戦史・軍事

FFMの名前は?

 生きています(苦笑)。本業多忙で疲れ果てて、書き込み気力と時間がありませんでした。とりあえず軽く生存報告を兼ねて。

 28DDGが無事に進水し、無難に「はぐろ」と命名されましたね。山の名前の1万t級重巡だと残りは「はぐろ」「たかお」「なち」しか残っていませんから、この中から選ぶなら「はぐろ」が妥当でしょう。「たかお」は台湾に高雄市があることを考えると変に勘ぐられ兼ねません(関係ないのですけど)。また「なち」だとNaziと音が・・・やはり避けるのが無難です。勿論、更に2隻DDGを建造するなら「たかお」「なち」もありえるかもしれませんが・・・それは「こんごう」代艦の時まで持ち越しでしょう。

 さて、次はFFMです。大量に建造されるので名前もたくさん必要です。個人的には植物シリーズにして欲しいです。従来のDDよりも簡素な装備で乗員も少ないFFMは、WWII当時の甲型駆逐艦に対する丁型駆逐艦=松型と良く似ている立ち位置だと思います。名前にも困りません。FFMは安物だ軽装備過ぎる、そんなの建造するならDDつくれとか色々言われていますが、その辺も松型に似ています。実際には松型は戦争末期に主力駆逐艦として奮戦しましたし、甲型よりも活躍したと言えるでしょう。ですから、その再来を私は期待したいです。

 が、しかし、現在の自衛艦の名称等を付与する標準によるとFFMはDDやDEと同じです。
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1960/ax19600924_00030_000.pdf
 つまり「天象・気象、山岳、河川、地方の名」です。規則上はFFMの1番艦が「やまと」でも良い訳ですが(笑)、まあ、実際には河川の名になるのでしょう。天象・気象を使うことも可能ですが、現在、まだ多数のDDが健在ですから、不可能ではないにせよ、自由度は下がります。位置づけからしてもDDよりもワンランク下ですから、そうするとこれまた無難にDEを引き継いで、河川、なのでしょう。

 なお、「鳥の名、木の名、草の名」はミサイル艇につけることになっていますが、これまた無難にいけば、哨戒艦もこれになるのでしょうねえ。まあ、FFMだけみないで哨戒艦も考えると、こっちに植物の名前が妥当なのかなあ。特に私が主張しているように哨戒艦が巡視船の準同型艦のようなものであれば、植物でしょう。万一、LCSのパチモンみたいな高速艦だったら、鳥の名でしょうけれど。

 という訳で、無難でおもしろみはないですが、FFMは河川の名、哨戒艦は木や草の名になると思います。

 なお、もし、FFMに天象・気象の名がつけられたとしたら、それは、今後、DDは建造されず、将来的にはFFMの発達型で置き換えられることを意味するでしょう(以前、私がそうあるべきと主張したように)。まあ、でも、そこまではやらないかな?でも、その時は、FFMの1番艦と2番艦は「はるかぜ」「ゆきかぜ」にして欲しいです。
 まあ、世界の大勢はDDは防空艦(航空機駆逐艦だ!)、FFが汎用艦なので(防空フリゲートというのもありますが)、将来的には、弾道弾迎撃能力を持つ山の名前のDDG(実質、巡洋艦)、僚艦防空能力を持つ月の名前のDD(あきづき型の発展型)、風、雨、霧などの名前の汎用FFMにより護衛艦隊は編成されるようになるのでは、と妄想しておきます。4個護衛隊群が維持出来るなら、1個護衛隊群はDDGx2、DDx2、FFMx3、それと大型艦x1でしょう。大型艦がどうなるかは今後次第ですが、本気で空母を保有するのなら、以前も述べたように多くて3隻でしょうから、護衛隊群も3個に減るかもしれません。まあ、空母は2隻で、逆に水上艦は4個群という組み合わせもありかもしれません。まあ、何にしても今後の護衛艦隊は大きく変わっていくことになるはずです。

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これぞ、プロ

 世界の艦船8月号の元海幕長 武居智久著「哨戒艦は海上防衛力整備の「異端」となりうるか」の感想です。

 基盤的防衛力整備構想は、防衛力整備の理論的な根拠や目標値を政府として公にしたという「光」と予算削減圧力を受け続けた際に大綱水準に安住し、脅威を見積もって所要の防衛力を算出する努力がおろそかになったという「陰」があるとしています。
 ありがちな話ですが、88艦隊構想は予算要求上のレトリックだったものが、それであれば良いとされ、また、逆にヘリは8機あれば良い=それ以上要らないとして、DDGに搭載する必要性を認めない根拠とされたなどの副作用も多々あるとしています。
 これは今でも残っていて30FFMの調達数が22隻なのは、22隻必要だから、ではなく、護衛艦の数が合計54隻とされているので、88艦隊4個群32隻を引くと残りが22隻なだけですね。
 哨戒艦はこれらと違って、基本的には新規に追加されるものです。ミサイル艇は支援艦艇の置き換えという意見もあるけれど、それらはそれらで必要なので早期に退役させることはないだろう、つまり、FFMと違って既存艦の置き換えという「財源」が明確に存在していないとしています。この部分には、個人的は異論もあります。ひうち型はともかく、ミサイル艇はその存在価値を既に失っているので哨戒艦と入れ替わることでしょう。乗員の確保という観点からもそれは必要だと思います。とはいえ、整備の段階で明確に既存艦の置き換えになっていない、のはその通りでしょう。
 著者は財源がないにもかかわらず、哨戒艦を12隻も建造するのはそれだけ防衛所要が逼迫しているのだろうとしています。これはまさにその通りでしょう。世界の艦船にも掲載されていますが、日本周辺に出没した他国海軍艦艇の写真は水上艦の場合、必ずしもDDではなく、支援艦だったり補給艦だったりする場合もあります。これは平時の警戒監視任務にあてる船が足らないことを意味しているでしょう。
 少子高齢化による人的資源減少について強く警鐘を鳴らしています。2060年に日本の人口は26%減少するとされているので、このままだと海自の人員も約3割減少します。これから建造される艦艇は30年以上使うでしょうから、定員は3割減らさないと運用できないとしています。
 現在、艦艇の乗組員は合計で約15200人。FFMと置き換えられるDD/DE/MSCの乗員は合計で約3200人。FFMが22隻分+複数クルー制のための追加7隻分で合計2900人なので、その差は約300人です。単純計算で行けば、哨戒艦に1隻25人を割り振れますが、FFMは省力化を進めるため、潜水艦同様に充足率100%を保つ必要があるだろうから、実際にはそこまでの人員余裕はないだろうとしています。
 そうなると哨戒艦は、いずれは無人化し、USVにならなければならないというのが著者の主張で、これはその通りでしょう。しかし、それには法的な問題もあると指摘しています。無人であるため、簡単に言えば、軍人(自衛官はそれに順ずる)が乗っていないので、軍艦として認めれません。もちろん、今後は変わっていくでしょうが。また、仮に戦闘に至った場合の問題もあります。
 個人的には哨戒艦は基本的には平時に主に活躍するので、RPASと同様にリモートで、陸上から少数のクルーが運用しても良いとは思います。そうであれば、実際に乗り込んでいなくても、軍人の指揮下にありますし、万一の戦闘時も判断は人間が下せます。これなら人数も少なくて済みますし、ローテーションを組んで動かせば、夜勤はあるものお、自宅から通勤できます。
 著者もスパイラルにUSVへの進化が必要とし、最終的は完全無人化を目指すべきとしています。第一段階として、少数の乗員の運行に特化したが乗り込み、装備機器の管制、データ処理は陸上から遠隔操作し、第二段階は完全無人化を目指すとしています、

