戦史・軍事

海自、再任容者を補助艦乗り組みへ 海自、再任容者を補助艦乗り組みへ海自、再任容者を補助艦乗り組みへ 海自、再任容者を補助艦乗り組みへ

 5月20日の読売新聞朝刊一面に記事が出ていました。まずは、油槽船(今回新規建造するもの)から始めるようですが、補助艦艇に逐次拡大していくと思われます。これはとても良いことで二つのメリットがあります。

1.人で不足の解消(改善)
 自衛隊の人で不足が言われて久しいですが、今後も少子高齢化が続きますから、ますます新規採用は困難になっていきます。既に採用時の年齢上限が引き上げられていますが、当然、定年延長も考慮されるべきです。とはいえ、体力的な問題はありますから、全ての職種でとはいかないでしょう。しかし、艦船乗り組みでかつ正面戦力でなければ問題は少ないはずです。補助艦艇ならうってつけです。

2.再就職先が不要
 自衛隊の定年は一般企業や公務員と比べて早いで、将官にでもならなければ再就職が必要です。一部の上級幹部は天下り・・・もとい関連企業に顧問などとして就職出来ますが、ほとんどの人はそうではありません。色々と悲惨な(というほか無い)話が聞こえてきます。現状の再任用では待遇は悪くなりますが、悲惨な再就職よりはずっとましでしょう。また、艦艇乗り組みの場合には手当てを充実させることも出来ると思います。せっかくのスキルと経験を生かせない仕事の再就職するよりはずっと良いと思います。

 あくまで個人的な予測ですが、今後は徐々に対象が広がり、正面戦力(SS、DD、FFM)以外に乗り組みようになるのではないかと思います。更に言えば、定年延長も行うべきでしょう。その方がモラルは上がります。人件費?大丈夫、今後人手不足で人数は減ることはあっても増えません。トータルで見れば大幅増加にはならないでしょう。

 そして当然、陸空にも広がるでしょう。歩兵や戦車乗り、戦闘機乗りは無理?そうですね。でも、UAVから問題ないでしょう。無人機の活用も今後どんどん広がりますから、それらの操作はベテランに任せるのが一番です。当然、後方支援なら相対的に問題は少ないでしょう。

 いやだろうななんだろうが、今後は、自衛隊に限らず、日本では、省力化と高齢者の活用を勧めていかざるを得ません。劇的に若年人口を増やすことが出来ない限り。

 陸海空の中で「海」が一番危機感をもって色々な対策を取ろうとしているように思えます。少なくとも外からはそう見えます。陸が一番人手が必要であるにもかかわらず、動きがにぶいような?

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こくりゅう潜航せよ!

 だいぶ前に日テレで放送された番組ですが、録画していたのをようやく見ることが出来ました。予想よりもずっと貴重な映像が見られて良かったのですが・・・・・うーん、やはり海自の潜水艦部隊はこのままではいけない、と思いました。
 22隻へ増勢するなら、大胆な省力化、自動化を推し進めて、「練度が低い」乗員でも戦力になるようにしないと破綻すると思います。
 普通にやってこなせないシラバスにどういう意味があるのでしょう?シラバスを教科書といったのは番組側の問題として、最初から破綻しているシラバスはあり得ないのでは?ずっとそうやってきた?だから?それで今後もいけるの?そのシラバスの内容は本当に全て必要ですか?
 潜舵の故障はあるかもしれません。で、対応が人力操作?それ本当に故障した時に出来ます?そもそも、過去、どれだけ潜舵の故障がおきましたか?惰性で続けているだけではありませんか?火災?うん、怖いですね。でも、あんな消火を本当にやるのですか?さっさとその区画から退出させて、消火剤投入でも良いのでは?
 潜望鏡も全部デジタル化は抵抗あるかもしれませんが、いまだにもって歩いて一周するのですか?台が回転して人が動けばよいのでは?それなら速やかかつ適切な時間で一周できるでしょう?
 いまだに昔と大差ない潜航浮上の複雑な手順。小さなミスが命取り?そうですね、でも、それってそもそも手順、操作が複雑だからでは?それ、自動化したら本当にだめですか?
 いまだに魚雷の隣にベッド?まあ、これは普通の士官用ベッドよりも広くて良いそうですが(苦笑)。シャワーも三日に一度だけ?
 
