上無視は出来ません。
 核兵器を本当に禁止するなら、核保有国が廃棄してくれないとどうにもなりません。更に北朝鮮のような国が存在する限り、現在の核保有国は核を廃棄しないでしょう。北朝鮮が核を廃棄するか?まずありえませんね。残念ながら、核廃絶は果たせぬ夢でしょう・・・、残念ながら。

| | コメント (0)

8/5/20’:FXは本当に「国産」か?

 FXは日本企業1社と単独契約する方式にすると発表されました。
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2020/07/31b.pdf
 エンジンの開発作業に係る契約は除くとされています。

、以下のようにMHIが有力だと報道されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62178780R30C20A7EA5000/?n_cid=SNSTW005
 KHIでもスバルでも新明和でも応じることは出来るかもしれませんが(新明和はどう考えても無理か。(^^;)、求められている能力、実績からするとMHIになるのは当然です。
 防衛省の発表では「戦闘機全体のインテグレーションを担当する機体担当企業が、エンジン担当企業やミッション・アビオニクス担当企業を下請けとする」と書かれています。また、「国際協力に関しては、引き続き米国及び英国の政府・企業と協議を進めてまいります。」とも書かれています。
 普通に考えれば、KHIやスバルなどが下請けとして参加し、エンジンの開発はIHIが行い、量産ではIHIも下請けとして参加する。開発に関してLMなどの協力を得る・・・ということになるはずですが・・・さて、どうでしょう?
 我が国主導で開発するとしていますが、国産するとはどこにも書かれていません。我が国主導で開発する以上、契約する会社は日本企業で、それはMHIなのは事実決まりでしょう。勿論、MHIが辞退というか、応募しないということがなければ、です。FXの開発には企業の体力も必要でしょう。MHIはスペースジェット(旧MRJ)に注力するので、FXは勘弁してください、という可能性はゼロではないと思います。まあ、これまでのMHIの行動からすると受けるとは思いますが。
 では、エンジン担当企業やミッション・アビオニクス担当企業はどうでしょう?これらはあくまで下請けです。MHIがとりまとめをする限り、日本主導の開発ですから、下請けに海外企業が含まれても問題ないでしょう。さすがに日本企業がまったく係わらないとは思いませんが、例えば、
 エンジン担当企業:IHI+RRまたはGE
 ミッション・アビオニクス担当企業:三菱電機+BAEまたはレイセオン
というような日本企業と海外企業のグループが担当することはありえるのではないでしょうか?また機体も MHIとLMまたはボーイングが共同で開発するのではないでしょうか?あくまで、LMまたはボーイングは下請け、ですが。
 新規開発するのは国内防衛産業基盤の維持と運用や改修の自由度を高めることです。FMSでなければ、海外製品(部品)や海外メーカーを使うことは問題はないでしょう。

https://ameblo.jp/satomasahisa/entry-12615676311.html
 こういう話も出ていますね。エンジンはRRと組む可能性が十分あるのでは?またBAEシステムズも可能性はあります。自由度という点では米よりも英の方が高いでしょう。

 また、国・防衛省が関与するのは主契約企業とエンジン開発作業を行う企業の選定だけです。後は主契約企業が決めて良いと理解出来ます。

 私は「国産」とは言わず「我が国主導で開発」といっているのがとても気になっています。MHIがとりまとめをするものの開発の過半は海外メーカーに依存するのではないかと疑っています。勿論、製造の過半は国内で行うことになるでしょうが・・・・それもわかりません。妥当なコストで開発して、製造するなら実績のある海外企業を使う方が良いでしょう。F-35ですら、世界各国の色々な企業が製造に参加しています。
 これは、「出来るところは自社でやりなさい」「出来ないところは海外企業の協力(実質的には委託)を得ない」「やり方はMHIに任せます」ということ指示だとも理解出来ます。

 FXは国産ではなく、MHIがとりまとめをして、主に海外企業により開発され、海外企業が製造する部品も多く使って日本で組み立てられる、というものになるのではないかと私は思います。エンジンもXF-9ではないかもしれません。それでも、あくまで日本の仕様に基づいて開発されますから、自由度はあります。既製品の導入ではありませんから、改修は行えます。
 そういえば、MHIが今苦しんでいるスペースジェットも「国産」とか言いがたい機体ですね!?

 2031年度に量産開始は難しいだろうと考えていますが、もし、開発は実質的に実績のある海外企業が行うのであれば、可能かもしれません。

 なお、この方式は防衛装備品では異例かもしれませんが、民生品では普通ですね。住宅のような一品モノでは買い主が装備を供給してつけてもらうこともあるでしょうが、量産品では普通です。例えば、トヨタですら全ての部品を自社または自グループ企業内で開発製造していません。グループ外からも調達しそれらを組み立ててトヨタ車として販売しています。
 価格が高くなるという意見も聞きます。下請けと元請けの利益が上乗せされるからだそうですが、必ずしもそうはならないでしょう。悪く言えば、FXで言えばMHIがかぶることも出てきます。FXを1機いくらでという契約になれば、コスト管理はMHIの仕事です。言い換えるとコスト削減の動機が出来るとも言えます。それに個別に契約してそれをプライムに供給してという手間はなくなります。官側の手間はコストして認識されていなかったでしょうが、本来はそれはコストして考えるべきものです。ある意味、コストが可視化されるとも言えます。そして、MHI(民)に任せることによりコスト削減も期待出来ます。今後はこれが防衛装備品でも常識になるべきだと思います。
 邪推すると仕様書を官が書けない話は本当で、それを民へ任せるためのやり方かもしれません。この方式ならFXそのものだけの要求仕様を定め、RFIに必要な仕様書だけ書けば良いですから。

| | コメント (0)

7/29/20’:F-15J改始動

 正式に誰もF-15J改とは呼んでいませんし、既にF-15は数回(機体により異なる)改装されていますが、過去の近代化改装と異なり、F-4EJからF-4EJ改への改装を越える能力強化なので、勝手にF-15J改と呼びます。だって、F-15J J-MSIP機近代化改装じゃなにがなんだかわからないしF-15J(能力向上)でもしっくりきません。やはりここは、F-15J改でしょう!