 海自(に限らず、空陸もそうだし、そもそも日本という国がそう)は人口減少という、「人口の圧政」に直面しており、人員減少は避けられません。従来と同じやり方をすれば、それは艦艇数の減少で対応することになりますが、それでは所定の防衛力を確保出来ません。であるが故に、いずれUSV化する哨戒艦を「異端」として受け入れ、防衛力整備を根本的に見直し、人口の圧政と戦っていくことに尽きる、厳密な制度設計と速やかな着手、そして漸進的な実施が是非とも必要である、と結んでいます。

 素晴らしいの一言です。同じ海自OBでも、先月号の記事とはまったく違います。我々がプロ(この場合は元職)に期待するのはこういう記事です。昔を懐かしみ、「ボクの艦隊が変わっていくのが許せない」という記事ではありません。

 FFM22隻の整備が終わったら、DDGやDDの代艦整備が行われるでしょう。文谷先生はこんごうは代艦を建造しても基本機能が同じだから無駄だ、改装して使い続けるべきだと主張されていますが、そこに省力化という観点が抜けています。海自の公表値ではこんごう型の乗員数は約300人、あたご型約310人、あさぎり型220人、むらさめ型170人、たかなみ型175人、あきづき型200人です。あさひ型は記載ありませんでしたが、あきづき型とほぼ同じでしょう。
 近代化改装により約200人で運用出来るか?難しいでしょう。自動化を想定していない部分をどんどん自動化しなければなりませんから。であれば、乗員数200人で同等以上の能力を発揮できるDDGを建造しなければなりません。DDも同様です。そうでないと自然減に対応出来ません。
 前から述べているようにDDGはともかく、DDはもはや新造はありえないかもしれません。30FFMそのままというのはありえないでしょうが、その延長戦上にあるFFがDDを置き換えていくのではないでしょうか?それをUAV/USVなどで補っていくことになるでしょう。哨戒艦と違って、有事が主任務であるDDは、陸上から遠隔操作とはいかないでしょう。であれば、1隻が数隻のUSVを従えて戦闘するということになるでしょう。3隻乃至4隻で構成されていた1個護衛隊は、1隻の有人艦と数隻の無人艦で構成されるようになるかもしれません・・・いや、それを目指すべきでしょう。実質無人で航行・戦闘が出来る艦に意思決定のために少人数乗り込むという手もあるでしょう。ただ、人が乗ると烹炊員と医官が必要です。医官は特定の艦にだけ乗せて、必要なら移送という手もあるでしょうが、食事はそうはいきません。全自動調理機が開発されれば別ですが。そう考えたら、人は特定の艦に乗せた方が良いと思います。次の世代(今のDDの置き換え)ではまだ省力化を進める程度で、将来的に小型のUSVを活用する程度でも、その次の世代はそうならざるを得ないと思います。DDGも同様だと思います。

 また、今後LHAや「空母」を整備するなら、それらの乗員を捻出するために全ての艦艇で劇的なまでの省力化や無人機・艦の活用が必須だと考えます。 理想、あるべき論は別にして、現実の人口減少に対応するためにはそのような改革が必要です。

 ところで、海保はどうするのでしょうね?規模は小さいものの、なり手不足は同じだと思います。元々大人数乗っていませんし、省力化といっても、性格上人数も必要そうです。さて、どうするでしょう?USV/UAVは活用するでしょうが・・・。

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トランプ大統領、日米安保破棄を示唆!?

 まず最初に。のとじまの事故。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019062700309&g=soc
 写真を見ると結構酷いですね。修理出来るのかなあ?出来るとしてもかなり時間はかかりそうです。
 海自の発表はまだこれだけ。
https://www.mod.go.jp/msdf/release/201906/20190627-01.pdf
 あれ?これって、司令も乗っていたということでしょうか?それとも単に上部組織を示しただけかなあ?
 まあ、なんにしても双方に人的被害が無くて良かったです。相手の貨物船も余り大きさが変わらなかったのも幸いでした。

 さて、本題です。いつものことと言えば、そうですが、トランプ米大統領の発言が物議を醸しています。今回は以下の二つですが
1.日米安保は片務で不公平、米は日を守るが、日は米を守らない
2.普天間から移転させるのは簒奪、土地に巨大な利権があるから、保証金を要求する

 トランプ大統領は、XXはずるい、不公平だ、米が不利益をこうむっている、というのはいつものことです。ポピュリスト的発言と言えますし、交渉テクニックとしていっているように思えますが、本気でそう思っているようでもあります。本気なら単なる無知や思い込みではあります。2.不動産王らしく立ち退き料を払えというような発想なのでしょう。