 専門家からすると、これだから素人は分かっていないと言われるでしょう。でも、少子高齢化で自衛官の成り手が減少し、海自は、水上艦ですら成り手が少なく現実を考えれば、それで従来型の22隻の潜水艦をちゃんと戦力化して、運用し続けられますか?
 乗艦が定期修理でドック入りしているのに家族と会えない?彼女と一ヶ月以上会っていない?それおかしいでしょう?おかしいと思わないのですか?海に出ている時は仕方ないでしょう。でも、陸にいるのにどうなっているんでしょう?
 従来の考え方・やり方から離れて、大きく改変することが必要だと思います。すぐには無理でしょう。次世代の潜水艦には間に合いません。ですが、その次は従来とはまったく違う潜水艦に変えていくべきです。そうでないと10年後、20年後に崩壊しますよ。
 
 どうあるべきかはプロに任せたいですが、以下は私見です。以前も述べた通り、複数クルー制を導入し、乗員の負担を低減する必要があります。その一方で乗員の総数は増やせないでしょう(成り手がいない)。であれば、1隻当たりの数を減らす他ありません。欧州などの通常型潜水艦では、乗員が30人程度のものは既にあります。行動日数が違ううんぬん色々あるでしょう。乗員が減ると故障が被害を受けた時の対応が出来なくなる、その通りでしょう。それでも減らさないといけません。
 総数を22隻として、1隊4隻が4個、1隊3隻が2個とします。乗員は前者で20組、後者で8組、合計28組必要です。従来通り1組70人とすれば1960人です。もし、1組30人なら840人で済みます。そして、稼働率は上がるでしょう。
 乗員を減らすためには私はディーゼルエンジンを撤廃すべきだと思います。潜水艦のEV化・・・・はさすがに航続力が低下するので、PHEV化というべきでしょう。何かしらのレンジエクステンダーを装備しましょう。もし、既存のAIPに致命的な問題がないのなら、AIPでも良いですし、その頃にはコストが下がり性能が向上していることを期待して燃料電池もありだと思います。
 トラブルに対応出来ない、ダメージコントロール能力が低下する、色々反対意見はあるでしょうが、平時ですら満足に運用できなくなれば、意味がありません。得られる乗員が限られる(減る)以上、1隻当たりの乗員数を減らす以外に解決策はないでしょう。
 
最近読んだ本
 光人社NF文庫 雨倉孝之著「海軍ダメージ・コントロールの戦い 知られざる応急防御のすべて」

 余り類書がないので貴重です。色々問題はあったものの、太平洋戦争前に急いで改善し、なんとか間に合ったが、まだ不十分だった、というところでしょうか。
 もっとも米並の間接防御(ソフトハードともに)だったとして、どれだけ救えたかは?比叡と霧島は救えたかもしれません。でも、霧島は厳しいかな?ミッドウェーで赤城は救えた可能性はあると思いますが、残りはどうでしょう?火災が鎮火したとしても日本まで生還できたかどうかは?
 それに結局、戦争には勝てないのですとねえ。海上護衛戦、本土防空戦。後知恵で言えばもっとやりようはあったとは思いますが、結局、戦争に負けるのは同じ。負けないためには戦争をしないか、組み合わせを変えるしかなかったと思うとむなしいです。
 さて、海自はどうでしょうか?旧海軍の戦訓と米海軍からの技術・知識導入により大幅に改善されていると・・・期待したいですが。