https://boeing.mediaroom.com/2020-07-28-Boeing-Mitsubishi-Heavy-Industries-Partner-on-State-of-the-Art-Upgrades-to-Japans-F-15J-fleet#assets_20295_130712-117
ボーイングの発表によりと7月28日にMHIをプライムとして契約が結ばれたとのことです。FMSではなく、DCS(Direct Comercial Sale)とあります。いいですね。FMSの問題はさんざん言われていますが、DCSも増やせると良いのですが。

 さて、このF-15J改は、Jウイング8月号に解説記事が載っています。US側はF-15J改をJSI(Japanese Super Interceptor)と呼んでいると書かれています。それだけを見ると、空対空能力向上型に見えます。AAMを12発搭載(胴体脇に4発、左右の主翼下に4発ずつ)した図も掲載されています。ですが、それだけではなく、JASSM-ER/LRASMの搭載能力も持ちます。これらは最大3発(胴体下、左右の主翼下に1発ずつ)搭載出来るとしています。この時、主翼下左右にAAM-5を2発ずつ、胴体脇にAAM-4を4発搭載出来ると記事ではかかれています。
 当然ながら何をどれだけ搭載するかなその時の状況任務でかわります。増槽を二つ、JASSM-ERを一発もあれば、増槽を一つ、JASSM-ERを二発もあれば、JASSM-ERを三発もあるでしょう。

 今回のボーイングの図では胴体下にJASSM-ERらしいものを1発、AIM-120らしいものを8発搭載しています。AAM-5よりもAIM-120は重いので、この構成だとJASSM-ERは1発だけしか搭載出来ないのかどうかはわかりませんが、可能性はありそうです。
 
 建前は別にして、F-15Jは今後は空対空戦闘よりも空対地・艦戦闘に主とするようになっていくのではないでしょうか。まさにF-4EJ改がそうであったように。F-35は高性能ですが、ステルス性を重視すると搭載力は限られます。長射程ミサイルならステルス性がないF-15Jでも問題ありません。進出距離が短ければ、ミサイル3発搭載出来ると思われますから。

 今中期防では20機の改装が予定されています。防衛白書によると1機35億円とされています(最初のよりは安くなるようですね)。それでも決して安くはないです。しかし、今後F-15J改が20年ほど使われるのなら、高くはないでしょう。もしかすると、更なる改装もあるかもしれませんし(笑)。

 

| | コメント (0)

7/11/20’:イージスアショアその後

 防衛相記者会見や新聞報道、話題になっていた週刊文春の記事などから総合的に考えるとやはり「中止」ありきですね。悪く言えば、河野防衛相が自分の実績として、アショアを中止したと受け取れます。ブースター問題はほぼ口実でしょう。地元の反対で配備がいつになるか見通せず、LMSSR採用によりいつになりシステムが完成するのかもはっきりせず、コストも膨らむ可能性があり、現状の計画では既に実現性が失われています。このようなプロジェクトは河野防衛相には求められないでしょう。ブースター問題で更に時間とコストがかかるという数字を出させてこれを中止の口実にしたと理解出来ます。
 本来なら現在の計画は一度中断し、実現可能な案に変更すべきでしょうが、「イージス・アショア」は話題になることが多い問題であり、これは河野防衛相の「政治的判断」により、計画変更ではなく、中止になったと推測出来ます。
 純粋に「ブースター」問題が原因なら、アショアそのものを中止しなくて、別のやり方がが出来るはずです。ブースターが海に落下する場所にVLSを設置するとか、VLS以外を陸上に設置し、CECで水上艦のVLSから発射することも考えられます。例えば、FFMのVLSにSM3を搭載して、発射することは可能でしょう。哨戒艦がどのようなフネになるかはわかりませんが、VLSだけ設置することもコストを飲めば可能でしょう。CECの実装にもコストはかかりますが、FFMに関しては将来的にCEC(かそれに相当する機能)が必須になるでしゅう。哨戒艦もそのネットワークに入るべきです。BMDとは関係なく必要な機能だと思います。
 しかし、いずれにしても、もう、アショアは死にました。河野防衛相は「アショア」を悪だと認定して中止した以上、「アショア」の復活はありません。政権交代があれば話は変わるでしょうが。
 まあ、レーダーとVLSを分離して、「イージス・アショア」とは違う名前をつければ、問題ないでしょうね。「アショア」でなければ良いのですから。でも、その場合でも、LMSSRでは駄目で、SPY-6でないと河野防衛相は同意しないでしょうね。その場合、LMSSRをどうするか?ですが、契約は不明ですが、違約金払ってキャンセルするか、どこかで、普通のレーダーとして2基だけ使うかでしょうか。DDGに搭載は絶対さけなければなりません。アップデートする時に全部日本独自でやらないといけなくなります。DDGのイージスは米海軍と同じもの=SPY-6を使うべきです。
 
 まあ、ともかく、アショアは死にましたので、その代替として敵基地攻撃能力をという報道もされていますが、これは本来まったく別の話です。日本のBMDは少数の弾道弾攻撃から守ることを想定しており、これは安全のためというよりも安心のための装備です。北朝鮮が突発的に少数の弾道弾を撃ち込んできた、または米韓等と武力衝突に至った際に日本も弾道弾で攻撃してきたというような場合に備えたものだと思います。飽和攻撃(誰がやるかは別にして)に備えたものではありませんし、それを迎撃するだけの数もありません。そのために平時にDDG拘束されます。それから解放するためのものがイージス・アショアでした。
 敵基地攻撃能力は建前として日本に対して攻撃することを思いとどまらせる抑止力です。しかし、本当に撃ってきたら、第一撃は防げません。静止軌道上に大出力レーザーだかビームだかを装備した攻撃衛星を打ち上げておけば発射しようとした時をとらえて先に攻撃出来るかもしれませんが、他の手段なら弾道弾がこちらの攻撃よりも先に来ます。仮に日本が核弾頭搭載弾道弾を装備したとしても、明らかに日本を攻撃しようとしていることがわかった段階では、発射前に破壊は無理です。