 日米安保条約は片務的かといえば、決してそうではありません。ただし、非対称な状態だとは言えます。

米:日本の基地を無償で使用出来て、更に維持費も払ってもらえる
日:有事の際には助けてもらえる

 日本から見た場合、よく言えば保険料を支払っているようなものです。世間の保険は、保険会社が利益を得ていますから、公平化不公平かといえば、米が有利な不公平な条約を考えることも出来ます。何せ、ずっと保険料を支払い続けていますが、いまだに、その保険を使う機会は幸いにしてありませんから。

 更に例の安保法制のおかげで従来は10:0だったのが9:1位で日本側も「米を守る」ことが出来るようになってきました。9.5:0.5位かもしれませんが。

 しかし、トランプ大統領はそんなことは考えません。一方的に米が義務を負っていると考えます。それ故に日本が基地と経費を提供するのは当然のことであり、もっと経費負担すべきだし、更に日本も義務を負え、と考えるのはこの人です。


 そこまでぐちゃぐちゃ言うなら、日米安保は止めようか!といいたくもなります。現実にはその可能性はほぼありえませんが、思考実験として日米安保条約を破棄した場合、どうなるかを考えて見ます。

<1.憲法改正、日米対等同盟>
 憲法改正が必要だと思いますが、トランプ大統領が望むように対等な同盟に発展させることがもっとも有力な選択肢の一つでしょう。核の傘だけは、米だけが提供するしかありませんが、後は対等です。この場合、他の国も含めてたNATOのような同盟機構を設立することも出来ます。
 この場合、在日米軍がどうなるかは両者の協議で決まるでしょうが、その維持費は日本が支払うのではなく、逆に米に賃料をもらうのが正しいでしょう。百歩譲って核の傘の代償に基地は提供するとしても経費は米の自腹であるべきです。また、その核の運用は日本側の意思が反映されなければなりません。その代わり、従来と異なり、米はどうどうと日本国内に核を持ち込めます。

 能力的には問題ありませんし、そもそも、憲法・法的な話は別にして、海空はその方向へ進んでいます。それに法的な体制を合わせる、ということです。問題は憲法改正と非核三原則です。それは日米対等同盟に過半の国民が同意しなければ成立しません。

<2.同盟解消、在日米軍撤退、憲法非改正>
 有効関係は維持しますし、個別の協定で防衛協力もしますが、同盟そのものは解消し、在日米軍は撤退、日本は公式には米の核の傘から離脱します。ただ、米と対立する訳ではありません。現在の英豪との関係にほぼ等しくなるでしょう。
 
 憲法改正をしない場合、集団的自衛権は行使できませんから、新たな同盟の構築はありえませんので、自主防衛体制を構築するほかありません。防衛費を大幅に増大しない限りは、有事の際には国連、安保理に期待する他ありませんが、日本の有事で可能性が高いシナリオは全て相手が安保理の常任理事国ですから、まず機能しません。

 核の傘は諦めるしかありません。通常戦力で十分な抑止力を有したとしても核保有国と衝突すれば、日本は譲歩せざるを得ません。それを避けようとしたら弾道弾防衛には力を注ぐことになるでしょう。当然ながら日本の防衛費は今よりも増えます。とはいえ予算は限られますから、現在の在日米軍に関係するもろもろの経費をまずは防衛費にあてることになるでしょう。でも、それでも恐らく不足するでしょう。

<3.同盟解消、在日米軍撤退、完全自主防衛>
 一言で言えば、核武装です。他人の核の傘を頼れない以上、自分で傘を用意するしかありません。憲法改正は?実は不要です。現在の解釈では自衛のためなら核武装は禁止されていません。防衛費がどれだけかかるか?やり方次第です。現在の総額(在日米軍経費も含めて)の中でやりくりすることは可能です。どのような核を保有するかは、想定する相手、により変わるでしょうが米と戦争を辞さない、というのでなければ、ICBMは不要でしょう。
 ただ、世界を敵に回すことになってしまいます。今から新たな核保有国になるというのはそういうことです。単に防衛費が増大するとかそいうレベルではすみません。

<4.同盟解消、在日米軍撤退、憲法改正、自主防衛>
 3.との違いは集団安全保障体制の構築が可能になることです。1.のバリエーションと言えますが、組み無相手が米ではないというのが違いです。英連邦系が第一候補ですが、東南アジア諸国もありえるでしょう。双方の国民感情からして難しいとは思いますが、日韓同盟もありえます。
 問題は核の傘。核保有国を同盟に入れて間接的な核の傘を提供してもらうことになるでしょう。破れ傘ですが。


<5.同盟解消、在日米軍撤退、新たな二国間安保体制>
 米の代わりに他の核保有国と組み、後は憲法含めて現状のまま、です。対象は中露に限られるでしょう。他国では核の傘が破れ傘にしかなりません。ただ、中露と組むとなると米と対立することになるので、安全保障上のリスクは増すと言えます。
 ただし、もし、米との関係が悪化した場合、中露と組むのがもっとも現実的です。日中露三国同盟が成立すれば、米と経済的にも軍事的にも十分対抗しえます。

 組み合わせは他にも考えられはしますが、主要なものは以上でしょう。最良は?常識的には1です。それが本来あるべき姿でしょう。沖縄の基地問題も安全保障上の問題を招くことなく解消出来ます。次善は?上記以外、つまり現状維持です。個人的には4.で英豪などとの同盟が良いですけどね。

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イランと米の対立はなんか変

 イランと米の対立は酷くなっており、イランが米のUAVを撃墜し、トランプ大統領が報復攻撃を寸前で取りやめたと報道されています。UAVといってもRQ-4 グローバルホークなので、大きくて高いやつですね。あれはトライトンうんうんとかRQ-4 BAMS-Dだからトライトンといっていいとか人もいるようですが、米国防省がRQ-4 Global Hawkだと発表していますので、RQ-4としておきます。
https://www.defense.gov/explore/story/Article/1882497/iran-shoots-down-us-global-hawk-operating-in-international-airspace/
実際、撃墜された機体の型番はどうでも良いです。大事なのは大型で高価なUAVが撃墜された、ということですから。