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軍事研究2019年6月号

 今月号は面白い記事が多かったです。

 最初の記事、吉富 望氏による「新編部隊、新たな装備そして肝心の作戦は!島嶼奪回を絶対成功させるための最低条件 敵前上陸!陸上自衛隊最大の見せ場」。申し訳ないですが、「蟻輸送」という言葉しか浮かぶません(苦笑)。いや、水際ー>水際(正確には私は、島ー>島、というべきだと思いますが)の輸送手段は確立すべきだと思いますが、輸送艦が足らないし、脆弱だから、こっちが必要だ!と言うのは。おおすみ型がやられるようなら、舟艇機動による上陸も失敗するでしょう。制空権、制海権が無いということですから。陸自が自前で出来るというのが最大の理由でしょうね。申し訳ないですが、組織(陸自)セントリックな発想と思わざるを得ません。
 島嶼奪回には、絶対的な制海権と制空権の確保が必須でしょう。まずはそれからです。米軍来援なしの島嶼奪回作戦はほぼ不可能でしょう。それが可能ならそもそも占領されたりしません。まあ、奇襲とか法的な問題で侵入を許すことはありえなくもないですが。

 続いて文谷先生の「中国は米国の海上輸送保護の恩恵を受けている 艦隊整備は減速、対日脅威も減少か?なぜ米中海軍力の逆転が生じないのか?」ですが、ほとんど何を言いたいのか分からなかったのですが、最後まで読んでわかりました。要するに南西諸島への守備隊配備は無意味・反対ということですね。だったら、最初からそう明確に言えばいいのに。

 そして宮脇俊幸氏の「日英共同開発”ダクテッドロケット”ミサイル徹底比較!米国アムラームvs奥州ミーティア いずれが最強の「空対空ミサイル」か?」ですが、「射程距離」がどういうものか、分かっているようで分かっていないことがよく分かりました。説明されればすっと納得出来ます。良記事。日本の場合は・・・この比較だとアムラームが適しているかなあ。ミーティアの最小射程距離が本当に20kmなのかは別にしても、AIM-120の方が近距離で使えるのは確かでしょうし、ステルス同士の戦いになるとミサイルを撃てるのは比較的近距離になりそうですから。レベルはともかく、日本は当座、ステルスvsステルスに備える必要あがります。所謂、F-2後継機がどれになるかは別にしても、ステルス性を損なうことなく、IR-AAMを搭載・発射出来る能力を有する必要はありそうです。
 

 井上孝司氏の「日本の権益を守る海上自衛隊の新艦種 重視すべきは航洋性・耐航性と航続性能 排他的経済水域の守護神「哨戒艦」」
 各国のOPVの紹介ですが、最後の著者は海保の「くにがみ」型をベースにすることを提案していますが、全面的に同意します。「くにがみ」型でなくても良いと思いますが、巡視船の準同型でセンサーだけ充実(軍用)させたものが最適だと私も思います。
 なお、記事のタイトルは著者ではなく、編集部が決めるらしいですが、「排他的経済水域の守護神」は適切じゃないでしょう。それは海保の仕事。哨戒艦の仕事は日本近海で活動する他国の海軍艦艇を監視することだと思います。

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哨戒艦の記事

 世界の艦船 2019年4月号と軍事研究2019年4月号に海自がこれから整備する哨戒艦の記事がありましたが、対照的でした。

 まずは世界の艦船。86ページからの「3,900トン型FFMとその他の水上艦艇」で著者は元海将補の徳丸伸一氏。有事における戦闘用ではなく、平時の所要により建造されるとしています。「これまでの枠にとらわれない斬新なアイデアや技術を結集した艦艇」としてもらいたいとも書いています。
 しかし、その後で、船体は巡視船並み、対潜戦は実施せず、戦闘指揮システムも搭載しない。砲も76mmよりも小型としており、力をいれるべきは情報収集と伝達能力だとしています。これには完全に同意します。ただ、FFMが40kt超を目標にしていたが断念したので、哨戒艦を高速化することも考えられる、ディーゼル主機でウォータージェット推進とすることも考えられるとしています。90ページ左上には「あそ」型巡視船の写真も出しています。
 FFMをLCSにしたかった人は本当に存在しているのですね。著者は本音ではあのトリマラン型の高速艦になるといいなと思っているように感じます。
 読者投稿欄にもミサイル艇の後継やコルベットのようなものを想定する投稿がありますが、失礼ながらそれでは哨戒艦のコンセプトから外れるでしょう。