 なので、アショアの代替は
1.BMD機能を有する艦艇の増強
2.他の迎撃ミサイルシステムの配備
のいずれかです。2.は今からではいつになるかわかりませんし、適切なものがありません(前述のイージス・アショアの看板付け替えは別にして)。THAADはSM3を置き換えるものでなく、本来はSM3->THAAD->PAC3と三段階での重層防御のためのものでしょう。将来的にはレーザーやレールガンによる迎撃も可能いんあるかもしれませんが、当座はまだ無理でしょう。自動的に1です。
 つまりDDGの増強ですね?と思われるでしょうが、私は必ずしもそうとは限らないと思います。既にDDGを2隻増強する話は流れていますし、私も4隻増強する案を以前考えました。しかし、DDGはBMD専任艦ではありません。本来は艦隊防空艦であり、対艦対潜能力も有する有力な水上戦闘艦です。
 勿論、BMD機能を有するDDGの増強が理想的です。ですが、DDGは相対的に大型で高価で多数に人員を要します。以前述べたようにDDをFFMと置き換えて、DDGも新型にして省力化を進めれば4隻増強は人的資源の問題は解決出来ます。ただ、予算はかかります。
 アショアの代替であれば、常時1隻BMD機能を有する艦艇(SM3を8発から16発搭載)が日本海に遊弋していれば良いです。アショアは2基でしたがこれは日本全土をカバーするためです。SM3BlockIIでも1隻でカバー出来るのか?対北朝鮮だけなら出来るはずです。なぜならSM3はミッドコースで迎撃するものですから。中間地点に近ければ1隻でカバーできます。また、発射地点に近づくほど早期に探知も出来ます。そう、負担は別にして前進配備する方が都合は良いのです。
 BMD専任ならDDGである必要はありません。FFMをベースにVLSを32基搭載し、SM3/SM6/ESSMなどを搭載します。対潜攻撃兵器は必要ならVLSにVLAを装備しますが、通常はなくても良いでしょう。余裕があればヘリを乗せます(格納庫と飛行甲板は装備)。後はCIWSやRAMだけ。砲も要りません。SSMはSM6で代用。まあ、将来的に海自がLVSから発射出来るSSMを導入したら搭載しても良いでしょう。VLSは多い方が良いので、将来的に64基搭載出来る場所は確保しておくべきだと思います。勿論、予算に余裕があれば最初から64基でも良いです。乗員は200人未満を目指します。防空に特化することにより、必要人員を減らし、コストも削減します。
 この防空艦をDDGと呼びたければ呼んでも良いし、FFGでも良いでしょう。まずは2隻。将来的にはもう2隻(最低もう1隻)欲しいです。それで日本海に常時一隻遊弋させられます。平時はBMD専任。有事はBMDもやりますし、防空も出来ます。CECでFFMなど他の艦の搭載するSAMなどを管制すれば、自艦のVLSが少ないのを補完出来ます。 
 純増は無理ですから、DDとの置き換えです。乗員はとりあえず大丈夫でしょう。常時1隻展開なのでクルー制は採用したいです。その代わり、護衛艦隊に配備するFFMはクルー制は採用しなくても良いかもしれません。

 以上はあくまで私ならこうするというものであり、今後こうなるという予想ではありません。さて、実際にはどうなるでしょう?
  

| | コメント (0)

7/9/20’:FXの量産開始は2031年度?

 まだ、一般向けの正式な発表ではありませんが、以下のように報道されています。
空自 次期戦闘機 2031年度に量産開始方針 米英と調整加速
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200708/k10012502631000.html
 自民党国防議員連盟の会合で防衛省が以下のように説明したとのことです。

 2024年度に試作機製造開始
 2031年度に量産機の製造開始
 2035年度に配備開始

 F-2の退役は2035年度に開始されると防衛相も述べていますし、このスケジュールは、必要な工数・時間を積み上げて作られたものではなく、後から逆算したものでしょう。2035年度から配備開始するなら、2031年度には量産機の製造開始は必要でしょう。そして、諸々の試験期間を考えれば、試作機の製造開始は2024年度でも余裕があるとは言えません。

 F-2は
 1990年開発開始
 1992年試作機製造開始
 1995年試作1号機初飛行
 1996年調達開始
 2000年配備開始
です。量産初号機は1996年に初飛行しています。ただし、開発は2000年度まで続いて終わり次第配備が行われています。何にしても開発開始から試作1号機の初飛行まで約5年、試験に約5年の合計10年で開発から部隊配備開始までこぎつけています。

 一方、FXは2021年(年度から言えば2020年度かもしれませんが)から開発開始し、約15年で配備開始です。一見、F-2よりも余裕があるように見えます。しかし、F-2は実質的に作り直したと言われるもののF-16という母体がありました。エンジンは既存品でした。ですが、FXはエンジンも開発するようです(必ずしもXF9とは明記されていませんし、エンジンは英と協力という報道もありますので、断言は出来ませんが)。機体はどうやら新規に開発するようですし、ウェポンベイもありますし、やるべきことはF-2も比ではありません。また、試験期間もF-2よりも長くなるのは当然でしょう。F-2は確かに2年で試作機製造にいたっていますが、FXを長くても4年の倍の期間で本当に試作機が製造開始出来るのでしょうか?試作機といってもXF-3ではなく、X-3レベルだったりしませんか?
 X-2は事前の研究は別にして、2009年度予算から開始され、2016年初飛行しています。約7年です。このX-2の経験はあるにはありますが、武装もなにもない、飛行するだけの研究実証機です。それよりもF-Xは時間がかかると考えるのが自然でしょう。FCSというか、戦闘システムというべきだと思いますが、その開発もするのですから(あれ?まさか、ここは輸入するってことはないよね?)かなりの時間がかかるでしょう。そして、試作機を飛ばせば当然色々な不具合が出ます(過去の例を見れば明らか)。それを修正し、量産機の製造に着手出来るまでの期間は相当かかるでしょう。
 X-35というベースがあったF-35も
 1996年X-35試作契約締結
 2000年X-35初飛行
 2001年X-35がJSFに選定
 2006年F-35量産機初飛行
 2011年米空軍へ納入
 2015年IOC獲得
です。FXの開発がF-35よりも短く出来るでしょうか?
 不可能ではなにせよ、何かあったら予定が吹き飛ぶ余裕のないスケジュールなのは明かです。そして残念ながら過去の国産軍用機開発はいつも何かあって遅延しています。うまくいっても数年遅れると考えた方が良さそうです。