 イランは領空侵犯したら撃墜したといい、米はしていないといって航跡図を公開していますが・・・まあ、その辺はどっちでも大差ないでしょう。イランは破片を回収して公開しているので、領空侵犯の事実があるかどうかは別にして、待ち構えていて撃墜したと推測出来ます。ホルムズ海峡が狭いといっても、突発的に領空侵犯されたので撃墜した、というのなら、海上に落ちた残骸を早期に回収出来るとは思えません。恒常的に飛行していたので、計画して撃墜したと考えるのが自然です。領空侵犯していないにせよ、領空近傍を飛んでいたのは間違いありません(米側の主張でもそうなっているので)。
 なのでこれは米に対するメッセージであり、一種の威力偵察でしょう。イランは武力衝突を恐れない、侵略者に屈しないというメッセージであり、UAVの撃墜に対して米がどこまで踏み込んだ報復をしてくるのかを見るためだと思います。表面的には米は攻撃をしようとしたが犠牲者が出るのを避けるために踏みとどまったということになっていますが、本当のところどこかで攻撃準備したかは外からはわかりません。最初からやる気はないけれど、それだとなめられるので、拳を振り上げたものの犠牲者がでるから思いとどまった、ありがたく思え、次は許さん、というメッセージを出しただけかもしれません。
 イランも本気で挑発するならP-8を攻撃したことでしょう。しかし、それをやれば確実に報復攻撃を受けるので、UAVをまず撃墜してみた、のでしょう。または米側の強硬派がRQ-4を飛ばして挑発し、イランに攻撃させた可能性もあります。寸前で思いとどまったというのが事実なら、トランプ大統領の気分次第では、軍事衝突が発生していた可能性もあるのですから。
 まあ、なんにしても腹の探りあいですね。どちらも本気でぶつかる気はないでしょう。先日のタンカーに対する攻撃でも米は新しい証拠をまったく出していません。以下にコクカ・カレイジャスの写真は色々をだしていますが、いずれも目新しいものではありませんし、
https://www.defense.gov/Explore/Spotlight/Threats-in-the-Middle-East/
更にもう1隻のフロント・アルタイルは被害状況を示す写真すら公表しませんし、メディアの取材もさせません。これはどういうことでしょう?UAV撃墜事件とあわせて考えると、やはり米はイランとの軍事衝突を望んではいないということなのでしょう。または逆に米の一部強硬派が軍事衝突を起こそうとたくらんだものの失敗している、か、です。
 
 いずれにしてもなんか変ですっきりしません。まあ、10年もすれば真相は明らかになるかな?それまでは生きていたいものです。

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タンカー攻撃事件

 まず、昨夜の地震。最大震度6強ということで心配しましたが、その割には被害は軽かったようで幸いでした。津波も微弱でしたし。俗な言い方しか出来ませんが、最近、地震が増えたような気がしてなりません。本命?の東海から関東の大地震は何時くるか?今、この瞬間にくるかも?と備えておくしかないでしょうね。

 さて、ホルムズ海峡で二隻のタンカーが攻撃された事件。日本の海運会社が運行していた方に吸着機雷(水雷)が取り付けられており、それを取り外していく映像が米から公開されています。
https://news.usni.org/2019/06/13/u-s-destroyer-responding-to-distress-calls-in-the-gulf-of-oman-amidst-reports-of-attacks
米はそれをイラン革命防衛隊だと主張しており、状況証拠的には確かにそれっぽいのですが、現段階では決定的な証拠は提示されていません。公開された動画はモノクロで解像度も低く、それだけで、本当に革命防衛隊かどうかはわかりません。
追加の写真も公開されましたが、新しい情報はありません。新聞ニュースですが以下から見られます。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190618-OYT1T50128/
取り付けている映像ではありませんし、この映像が本当にイラン革命防衛隊だと断定できるものではありません。革命防衛隊といっても、正規の軍艦とは違って、使っている船は元々は汎用のものでしょうから、同等のものを調達するのは容易でしょう。
 米がずっと監視(UAVやP-8などで)していたとすれば、その船がイランのいずかの港へ戻っておくレーダー航跡などを公開してくるでしょう。また、取り付けた時の何らかの資料も出してくるかもしれません。ただ、もし、それがあるなら、何故今公開しないのか?そこがちょっと不思議です。イランに暴露される前に自白しろというメッセージを送っているのかもしれませんが、イランがそれをするとも思えません。
 印象だけで言えば、米は情報を小出しにしてイランがやったと印象付けようとしているものの、決定的な証拠は持っていないのでは?と思えてしまいます。

 現段階で、イランが実行する理由が余り思いつきません。イランとて米などとの武力衝突は避けたいはずです。建前はどうであれ、経済制裁だけで相応にまいっているのに武力衝突となると現体制の崩壊につながりかねません。もちろん、一部強硬派が暴走してやったという可能性はあります。しかし、イランの指導部が指示した作戦とは思いにくいです。。もちろん、歴史を振り返ってみると、何故そんな馬鹿な判断をしたのだ?と思いたくなることは山ほどあります。合理的にはありえなくても、やった可能性もあるとは思います。

 逆に反イラン側の謀略だとすると動機という点では納得しやすいです。イランと米、またサウジアラビアなどとの武力衝突を引き起こしたい勢力がイランの仕業に見せかけて今回の事件を起こしてたと理解するのは容易です。また、仮に米の謀略ならイランを不利な立場に追い込んで、譲歩を迫るのが狙いでしょう(もっとも、イランからすると、ふざけんじゃねえ、戦争するならやってやろうじゃないか!と逆きれしそうですが)。もちろん、謀略だとばれた時のリスクはありますが、これまたなんでそんなことをしたん?ばればれじゃない?という謀略も歴史上存在しています。

 仮に米による謀略だとすると?米が出してくる証拠は当てにならないということになってきますね。現在、ホルムズ海峡で十分な監視体制を取れるのは米か精々サウジアラビア位でしょうから、仮に米の謀略だとしてもそれを覆す証拠を出すのは難しいです。