 なお、1隊2隻で、6個隊を編成し、佐世保地方隊に2個、後は各地方隊1個の配備を考えているようですが、どうでしょう?私は海保の尖閣専従部隊のような存在になるのではないかと思いますが?1隊3隻を4クルーか、4隻5クルーになるのではないかと思いますがいかがでしょう?1隊2隻で分散配備だと18クルー必要です。また、2隻だけだと稼働率は下がるでしょう。1隊4隻で3隊なら、佐世保、呉、沖縄に1隊ずつ配備だと考えます。それなら、各隊最低1隻は常時活動出来るでしょう。

 また、FFM30について徳丸氏は、VLSを早期に装備し、アスロックやESSMを装備すべきとしています。いやあ、対潜戦好きですね。素人のたわごとといわれるかもしれませんが、今日においてアスロックにどれだけの戦術的価値があるのでしょうか?まだちょっと無理でしょうが、例えば、センサーになるUAV(恐らくヘリ型)を搭載し、それで探知、攻撃はアスロックというのならまだわかりますが。ESSMは可能なら搭載したいですが、コストとの兼ね合いですね。今すぐは無理でしょうが、VLSを装備し、ESSMやSM6を搭載して、誘導は他艦が行うというやり方も考えられると思います。
 また、人員削減のためUAVの運用は想定されていないと書いていますが、普通、逆ですよね?つまり、有人ヘりを搭載するからそれに追加してUAVはありえないと考えている訳ですが、どうでしょう?FFMの固有の艦載機はUAVで、他艦の有人ヘリが状況に応じて派遣される、ということもありえそうですが??
 
 なお、同記事に音響測定艦では既に3クルーで2隻を運用していると書かれていました。初めて知りました。

 一方、軍事研究は文谷先生の194ページからの「海自「哨戒艦」とはいかなる代物か?」です。こちらの著者の主張は哨戒に求められる任務は、監視、支援、機雷、沿岸防衛、広報であり、多用途支援艦、水中処分母船、特務艇「はしだて」の合計12隻を置き換えることになるであろうというものです。そして、ひうち発展型が妥当で、速力は20-25ktに増強するものの武装は20mmで十分。退役艦から外した76mmはありえる、ヘリ飛行甲板は必須だが格納庫は無くても良いとしています。
 水中処分母船はあくまで支援船であって、「艦艇」ではないのですし、かなり小型なので、それの置き換えとして哨戒艦が調達されるのかは疑問がありますし、「はしだて」も用途がかなり違いますので、どうでしょう?ただ、多用途支援艦は後継艦が建造されず、哨戒艦と置き換えられる可能性は十分あると思います。

 普段、文谷先生には批判的な私ですが、本件に関しては、文谷先生案は徳丸伸一氏案よりも妥当だと思います。まあ、いつものように細部では色々と疑問はありますが(苦笑)。
 
 私の主張は、巡視船準同型艦で、武装はRWSのみ。予算の都合がつけばシーRAMは搭載。ヘリ甲板は設けるが格納庫はなく、給油程度の施設があれば十分。または、UAVを可能できる程度の格納庫をもける。速力は20-25kt程度で十分。USV/UUVなどを搭載、運用できる設備があるとなお良い、です。NSMかJSMの艦載型を搭載出来る余地は設けても良いとは思いますが、どちらかといえば、おまけ、でしょう。任務は名前の通り、哨戒や監視ですから、徳丸伸一氏が書かれているようにセンサーとネットワーク重視。対機雷戦やその他支援は副次的なものになるでしょうし、実際、その余裕はないと思います。
 現在、汎用DDが担っているMOOTW的なものや哨戒・監視といった「平時」の任務を前者はFFM、後者は哨戒艦が似ない、数が減る汎用DDは、DDH/DDGと共に「有事」に備えるという方針だと理解しています、実際にはそれでも後者にも色々な平時の任務はかせらえるでしょうが。