 2035年度からの配備開始に空自がこだわっているのは、飛行停止により対領空侵犯措置が行えなくなることを恐れて、3機種併用が必要だと考えているからでしょう。これはF-35ともう1機種だけでは駄目だという理屈でもあります。

 それと防衛相のFXは主に空対空を行うとしていることを考えると、FXはまず空対空能力だけで量産・配備をするのではないでしょうか?それも完全な状態とは言えず、対領空侵犯措置のみ行える状態で配備されるのでないでしょうか?それなら、開発と試験期間は相対的に短く出来ます。武装の構成もAAMが3種程度(国産のAAM-4系とAAM-5系、それとAIM-120)で、ステルスのはずなので機外搭載物もありません。試験期間は対艦対地装備がある場合と比べると大幅に減るはずです。
 機体というかHWがとりあえず出来れば、後はSWのアップデートで、後から対艦、対地能力などを追加出来るでしょう。順調にいったとして、全ての能力が発揮出来るようになるのは2045年頃になるのではないでしょうか?

 ともかく2035年に配備するためのスケジュールであるのは明白でしょう。そのためにまずは空対空に絞り込む、ということではないでしょうか?もし、最初からそう割り切っているのなら、大したものです。それは強力なリーダーシップが必要です。それが誰かはわかりませんが、明確に目標を定めて、それを達成するのに現実的な選択をしたということですから。もっともこれは深読みしすぎで、のんきにこのスケジュールでないと駄目だから、逆からひいて、後は現場頑張れ、というだけかもしれませんが(苦笑)。

 もう一つ、英米との協力がどうやら現実のものになりそうです。エンジンは英と協力という話もありますが、これ、XF9ではなく、別のエンジンになるのかもしれません。まあ、後一年しないうちに全てはわかるはずです。わからない時には2035年度配備開始は不可能です。
 ふむ、開発期間が短いことを考えると真面目に日本企業はどんがらというか機体本体だけを担当し、戦闘システムは米企業が担当するということもあるかもしれません。

 まあ、意図しなくても、結果的には配備直後は対領空侵犯措置のみ行える状態になる可能性はあると思います。なんにしても開発に時間がかかるのはHWではなくSWでしょうし、SWがFXの心臓でしょう。徐々にアップデートして能力を獲得していくことになると思います。

 その前に無事に今年度内に開発に本当に着手出来るか、ですね。

| | コメント (0)

7/2/20’:FX:ステルス時代の空対空戦闘に優れる戦闘機とは

 そもそも空対空戦闘に優れる戦闘機とはどのようなものでしょうか?第4世代(4.5を含む)までならば以下のようなものでしょう。
・高い機動力(旋回性などの運動性に優れる、高出力エンジンによる高い推力重量比)
・高出力で探知能力に優れたレーダーを有するFCS
・より多くのAAMを搭載
・高速(M2以上)で飛行可能
 迎撃主体なら航続距離はそれほど求められないでしょうが、制空なら後続距離も必要でしょう。

 西側ならF-15系、旧東側ならSu-27系が最強の空対空戦闘機と言えるでしょう。つまりBVRとWVRの両方に優れる戦闘機です。

 では、15年後はどうでしょう?当然、「ステルス」が普通になっているはずです。勿論、まだ、第4.5世代以前の戦闘機も使用されていますが、備えるべきは第5世代以降(第6世代と言えるものが登場しているかは私にはわかりませんが)の戦闘機でしょう。基本は変わらないでしょう。
 もっとも大事なのはWWI当時から変わらないこと、相手が自分を見つけるよりも先に相手を見つけ、先に攻撃する、です。ならば、非探知性を下げ、探知能力を上げる、です。この探知能力はFX単体ではなく、FXを中核とするシステムで、でしょう。つまり「ネットワーク」です。複数のAWACSによるレーダー探知、FXを含む戦闘機のパッシブセンサーから得られるデータ、それらを元にステルス機を探知することになるでしょう。
 当然がらネットワークに対する攻撃に耐えられる必要があります。これは極めて重要でしょう。妨害されたらリンクがすぐに切れてしまうのでは使い物になりません。

 問題は攻撃。WVR戦闘ならステルス機(少なくとも現在想定される)でも非ステルス機でも状況はかわりません。まだ、ビジュアルステルス機は存在しませんし、IR-AAMをかわせるほどのIRステルス性も実現していないでしょう。しかし、それではステルス機の意味がありません。
 もちろん、WVR戦闘に持ち込まれたら勝てないというのでは困ります。困りますが、世界最高の格闘戦能力というのはもはや求められないでしょう。二次元、三次元ノズルによる高機動力はあれば良いですが、もし、それによりステルス性が落ちる、コストがかなり高くなるなどなど、何かとトレードオフなら優先順位は低いので不要だと思います。
 では、BVRは?敵を先に見つけて攻撃するのは当然ですが、どのように攻撃出来るのでしょう?現在の普通のBVR-AAMはアクティブレーダーホーミングですが、これはステルス機を追尾出来るのでしょうか?接近すれば可能なように思えます。ですが、そこまでは?
 やはり対ステルスのBVR-AAMは途中まではネットワークによる誘導を受けて、末端誘導だけは自分でやるものになると思われます。それがレーダーなのかIRなのか画像なのか、複合なのかは別にして。逆に言えば、そのようなミサイルがないのなら、先に発見しても攻撃するにはWVRまで接近しないといけません。であれば、高い機動力も必要でしょう。