 それと手段。沈めるのが目的ではなく、警告が目的だとしても、航行している船に吸着機雷を取り付けるというのはリスクが高いように思います。それならRPGだかロケット砲の類を撃ちこんですぐに逃げたほうがましです。夜間なら攻撃された側からは誰が攻撃してきたか特定するのは困難です。また、機雷も有益でしょう。旧ソ連系の機雷を入手して、流せば犯人の特定はほぼ不可能でしょう。攻撃目標も選べませんが、警告ならそれで十分です。密度を減らせば沈むことはないでしょう。

 今回はなんかすっきりしませんね。余り謀略論に組したくはありませんが、今回に関しては何らかの謀略である可能性も否定しきれません。また、もう一隻はどうだったのか?それと乗組員は砲撃、少なくとも飛来物による攻撃されたと証言しているのも不可解です。最初はRPGだかその類による攻撃ではないかと思いましたが・・・・。
 前述の米軍が公開した被害箇所の写真では、爆発が外部で発生しているのは明らかです。誰が?というのは別にして外部に爆発物が取り付けられていてそれが爆発したと理解出来ます。ただ、穴の大きさと比べると爆発の痕跡が少ない感じがしますが、指向性を持たせたものならこんなものでしょうか。
 ただ、大きな破穴の右下に円形の別の穴が見えます。これはなんでしょう?外部の爆発で内部から何かが飛び出したのなら、船の外板が外側にめくれるはずですから、これも外から何かが内部に入り込んだ穴に見えます。一般的に言えば、砲弾ですが、板が周辺でゆがんでいません。そうすると外部でHEAT弾の信管が作動して・・・いや、こんな大きな穴にはなりませんね。なんだろうこれ?左側の角を落とした長方形型の痕跡も気になりますが。何かがここについててそれをはがしたように見えます。ただ、サイズはまちまち。これは今回の被害とは関係ないのかなあ?
 それと飛来物という証言が正しいかどうかは別にして、二度攻撃を受けたと証言しているはずですが、被害部の写真は一箇所だけというのも不思議です。

 もう一隻の被害状況の情報が出て来ないので、これも同様の攻撃だったかどうかはいまだ不明です。

 なお、念のため申し上げておきますが、今回の事件は米かどこかイラン以外の国・勢力による陰謀だと主張している訳ではありません。現段階ではどの国・勢力による攻撃かは、特定出来ない、というのが私の主張です。

 それから、一部界隈で「機雷」か「水雷」かで議論が起きているようですが、歴史的経緯や名前本来の意味からすれば、今回使用されたとされるもの(厳密に言えば、あの船が回収していったもので、あって爆発痕が何によるものかはまだ不明ですが)は、地雷に対する水雷が正しいと言えば正しいでしょう。機雷は機械水雷、ですから。魚雷は魚形水雷。ただ、黎明期はともかく、WWIIを経て今日では、自走するのが魚雷、自走しないのが機雷と分けて良いように思います(キャプター機雷は自走するのは発射される魚雷だけで、発射樹は自走しませんから、間違いなく機雷)。通常の機雷は船の方が接近してきてぶつかる(または別の原理で信管が作動する)と爆発します。
 では、吸着機雷(水雷)は?それそのものは自走しません。タイマーなりリモコン操作なりで爆発させる訳ですが、魚雷と機雷のどっちに近いかといえば、明らかに機雷でしょう。管制機雷の類似品に思えます。もちろん、吸着機雷(水雷)は誰かが取り付けるので、その点根本的に機雷とは違いますが、今日「水雷」という言葉そのものはほぼ死語で、使われるとしたら「水雷戦隊」「水雷艇」「水雷長」などのWWII頃までの話をする時だけでしょう。今日では、実質的に地雷に対するものは、機雷=水雷と言って良いのではないかと思います。ま、要するに「どっちでもいいんじゃないの?」です。
 ところで、言葉で言えば、何故「地雷」「水雷」なんでしょう?「爆雷」というのもありますが。「雷」はどこから来たんだろう??考えたことがありませんでした。「地爆」「水爆」でも良いような?今「水爆」というと別のものを示しますが。「爆雷」は「爆弾」で良いと思うし。不思議です。
 ああ、そういう意味では、今回使用されたものは「吸着爆弾」が言葉の意味からすると一番しっくりしますね。

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世界の艦船7月号の記事

 116ページからの香田洋二氏の記事「海自OBの提言 令和時代の海上自衛隊はどうあるべきか② ウォー・シミュレーション2028」を読んで、なんともいえない気持ちになりました。一言で言えば、「そこまで堕ちたか」です。東西冷戦時代の思考からまったく脱却できておらず、失礼ながら、現役の自衛艦隊司令官でなくて良かったと思います。

 中国が国内事象から台湾へ武力侵攻するというそもそもの今回の想定はありえないでしょう。その際に米軍が台湾を救援し、日米安保が機能する状況であるのは理解できません。いくら軍事力を強化したとはいえ、米と正面からぶつかるだけの能力はありませんし、その意志もないでしょう。東西冷戦時代のソ連とは違います。経済的、政治的な対立はありますが、あの時のソ連と違い、米中は強く結びついており、戦争は中国を破綻させます。
 軍事的な面だけを考えても、中国が台湾へ武力侵攻するとしたら、日米が台湾を見捨てたと判断できる場合でしょう。日本を巻き込むとしたら日米安保が機能できないと判断した時でしょう。もちろん、読み間違って、介入はないと判断したものの実際には米が介入してきた、ということはありえるかもしれません。ですが、今回はそういう想定になっていません。架空戦記の舞台設定としても余りにお粗末です。
何故そのような設定になったのか?理由は簡単です。そうでないと自分の主張上困るからです。中国には東西冷戦時代のソ連を演じてもらわなければ困るからです。米軍の来援までの潜水艦と機雷を掃討するのが海自の役割でないと困るからです。