 しかし、失礼な言い方ながら海の中の人や元中の人などには、従来の考え方のまま、という人が少なくないようですね。対潜戦や掃海をおろそかにして良いとは言いませんが、これから(遠い将来は別にして)はそれらは副次的な任務になるように思えます。それはこれから始まることではなく、既に始まっていることです。だって、P-3CやP-1はもはや「対潜哨戒機」ではなく「哨戒機」と呼ばれていますよね?SH-60J/Kですら「哨戒機」です。
 
 なお、少し外れますが、世界の艦船の別記事でも、「第2艦隊」の2個群を水陸両用戦群1個と機雷戦群1個と考えていますね。実際には以前触れたように「防衛計画の大綱防衛省中期防衛力整備計画」という解説文書で
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2019/pdf/20190221.pdf

掃海艇隊x3:7隻+FFM隊x4:13隻
掃海艇隊x3:7隻+FFM隊x3:9隻
とされ、輸送艦は含まれていませんが。

 なお、試験潜水艦は私は驚いたのですが、記事では最新鋭艦をあてるのが適切と書かれていました。ここはプロはさすがに違うなと思いました。

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ASM-3はやはり生き残れず

 防衛省がASM-3の射程延長型を開発するという報道がされました。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190317-OYT1T50060/
https://this.kiji.is/479968898923021409
 また、以下のように「12式地対艦誘導弾」の射程も延長するそうです。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190319-OYT1T50250/
 前者と後者では元々のスタンスが違うので意味合いがやや異なっています。後者は「長距離巡航ミサイル開発へ」が主題になっています。どちらかというと批判的なニュアンスです。単なるASMを「「長距離巡航ミサイル」といっていますし、JASSM-ERやJSMはもう忘れてしまったの?とも思います。その一方で前者はASM-3は開発したものの射程が短く、調達が見送られてきたと書かれています。つまり、ASM-3はおしまい、ということです。もちろん、射程延長型を開発するとはしていますし、数年以内の実用化を目指すとも書かれています。ですが、確定はしていません。
 文谷先生などと異なり、私自信は超音速ASMは有効だと考えています。しかし、読売の記事にあるように状況はASM-3が開発された時から大きく変わりました。JASSM-ERやJSMの導入が決まった現在では射程が精々200kmでは短いと判断されてしまいます。SAMが長射程化されていくこともあり、ASMも長射程化されています。これはASM-3だけの問題ではありません。護衛艦などに搭載されているSSM-1Bや陸自の12式地対艦誘導弾、米軍など西側各国で広く使われているハープーンなど従来の対艦ミサイルに共通する問題です。時代が変わってしまったのです。17式艦対艦誘導弾の射程がどれだけかは公開されていないので不明ですが、少なくともSSM-1Bや12式地対艦誘導弾よりは延伸されているはずです。しかし、射程距離が十分長くなければ短命に終わり、12式地対艦誘導弾同様に射程延伸型が開発されるかもしれません。
 結局、開発当時の要求仕様に問題があったということですが、それは開発側の認識の問題というよりも当時の状況によるものでしょう。まさか日本が数百kmを越える長射程ミサイルを装備することになるとは考えられなかったでしょうし、私も予想していませんでした。もし、当時、射程400-500kmが求められて入れば、ASM-3は違うものになっていたことでしょう。例えば、ターボジェットの一段目とラムジェットで超音速の二段目とかね。
 ASM-3の改良型、仮にASM-3ERとしておきましょうか、が本当に開発されるのかはわかりません。空自内のASM-3推進派がリークした記事に過ぎないかもしれません。ASM-3は射程が短いから要らないといわれたので、いやいや射程延長型をすぐに作れますよと反論しているだけかもしれません。JASSM-ERとJSMが実際に配備されるようになった時にASM-3ERに居場所はあるでしょうか?技術的な話ではなく、コスト的な話です。
 もう一つ、何に搭載するのか?という話もあります。もちろん、F-2です。ですが、F-2は後十年程度で退役が始まります。今から開発するとして早くても実用化されるのは2020年代前半。配備されて10年もしないうちに母機がなくなります。F-15J改(仮称)に搭載されるかは不明です。今、伝わってきているJ-MSIP機の近代化改装は米企業主導によるもののようです。F-15J改は、JASSM-ERの母機になります。それを考えるとコストをかけてASM-3ERを搭載可能にするでしょうか?F-35も無理です。そのためのJSMですから。仮称F-3?うん、それはあり得ます。あり得ますが、F-3がどういう機体になるのか不明です。ただ、射程が本当に400km級になるのなら、P-3CやP-1に搭載することは出来ます。現在は17式艦対艦誘導弾の搭載が考えられているようですが。もっとも、それを言えば、LRASMをP-1に搭載した方が母機の安全性が高まり更に良いのですけれど。 
 もちろん、攻撃を受ける側からするとASMの種類が多い方が対処は難しくなりますから、ASM-3ERの装備は望ましいですし、ASM-3でも良いと思います。射程が短いといっても低空から発射して100kmくらいはあるでしょうから、敵にAEW/AWACSがいなければ探知されることなく発射は可能です。それも踏まえるとASM-3の性能不足というよりはコストの話に思えます。
 ASM-3ERが生き残れるとしたら、海外企業と共同開発して輸出することでしょう。例えば、BAeと共同開発にして、欧州などで採用してもらえれば、生き残れます。米企業でも良いでしょう。うまくいけば、F-35に搭載出来るようになるかもしれません。しかし、日本単独で「国産」にこだわっているともはや厳しいでしょう。ま、政権が変われば別ですが。
 当然、SSMとして採用されれば良いのですが、さて、どうでしょう?Mk41 VLSでは発射できそうにありません。まあ、海自は専用発射筒主義なので大きくなることを除けば問題はないでしょうが。
 それから長射程ミサイルにはどうやって目標を探知・そこへ誘導するかという問題があります。これはASM-3ERに限らない話です。JASSM-ERやJSMの導入は結構ですが、その辺どうするのでしょうね?当然、UAVも活用するでしょうが。例の海自独自のAEWモドキが絡むのかどうか?
3/21/19
 JASSM-ERとLRASMを取り違えていたので訂正しました。LRASMの導入も近い将来ありそうですが。