 対非ステルス機戦闘なら、高い機動力は不要で、より多くのAAM搭載力が優先されます。相手を一方的に攻撃し、AAMが尽きたら後退が、正しい戦術だと思います。

 私なりに想像するとステルス時代の「最強の空対空戦闘機」は、

1.有人無人航空機やその他見方のアセットとネットワークで連携して戦う能力
 
2.高いステルス性と探知性能に優れたセンサー
 
3.各種の妨害を受けながらも電子戦を継続できる能力

4.大きな搭載力

を備えた戦闘機だと思います。おや?おや?これは河野防衛相が述べた

1.航空自衛隊や米軍の航空機に加えて、海上自衛隊や陸上自衛隊の装備品とネットワークで連携して戦う能力
 
2.高いステルス性と探知性能に優れたセンサー
 
3.各種の妨害を受けながらも電子戦を継続できる能力

とほとんど同じですね。違うのは4が明記されていないこと。言い換えるとこれはF-35そのものです。

 つまりこれは容易に空対艦、空対地にも優れた戦闘機になりえます。搭載する兵装を変えれば。河野防衛相が述べたFXの姿は、空対空戦闘に主に従事するといっても、格闘戦能力に優れた戦闘機という意味ではないと私は考えます。

 F-35と似たような戦闘機を新規に開発する意味はありませんから、新規開発するFXは、結局、F-35よりも大きな搭載力、を備える必要があると考えます。

 更に言えば、もはや1機の戦闘機の性能で優劣を競う時代ではないと思います(実は昔からそうなんだけど、特に今後は)。戦闘機やAWACS、電子戦機、UAV、地上のレーダーサイトなどなどからなる「システム」の優劣を競う必要があると考えます。戦闘機はその一部です。

 河野防衛相は石破防衛庁長官(当時)と違って、相対的ハト派でしょう。「主として空対空戦闘を行うことを想定」というのは官邸NSCの目指す方向性に同意していないことの表れかもしれません。彼の建前としては、防空用に開発すると言いたいだけなのかもしれません。

 なんにしても私のFXの予想は余りかわりません。F-35より大きなウェポンベイを持つステルス機、です。さて、どうなるでしょう?

 

| | コメント (0)

6/30/20’:FX:防空軍派の勝利?FXは空対空重視!?

 以下は河野防衛相が書いた「次期戦闘機」という記事です。
https://blogos.com/article/467704/
 公式にはまだ何も発表されていませんから(少なくとも私が知る限り)、非公式なものですが、現役防衛相が書いたものですから、公式発表に準じるものと考えて良いのでしょう。

 以前も述べたようにF-2後継機=次期戦闘機なのでFXと呼びます。また、F-15JのJ-MSHIP機の更なる近代化改装型はF-15J改と呼んでおきます。まあ、今回で改3型位ですが、F-4EJ改の前例に倣います。


 FXは航空優勢を獲得するため、主として空対空戦闘を行うことを想定し、以下の性能が求められるとしています(引用した上数字は私がつけています)。

1.航空自衛隊や米軍の航空機に加えて、海上自衛隊や陸上自衛隊の装備品とネットワークで連携して戦う能力
 
2.高いステルス性と探知性能に優れたセンサー
 
3.各種の妨害を受けながらも電子戦を継続できる能力

 そして、能力向上の改修を自由に行えること、拡張性の確保が必須だとしています。


 また、F-15J改は約70機とされています。FXの生産数は明記されていませんが、F-2と置き換えなら、FXの生産が完了した時点で
F-35A:5個飛行隊
F-35B:2個飛行隊
F-15J改:3個飛行隊
FX:3個飛行隊
計:13個飛行隊
という体制になるのでしょう。1個飛行隊は機種により異なるのでしょうが、20機前後。
 ただ、新規開発してたったの70機だと1機いくらになることやら。F-15J J-MSIP機は約100機ですから、差し引き30機。DJは改修しないという情報がありますが、数から言えば、改修DJ以外の約70機、そういうことですね。DJをどうするのかはわかりませんが、そのまま教育用(第23飛行隊)と飛行教導隊で使うのでしょうか?それともF-15J改以外は退役させて、その分、FXを生産するのでそうか?それなら約100機生産出来ます。これでもまだ少ないのですが・・・。

 さて、河野防衛相の表現をそのまま受け取れば、FXは言われている通り、空対空用で、国内メーカー主導により新規開発されるということです。つまり、防空軍派が空軍派を押さえたということになるのでしょう。

 ですが、本当にそうなのでしょうか?

 求められる性能を改めて確認しましょう。2.は空対空戦闘に重要な性能ですが、空対地や空対艦でも極めて重要です。「探知性能」が何を探知するかによります。現代の空対空戦闘では、自機のレーダーを目標探知に使う時間は短いはずです。IRSTやF-35のEOTSのようなパッシブセンサーは必須ですが、AWACSなどの支援を得て戦うのが普通でしょう。ですから、これだけを見て、空対空重視とは言い切れません。第5世代以降の戦闘機に必須の能力だと言えるでしょう。F-15J改でも優れたセンサーの装備は可能ですが、ステルス性は無理です。大改装しても現在よりもRCSは小さく出来るでしょうが、第5世代機は当然遠く及びません。元々4世代機で最大級のRCSですから(苦笑)。

 3.は勿論、空対空戦闘に重要な性能です。ですが、空対地や空対艦でも重要です。これは当然ながら現代の戦闘機に必須の能力です。当然、F-15J改にも求められます。

 問題は1です。空対空重視なら「航空自衛隊や米軍の航空機とネットワークで連携して戦う能力」は当然です。しかし、そこに「海上自衛隊や陸上自衛隊の装備品とネットワークで連携して戦う能力」が加わるのは?空対空重視の戦闘機ならこれが一番最初に来るのは不自然です。これは明らかに空対艦や空対地のための能力です。

 つまり、求められている能力は、空対空、空対艦、空対地の全てに優れるマルチロールファイターそのものです。これはどういうことでしょうか?