 軽武装の哨戒艦とDDよりも性能・装備に劣るFFMはあっさりやられてしまい、いずもの航空機搭載により対潜能力が低下した護衛艦隊は米空母機動部隊を中国潜水艦から守れず、自らの返り討ちに合い、掃海艇の数が大幅に減ったので、機雷を排除できず、米空母が触雷。台湾と先島諸島は中国に占領され、継戦能力を失った日米は停戦。だから、今の方針では駄目だ。対潜水艦戦と対機雷戦が海自の本来の任務であり、それを最優先しなければ駄目だ、とまあ、そう言いたい訳です。
 いやいや、本当に大丈夫でしょうか?これは、米海軍と海自を愚弄し、中国海軍を過大評価(10年先の話とはいえ)しているのですが?関係各位から、香田氏はいったいどうしてしまったのだと思われませんか? 後輩から怒りの声が上がらないか心配です。

 はるな・しらね型DDH時代の八八艦隊なら米空母を中国潜水艦から守れるのでしょうか?対潜能力が相対的に低下と言いますが、八八艦隊時代の1個群にSHは8機です。仮にいずも型にF-35Bを搭載しても、SHも搭載出来ます。DDGも半数の4隻はSHを搭載出来ます。ひゅうが型2隻もいます(頑張ればF-35Bを搭載出来なくもないですが)。ソナーも進化しています。それから比べると大幅に向上しているでしょうし、当座、10年程度なら維持出来るでしょう。そもそも4個護衛隊群はDDの数は変わっていません。どうして対潜能力が低下しているのでしょう?あなたの現役時代よりも後輩が怠けているからですか?能力向上を怠ったからとありますね。つまり、DDの新造がないからだといいたいのですね?ところで、あなたの現役時代、演習でもシミュレーションでも良いですが、SHとDDとどちらが潜水艦を沈められました?素人の私には、現在の水上艦による対潜水艦戦はその過半をSHによっていると思いますが、プロは違う見方をするのでしょうか?DDのソナーで探知して、アスロックや対魚雷で潜水艦をばんばん沈められたのでしょうか?

 従来のDEとFFMを比べてみましょうか?対潜能力は低下していますか?SHも搭載出来ますよ?VLSが後日装備されればアスロックの類も使えます(個人的にはもはや価値は低下していると思いますが)。もちろん、防空力も強化されるでしょう。DEの代わりに配備された旧型DDと比べても劣らないでしょう?FFMが22隻整備されたら、DDH/DDGを除く、SHを搭載した(SH不足は解消するとして)水上艦が42隻もそろいます。懸念すべきはDDの買い替えではなく、SH不足でしょう。DDHは別にして、DD/FFM/DDGに1機ずつ搭載しても46機必要です。後はDDHですが、仮に3機ずつ「しか」搭載しなくても12機ですから、合計58機。ひゅうが型はそのままでF-35Bを搭載しないのなら有事の際に3機ということはないでしょう。更に言えば、大型汎用DDは2機ずつ搭載可能ですよね?搭載能力を合計すれば70機でもまだ足りません。でも、そんなにSHはありませんね。

 いずもにF-35Bを搭載しても対潜能力が低下しないことはもちろんわかっていますよね?あなたの懸念はそんなことしたら、対潜水艦戦以外に使われてしまうじゃないか、でしょう?本来対潜水艦戦用の4個護衛隊群(と地方隊)を他に任務に使うのはけしからん、と、そういうことですよね?

 そういえば、あなたが現役の頃よりも10年先には稼働潜水艦は増えているはずですが、そこはスルーですか?このシナリオでもDDは駄目でも潜水艦はちゃんと戦果を上げているようですが?
 
 掃海艇は数は確かに減っています。でも、機材は進歩しています。FFMによる掃海は確かに未知数ですが。

 ああ、そうえば、いずもを「防空改造」としていますが、かがはそのままなんですかね?ついでにいえば、F-35B搭載を「防空改造」と呼ぶのも、カビの生えたような冷戦時代の思想ですね。いずも型「空母」は、決して防空艦じゃないはずですよ。

 それから米空母は潜水艦の魚雷2発で大破航行不能になるのでしょうか?そんなにやわですか?まあ。細かい突っ込みを入れればきりがないのでやめておきます。正直、こういう方が自衛艦隊司令官だったのかと思うとぞっとします。その当時に有事にならなくて良かったです。
 あなたが望む「ボクの海自」はもうどこにもありません。昔、あなたが想像していた輝かしい未来の海自は幻です。限られたリソースの中で最大限の効果を発揮することがが今の海自に求められています。兵力は増えません。減ることはあっても増えません。何故なら日本は少子高齢化が進み、相対的な経済力もどんどん低下していきます。GNP1%枠の範囲内でも世界有数の「海軍」を保有できた時代とはもう違うのです。こんな冷静時代の思考そのままで、哨戒艦みたいなおもちゃは要らない、FFMみたいな安物は嫌だ、ちゃんと汎用DDを買い換えてくれないと嫌だ、掃海艇減らしちゃ嫌だ、F-35Bなんか要らないとだだをこねても仕方ないでしょう。そこらのミリヲタじゃなくて、一応、元プロなんでしょう?

 一応、4個護衛隊群32隻は当座維持されますが、いつまでも維持できるとは思えません。以前も述べたようにもはや汎用DDの新造は無い(出来ない)かもしれません。DDHとDDG以外の汎用DDは今後はFFMに置き換えられていくことも十分考えられますし、3個・・・もしかしたら2個護衛隊群にまで減らされるかもしれません。その代わり、水陸両用戦部隊は増強されるでしょうが。
 「空母」中心の2個群(CV+DDGx2+FFMx5程度)と「揚陸艦」中心の2個群(LHA+LSD+DDGx2、FFMx5程度)になってもおかしくはないです。あ、いや、これでもまだ贅沢すぎるか(苦笑)。

 まあ、いずもを空母化すると対潜水艦能力低下するという謎主張が、艦や群の能力の話ではなく、作戦、用兵上の話だと分かったのは収穫です。私には同意出来ませんが。更に言えば、ひゅうが型がああなったのは、これらの冷戦思考派との綱引きの結果でしょうね。いずも型が「空母」になれたのは幸いでした。

 おまけ、海自が建造する4900t型油槽船は、基準排水量4900tではなく、搭貨重量4900t(6000kl)だったのですね。知りませんでした。2000tと300tの輸送艦も搭貨重量だったりするのかなあ???まあ、船だから搭貨重量で、艦艇なら基準排水量かな?

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海上輸送部隊

 読売新聞がまずは2000tの中型輸送艦1隻と300tの小型輸送艇2隻を整備、最終的には中型2隻、小型6隻を整備すると報じました。それがどのような船になるかはまだわかりませんが、排水量からすると中型は2000tというとみうら型と同程度のLST、300tは、輸送艇1号型よりも小型のLSUというのが想像されますが、今回はいずれもビーチング能力は不要だと思います。その方が巡航速度が上がります。小型は物資運送中心に考えるのなら純粋な貨物船型でも良さそうではあります。基本的には大型艦が入れない小規模な港に入港して荷物を降ろせれば良いはずですから。また、設備との兼ね合いもありますが、コンテナ船ではなく、RO-RO船が良いように思います。人員輸送も考えればカフェリー型でも良いでしょう。いずれにしても、基準排水量換算で300t程度のカーフェリーもあります。与那国島路線に就航しているフェリーは今は総トン数753トンですが、以前のは500トン程度でした。
 
 小型は貨物輸送に最適化させ(RO-RO船型)、人員と車両は中型艦(カーフェリー型)で運びのが妥当でしょうか?基本的には最前線で使うものではないので、構造は民間船そのままでかまわないと思います。武装は不要で、精々、チャフ、フレア発射機(Mk.36 SRBOCとか)程度で良いかと。乗員数はなるべく減らしたいですから。
 
 ところで、2000tとか300tって、基準排水量で良いんですよね。(^^;

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海自、再任容者を補助艦乗り組みへ 海自、再任容者を補助艦乗り組みへ海自、再任容者を補助艦乗り組みへ 海自、再任容者を補助艦乗り組みへ

 5月20日の読売新聞朝刊一面に記事が出ていました。まずは、油槽船(今回新規建造するもの)から始めるようですが、補助艦艇に逐次拡大していくと思われます。これはとても良いことで二つのメリットがあります。

1.人で不足の解消(改善)
 自衛隊の人で不足が言われて久しいですが、今後も少子高齢化が続きますから、ますます新規採用は困難になっていきます。既に採用時の年齢上限が引き上げられていますが、当然、定年延長も考慮されるべきです。とはいえ、体力的な問題はありますから、全ての職種でとはいかないでしょう。しかし、艦船乗り組みでかつ正面戦力でなければ問題は少ないはずです。補助艦艇ならうってつけです。

2.再就職先が不要
 自衛隊の定年は一般企業や公務員と比べて早いで、将官にでもならなければ再就職が必要です。一部の上級幹部は天下り・・・もとい関連企業に顧問などとして就職出来ますが、ほとんどの人はそうではありません。色々と悲惨な(というほか無い)話が聞こえてきます。現状の再任用では待遇は悪くなりますが、悲惨な再就職よりはずっとましでしょう。また、艦艇乗り組みの場合には手当てを充実させることも出来ると思います。せっかくのスキルと経験を生かせない仕事の再就職するよりはずっと良いと思います。

 あくまで個人的な予測ですが、今後は徐々に対象が広がり、正面戦力(SS、DD、FFM)以外に乗り組みようになるのではないかと思います。更に言えば、定年延長も行うべきでしょう。その方がモラルは上がります。人件費?大丈夫、今後人手不足で人数は減ることはあっても増えません。トータルで見れば大幅増加にはならないでしょう。

 そして当然、陸空にも広がるでしょう。歩兵や戦車乗り、戦闘機乗りは無理?そうですね。でも、UAVから問題ないでしょう。無人機の活用も今後どんどん広がりますから、それらの操作はベテランに任せるのが一番です。当然、後方支援なら相対的に問題は少ないでしょう。

 いやだろうななんだろうが、今後は、自衛隊に限らず、日本では、省力化と高齢者の活用を勧めていかざるを得ません。劇的に若年人口を増やすことが出来ない限り。

 陸海空の中で「海」が一番危機感をもって色々な対策を取ろうとしているように思えます。少なくとも外からはそう見えます。陸が一番人手が必要であるにもかかわらず、動きがにぶいような?

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こくりゅう潜航せよ!

 だいぶ前に日テレで放送された番組ですが、録画していたのをようやく見ることが出来ました。予想よりもずっと貴重な映像が見られて良かったのですが・・・・・うーん、やはり海自の潜水艦部隊はこのままではいけない、と思いました。
 22隻へ増勢するなら、大胆な省力化、自動化を推し進めて、「練度が低い」乗員でも戦力になるようにしないと破綻すると思います。
 普通にやってこなせないシラバスにどういう意味があるのでしょう?シラバスを教科書といったのは番組側の問題として、最初から破綻しているシラバスはあり得ないのでは?ずっとそうやってきた?だから?それで今後もいけるの?そのシラバスの内容は本当に全て必要ですか?
 潜舵の故障はあるかもしれません。で、対応が人力操作?それ本当に故障した時に出来ます?そもそも、過去、どれだけ潜舵の故障がおきましたか?惰性で続けているだけではありませんか?火災?うん、怖いですね。でも、あんな消火を本当にやるのですか?さっさとその区画から退出させて、消火剤投入でも良いのでは?
 潜望鏡も全部デジタル化は抵抗あるかもしれませんが、いまだにもって歩いて一周するのですか?台が回転して人が動けばよいのでは?それなら速やかかつ適切な時間で一周できるでしょう?
 いまだに昔と大差ない潜航浮上の複雑な手順。小さなミスが命取り?そうですね、でも、それってそもそも手順、操作が複雑だからでは?それ、自動化したら本当にだめですか?
 いまだに魚雷の隣にベッド?まあ、これは普通の士官用ベッドよりも広くて良いそうですが(苦笑)。シャワーも三日に一度だけ?
 