 再度文言を確認しましょう。河野防衛相は「主として空対空戦闘を行うことを想定」としています。能力として空対空重視とは必ずしも言っていません。あくまで、FXは空対空戦闘を主に行うと言っているだけです。

 以前も述べましたが、FXを新規開発するとしたら、最大の敵はF-35です。運用コストはとりあえず別にして(FXも運用コストが低いとは思えませんし、F-15J改にしても低いとは考え難いですし)、調達費で比較すれば、相対的に安価で、十分な(最上ではないにせよ)ステルス性を有しており、高い能力のセンサーを持っています。F-35は空対空重視の戦闘機ではありませんが、現在の戦闘機でF-35を空対空戦闘で圧倒出来るのはF-22位でしょうが、そのF-22も電子戦装備やセンサーはF-35よりも一世代古いですから、状況によっては、負ける可能性すらあります。F-22が圧勝出来るとすると空自が大好き(イメージです(苦笑))な格闘戦の訓練だけでしょう。
 FXはそのF-35を越える必要があります。ですが、マルチロールファイターとして、F-35を越えるのは恐ろしく大変です。ですから、F-35を越えられるとしたら、重視する性能を絞り込む必要があります。これも以前述べたように空対空に特化した戦闘機か、F-35よりも大きなウェポンベイを有する戦闘機のどちらかでしょう。
 防空軍派が望むのは前者であり、空軍派が望むのは後者でしょう。どちらも難易度は高いですが、強いて言うならば、後者の方がまだ現実味があります。機体を大きくすれば、搭載力はF-35を越えられます。前者は技術的に可能かどうか疑問があります。それはほぼ、現段階では世界最高を目指すに等しいですから。

 次回に続く。

| | コメント (0)

6/19/20’:DDG(イージス艦)増勢!?

 まずは、祝プロ野球開幕、祝開幕ライオンズ勝利!
 さて、本題。防衛大臣記者会見を見ると、アショアは停止ではなく、中止ですね。
https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2020/0616a.html
https://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2020/0619a.html
 防衛省は停止し、官邸・NSCに中止を上申し、決定は官邸・NSCがする、という形式を踏むだけだと思います。元々が官邸・NSCから落ちてきた話ですからね。

 さて、イージス・アショアによりDDGの運用を楽にするはずだった訳ですが、どうするのでしょう?勿論、当座は今と同じです。そして、どうもDDGの増勢を防衛省は考えていると思われます。いや、原因と結果が逆なのかもしれません。特に秋田では地元の反対が強く、いつ実際に配備出来るかわからない状況です。そして、アショアは秋田と山口だと対北朝鮮用で、対中国用には最適とは言えません。対中国ならば、北陸と南九州のどこかに配備すべきでしょう。SM-3はICBMを迎撃出来ませんから、中国本土から北朝鮮を越えて日本に撃ち込まれたらどのみち手が出ません。そうすると相対的に射程の短いIRBM以下の弾道弾に備えるべきでしょう。そうすると目標になるのは南西諸島から九州だと思われます。岩国位はありえるかな?
 トランプ大統領は北朝鮮とは対決ではなく、宥和政策をとっています。自分のレガシーにするためでしょう。それに対して、当初はともかく、最近は中国に対しては強攻策をとっています。であれば、対中国で余り役に立たない現行のアショアよりもDDGの増勢を求めてきた可能性もあります。一般的に言われているのと異なり、アショアはアメリカに買わされたのではなく、アショア中止、DDG増勢がアメリカの要望かもしれません。トランプ大統領の言動と行動、「軍事的合理性」から納得出来る話です(ちょっと陰謀論入っていますが)。私は配備場所を変えて、アショアは継続すべきだとは思いますが・・・・。勿論、コストを理由に外されたSM-6も装備して。

 さて、DDG増勢となると、河野大臣の記者会見からも、個人的には嫌ですが、LMSSR(なんか奇跡的に正式採用されてSPY-7になったらしいので、嫌だけど、SPY-7とこの後は呼びます)がそのDDGに使われそうな雰囲気です。個人的にはとても嫌な展開です。
 いずれにしても9隻目のイージス艦が建造されるなら、それはSPY-1ではありえません。常識的に考えれば米海軍と同じSPY-6であるべきですが・・・・。
 ただ、逆に言えば、どうせSPY-7を使わされるのなら、9隻目以降のイージス艦は従来と異なるデザインでも良いと思います。そうすると思いつくのがMHIのFMF-AAWです。
https://www.navalnews.com/event-news/pacific-2019/2019/10/pacific-2019-mhi-unveils-opv-ddg-designs-based-on-future-jmsdf-frigate/
 これを見た時は、輸出以外に採用見込みがないんだけれどと思いましたが、可能性が出てきました。まさか、これを見越していた訳ではないでしょうが・・・。
 VLSは64+16で現行DDGよりも少ないですが、一回り小型ですし、省力化も期待出来ます。FFMとファミリー化出来れば利点は多いでしょう。

 DDG増勢といっても人はいませんから、乗員の合計は増やせません。なら、DDG/DDをより省力化したものと置き換えていくしかありません。
 4個護衛隊群用のDDは20隻として、むらさめ型9隻、たかなみ型5隻、あきづき型4隻、あさひ型2隻です。これらの乗員数は合計で3645人。これをDDG 4隻、DD 16隻と置き換えて、必要な乗員数を3645人以下にすれば、とりあえず人の話は解決します。とはいえ、将来的には更に減らす必要がありますが。
 FMF-AAWベースの新DDGの乗員数は不明です。まや型が300人ですが、これよりは減らせるはずです、というか、減らすために新型にします。2割減の240人を目標にします。するとDDGで960人です。あきづき型とあさひ型は新しいのでそのまま残すしかありません。この6隻で1260人も必要です。残り1425人。たかなみ型5隻は残すとすると889人。残り536人。5隻ですから、1隻あたり107人。答えは簡単ですね。むらさめ型9隻を退役させ、新DDG4隻とFFM5隻と置き換えます。これで総数はほぼ同じです。現状の30FFMよりは重装備になると思われるので(VLSは最初から装備するし)、若干乗員数は増えるでしょう。
 DDG4隻の建造には予算含めて相応の時間がかかります。まや型は起工から就役まで約3年。予算化から約4年かかっています。
 これから本格的に設計するんで、もし、来年度に予算化できるとしても
2021年予算化
2022年起工
2024年就役
です。まや型は続けて2隻建造しています。FMF-AAWベースだとするとMHIで建造ですが、下請けとして他でも建造は可能でしょう。なので、予算さえ付けば、2021年に2隻、2022年に2隻予算化し、2024年に2隻、2025年に2隻就役も不可能ではありません。とはいえ、アショアの予算を転用するにしてもかなり苦しいでしょう。
 そうすると今の中期防で2隻、次の中期防で2隻予算化でしょうか。設計の時間もあると思いますので、
1番艦:2023年起工、2025年就役
2番艦:2024年起工、2026年就役
3番艦:2026年起工、2027年就役
4番艦:2027年起工、2028年就役
位でしょうか。

 概ね、2030年の護衛艦隊は、「大きな変更」が無ければ
 DDHx1、DDGx3、DD/FFMx4
という編制になるでしょう。
 
 それとは別に現在の予定ではFFMは22隻建造されます。はつゆき型、あさぎり型、あぶくま型の16隻で、2880人です。FFMは3隻に4組の乗員を用意して運用するとされていますが、22隻は3で割り切れないので、3隻ちーずが6個、4隻チームが1個になるのでしょうか。この場合、必要な乗員は2900人ですから、16隻のDD/DEとほぼ同じです。この他削減する掃海艇がありますので、ミッションパッケージを搭載し、それに従事する人員もなんとかまかなえるでしょう。
 
 2030年にはたかなみ型も艦齢は24-27年に達します。2030年代には代艦の建造も必要でしょう。人手不足は深刻になっているでしょうから、これらの置き換えはFFMかその発展型になる可能性が高いように思います。ただし、数を減らして、DDGと置き換えはあるかもしれません。ただし、護衛艦隊の編成にもよるでしょう。
 
 いつまでも基本的に同じ編制の4個護衛隊群という体制が変わらないとは思えません。質的にはともかく数的には減らすことも考えるべきでしょう。BMDはあくまでDDGが担うとすれば、こんごう型は代艦を当座は建造せず、再度改装(最低SM-3ブロックIIとSM-6の運用能力は必要でしょうし、レーダーの換装必要でしょう)して現役にとどまりつづけると思われます。2030年代には艦齢40年に達しますが・・・。

 以前2040年頃の編制を以下のように提案しました。
http://moy.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-b9b8.html
 今回はこれを元に近年の変更などを受けて、2030年代の編制の私案を以下に示します。


第一艦隊
 第一護衛隊群:外洋部隊
  いずも、DDGx4(まや型と新型)、FFMx4

 第二護衛隊群:外洋部隊
  かが、DDGx4(あたご型と新型)、FFMx4

 第三護衛隊群:BMDと日本海部隊
  DDGx4(こんごう型)、DDx2(あさひ型)、DDx4(たかなみ型)

 DDH(CV)x2、DDGx12、DDx6、FFMx8:計28隻

第二艦隊:水陸両用、掃海、近海警備
 第一水陸両用群
  ひゅうが、DDx2(あきづき型)、LSD(新型)x2、FFMx6、MSO/MSCx6


 第二水陸両用群
  いせ、DDx2(あきづき型)、LST(おおすみ型)x3、FFMx6、MSO/MSCx6

 第一哨戒隊群
  FFMx3、OPVx6

 第二哨戒隊群
  FFMx3、OPVx6

第三艦隊:潜水艦隊
 第一潜水艦群
  ASRx1、SSx12

 第二潜水艦群
  ASRx1、SSx9

以上、正面戦力は
 DDHx4、DDGx12、DDx10、FFMx26、OPVx12、SSx21、LSDx2、LSTx3、MSO/MSCx12、ASRx2
です。FFM含めて、「護衛艦」は、52隻で、現在の計画よりも2隻減ります。FFMは現在計画されている22隻にDD置き換え分4隻で26隻(先ほどは置き換えは5隻としていましたが、総数減らすので)。
 全てのDDとFFMにはCEC能力を持たせます。DDGを配備出来ない水陸両用艦隊では、あきづき型が防空の中核となり、CECにより、FFMのVLSに搭載したESSM(やその後継ミサイル)を発射出来るようにします。

 LSDはうらが型2隻の代艦です。おおすみ型よりは大型ですが、LHAのような全通飛行甲板は備えず、ヘリポート程度にとどめ、輸送力を重視します。ひゅうが型は異論もあるでしょうが、対潜用から、ヘリ揚陸艦へ改装します。

 第一艦隊は旧護衛艦です。ナンバー艦隊にしたのは第二艦隊の名称が難しいからです(苦笑)。実際は別の名前でもかまいません。
 第一護衛隊群と第二護衛隊群は、外洋で主に行動する機動部隊で、二群なので完全に常時一群とまではいきませんが、極力一群は行動可能な状態にします。
 第三護衛隊群は舞鶴と大湊を拠点とし、主に日本海を担当し、BMDも担います。常時少なくとも1隻のDDGは日本海で哨戒に当たります。

 第二艦隊は現在の掃海群を基幹にし、護衛艦隊所属艦も一部移籍します。日本の領海や近海の警備を担当し、輸送(揚陸)、掃海、哨戒を行います。建前としては、外洋には行きません(災害支援などは別にして)。輸送・揚陸はあくまで、日本の領土間でのみ行います。契約した民間船(現在のはくおうやナッチャンWorldが該当。この段階ではもっと数は増えているはず)も第二艦隊の指揮下に入ります。

 第三艦隊は独立した艦隊にすべきかどうか悩みますが、前回もそうしたのと他とのバランスを考えて艦隊にしました。なお、12隻と9隻になっているのは3隻を4クルーで運用するためです。
 