 専門家からすると、これだから素人は分かっていないと言われるでしょう。でも、少子高齢化で自衛官の成り手が減少し、海自は、水上艦ですら成り手が少なく現実を考えれば、それで従来型の22隻の潜水艦をちゃんと戦力化して、運用し続けられますか?
 乗艦が定期修理でドック入りしているのに家族と会えない?彼女と一ヶ月以上会っていない?それおかしいでしょう?おかしいと思わないのですか?海に出ている時は仕方ないでしょう。でも、陸にいるのにどうなっているんでしょう?
 従来の考え方・やり方から離れて、大きく改変することが必要だと思います。すぐには無理でしょう。次世代の潜水艦には間に合いません。ですが、その次は従来とはまったく違う潜水艦に変えていくべきです。そうでないと10年後、20年後に崩壊しますよ。
 
 どうあるべきかはプロに任せたいですが、以下は私見です。以前も述べた通り、複数クルー制を導入し、乗員の負担を低減する必要があります。その一方で乗員の総数は増やせないでしょう(成り手がいない)。であれば、1隻当たりの数を減らす他ありません。欧州などの通常型潜水艦では、乗員が30人程度のものは既にあります。行動日数が違ううんぬん色々あるでしょう。乗員が減ると故障が被害を受けた時の対応が出来なくなる、その通りでしょう。それでも減らさないといけません。
 総数を22隻として、1隊4隻が4個、1隊3隻が2個とします。乗員は前者で20組、後者で8組、合計28組必要です。従来通り1組70人とすれば1960人です。もし、1組30人なら840人で済みます。そして、稼働率は上がるでしょう。
 乗員を減らすためには私はディーゼルエンジンを撤廃すべきだと思います。潜水艦のEV化・・・・はさすがに航続力が低下するので、PHEV化というべきでしょう。何かしらのレンジエクステンダーを装備しましょう。もし、既存のAIPに致命的な問題がないのなら、AIPでも良いですし、その頃にはコストが下がり性能が向上していることを期待して燃料電池もありだと思います。
 トラブルに対応出来ない、ダメージコントロール能力が低下する、色々反対意見はあるでしょうが、平時ですら満足に運用できなくなれば、意味がありません。得られる乗員が限られる(減る)以上、1隻当たりの乗員数を減らす以外に解決策はないでしょう。
 
最近読んだ本
 光人社NF文庫 雨倉孝之著「海軍ダメージ・コントロールの戦い 知られざる応急防御のすべて」

 余り類書がないので貴重です。色々問題はあったものの、太平洋戦争前に急いで改善し、なんとか間に合ったが、まだ不十分だった、というところでしょうか。
 もっとも米並の間接防御(ソフトハードともに)だったとして、どれだけ救えたかは?比叡と霧島は救えたかもしれません。でも、霧島は厳しいかな?ミッドウェーで赤城は救えた可能性はあると思いますが、残りはどうでしょう?火災が鎮火したとしても日本まで生還できたかどうかは?
 それに結局、戦争には勝てないのですとねえ。海上護衛戦、本土防空戦。後知恵で言えばもっとやりようはあったとは思いますが、結局、戦争に負けるのは同じ。負けないためには戦争をしないか、組み合わせを変えるしかなかったと思うとむなしいです。
 さて、海自はどうでしょうか?旧海軍の戦訓と米海軍からの技術・知識導入により大幅に改善されていると・・・期待したいですが。

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軍事研究2019年6月号

 今月号は面白い記事が多かったです。

 最初の記事、吉富 望氏による「新編部隊、新たな装備そして肝心の作戦は!島嶼奪回を絶対成功させるための最低条件 敵前上陸!陸上自衛隊最大の見せ場」。申し訳ないですが、「蟻輸送」という言葉しか浮かぶません(苦笑)。いや、水際ー>水際(正確には私は、島ー>島、というべきだと思いますが)の輸送手段は確立すべきだと思いますが、輸送艦が足らないし、脆弱だから、こっちが必要だ!と言うのは。おおすみ型がやられるようなら、舟艇機動による上陸も失敗するでしょう。制空権、制海権が無いということですから。陸自が自前で出来るというのが最大の理由でしょうね。申し訳ないですが、組織(陸自)セントリックな発想と思わざるを得ません。
 島嶼奪回には、絶対的な制海権と制空権の確保が必須でしょう。まずはそれからです。米軍来援なしの島嶼奪回作戦はほぼ不可能でしょう。それが可能ならそもそも占領されたりしません。まあ、奇襲とか法的な問題で侵入を許すことはありえなくもないですが。

 続いて文谷先生の「中国は米国の海上輸送保護の恩恵を受けている 艦隊整備は減速、対日脅威も減少か?なぜ米中海軍力の逆転が生じないのか?」ですが、ほとんど何を言いたいのか分からなかったのですが、最後まで読んでわかりました。要するに南西諸島への守備隊配備は無意味・反対ということですね。だったら、最初からそう明確に言えばいいのに。

 そして宮脇俊幸氏の「日英共同開発”ダクテッドロケット”ミサイル徹底比較!米国アムラームvs奥州ミーティア いずれが最強の「空対空ミサイル」か?」ですが、「射程距離」がどういうものか、分かっているようで分かっていないことがよく分かりました。説明されればすっと納得出来ます。良記事。日本の場合は・・・この比較だとアムラームが適しているかなあ。ミーティアの最小射程距離が本当に20kmなのかは別にしても、AIM-120の方が近距離で使えるのは確かでしょうし、ステルス同士の戦いになるとミサイルを撃てるのは比較的近距離になりそうですから。レベルはともかく、日本は当座、ステルスvsステルスに備える必要あがります。所謂、F-2後継機がどれになるかは別にしても、ステルス性を損なうことなく、IR-AAMを搭載・発射出来る能力を有する必要はありそうです。
 

 井上孝司氏の「日本の権益を守る海上自衛隊の新艦種 重視すべきは航洋性・耐航性と航続性能 排他的経済水域の守護神「哨戒艦」」
 各国のOPVの紹介ですが、最後の著者は海保の「くにがみ」型をベースにすることを提案していますが、全面的に同意します。「くにがみ」型でなくても良いと思いますが、巡視船の準同型でセンサーだけ充実(軍用)させたものが最適だと私も思います。
 なお、記事のタイトルは著者ではなく、編集部が決めるらしいですが、「排他的経済水域の守護神」は適切じゃないでしょう。それは海保の仕事。哨戒艦の仕事は日本近海で活動する他国の海軍艦艇を監視することだと思います。

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