 補給艦やらその他支援艦艇は自衛艦隊直轄にしておきます。第四艦隊を教育、訓練、支援部隊として編制しても良いとは思いますが。

 地方隊は存続しますが、所属するのは「艇」や支援船だけに縮小します。現在所属しているDDやDEは第二艦隊へ移籍します(FFMに転換した上で)。

 2040年代へ向けて、おおすみ型は同数のLSDと置き換えます。ひゅうが型の艦齢も30年を越えるので代艦が2040年代後半には建造されるでしょう。この流れから言えば、それはLHAになるはずですが、F-35Bを24機とヘリを搭載する空母を建造し、いずも型をLHAに転用する手もあります。サイドエレベーターがあるので車輌の搭載はやりやすいですから。ま、お金があれば、ですけれど。ま、陸自を10万まで減らして浮いたお金の4000億の家、陸には1000億だけ私、空海で残りを使えばいけるかな(笑)。

| | コメント (0)

6/17/20’:陸自AH部隊はどうなる?:その4:予算を確保するためにはどうする?

 AH-64Eでなくても、何かしら火力支援のヘリが必要でしょう。では、予算はどうするか?前述の改修と新造でAH-64Eを30機整備するのに1032億円だと想定しました。AHが激減することを考えると、次期中期防中に改修と追加調達を終えるべきです(正確には2025年までに改修するのはもう間に合わないのですけれど)。こんな感じでしょうか?
1年目:198億円:新造3機:改修 3機
2年目:200億円:新造5機
3年目:198億円:新造3機:改修 3機
4年目:200億円:新造5機
5年目:224億円:新造2機:改修 6機
 運用可能なAH-64をある程度維持するために改修の半数は新造機がある程度稼働を始める5年目にまとめていますが、まあ、細かい内訳はともかく、5年間で200億円程度ずつ追加で予算が必要です。

 さて、UH-XやCH-47JAの調達とは別にどうやって確保すれば良いでしょう?陸自予算の増額は無しです。
え?アショア中止で予算が浮いたはず?あれは駄目ですよ。あくまで陸もBMDを担うということで確保されたものであり、陸でやらないのら他に回ります=予算人員が陸自から減らされるはずです。

 陸自予算の内訳は記載されていませんが、本年度予算で全体で
一般物件費:19.6%:9926億円
歳出化経費:38.1%:19336億円
人件・糧食費:42.3%:21426億円
と書かれています。

 定数は全体で24.7万人、うち陸自は約15万人。実数では約14万人。この他即応予備もありますし、定数と実数1万人の差をどう考えるかが難しいところですが、とりあえず、15/24.7万というこの比率で言えば、陸自の人件・糧食費は約1.4兆円です。はい、答えは簡単ですね。人を減らせばいいのです。200億円ならたった1.4%ですよ。約2000人削減すれば200億円捻出可能です。実際には装備の購入はローンで人件・糧食費はその年度の出費なので単純にはいきませんが、大雑把に言えばそんなものでしょう。
 今でさえ人手が足らないのに更に減らすのか!と陸の人に言われるでしょうが、以前も述べたように将来的に陸自定数は減ることはあっても増えることはないでしょう。理由?人がいません。子供は減り続けており、「兵隊」になる人口そのものが減少しています。今でも相対的に「将兵」の高年齢化は進んでいます(27,8歳の新品少尉とか)。
 であれば、人を減らして、機械化、無人機(航空機に限らず、陸上でも)などを進めていく必要があるでしょう。宇垣軍縮じゃないですが、陸自の定数と実数を概ね10万人(充足率はほぼ100%にする)に減らし、人件・糧食費を4000億円減らします。それを原資として、変革を進めます。
 ただし、全てが陸自で使える訳ではありません。空海も人員削減を余儀なくされますが、予算は足らなくても余ることはありません。
 1000億円は海領域、1000億円は空領域に使い、2000億円を陸自の装備改善に使うこととします。「領域」と書きましたが、単純に1000億円ずつ海自、空自の予算を増やすのではないからです。所属は陸でもその任務からすると本来は海自や空自に属すべきとも言える部隊の予算に使います。どういうものか?中期防衛計画にかかれていたLSVやLCU、V-22が海領域、イージスアショアと中大型UAVが空領域です。LSVやLCU、V-22は島嶼防衛用ですので、まあ、まだ、陸が運用してもおかしくはないのですが、イージスアショアは完全に押しつけられ案件です。なので、減らした分の予算をこちらへ振り向けます。UAVはグローバルホークは共同の部隊とされていますが、数はもっと必要でしょうし、リーパー級の中型UAVの導入も必要です。これらも島嶼防衛向けです。
 陸自向けも新装輪装甲車ファミリーの導入、96式の後継車など多数の装備調達が今後必要です。人を減らす分機械化率を高めて、普通科は基本的に何かしら装甲車で移動出来るようにすべきでしょう(軽装機動車は含まず)。予算はいくらでも必要です。
 2000億円の内、300億をAH部隊の再建(AH-64E 30機)やUAV含めて航空機調達に、700億を地対空、地対艦、地対地ミサイルを含む陸上装備の調達に、残り1000億円はそれらの維持費に振り分けます。 これにより防衛費の総額は増やせなくても、装備は充実出来ます。
 OH-6は謂わば、空飛ぶ軽装甲機動車のようなものす。私は陸自に必須だと思います。ただ、適当な機体がほとんどありません。新規開発しない(時間がないし)とすれば前回述べたように事実上H135しかないでしょう。武装キット込みにすると価格は上昇します。余り高いとAH-64Eの輸入の方が良いではないかということになってしまいますが・・・。とりあえず武装キット込みで20億としておきます。年10機、5年で50機調達出来ます。トータルで100機は欲しいですが、全てに武装キットをつける必要はないでしょう。
 
 とはいえ、次の中期防で一気に10万人に減らすというのは無理でしょう。あくまで将来的にはそこまで減らす必要がある(というか、ほっといでも人手不足で減っていく)ということです。なので、徐々に減らして行くことになるでしょう。まずはその第一弾として減らした分でAH部隊を再建しましょう。合わせてH135の導入も!

| | コメント (0)

より以前の記事一覧