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哨戒艦とFFMの名前

  読売新聞に哨戒艦は乗員30人で約1000tだと記事が出ました。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190311-OYT1T50210/
以前も述べたように哨戒艦はなるべく簡素で低コストなものであるべきだと思います。砲すら不要で、RWS(機銃)だけで十分だと思います。もちろん、中古の3インチ砲を搭載するのならそれほどコストはかからないだろうという意見があるのは承知していますが、船体の強度やFCSなども考える必要があります。戦闘用ではないので、軽武装で十分です。その代わり、ヘリやUAVが発着できる飛行甲板と可能なら簡易な格納庫も設けましょう。固有の搭載機はなくてもかまいませんから。UUVを運用出来る施設もあってよいでしょう。
 さて、本題は哨戒艦そのものがどういう艦か?ではなく、名前です。FFMは22隻建造されますが、どういう名前になるのでしょうか?DEを引き継げば「川」の名前です。ただ、従来から、何で駆逐艦の下が軽巡と同じ川なの?という疑問を持っていました。ですので、ふさわしいのは、「植物」の名前でしょう。そう、松型駆逐艦と同じです。
 では、哨戒艦は?FFMが松型なら哨戒艦は海防艦で「島」の名前が良いでしょう。掃海艇は減少していきますし、哨戒艦もFFM同様に状況によっては掃海(実際は機雷掃討)を行うこともあるでしょう。水雷艇を引き継いで「鳥」も良いのですが、速度は速くないでしょうから、イメージがあいません。海自では「鳥」の名前はミサイル艇で使っています。ひうち型の後継を兼ねる可能性もありますが、「灘」の名前シリーズもあるかもしれません。ただ、数からするとどうでしょうね?12隻ということを考えるとやはり「島」が良いと思いますが。
 まあ、もし、FFMがDE引き継ぎで川の名前になったとしたらその時は哨戒艦が植物の名前でしょうね。さて、どうなるでしょう?DDHは大きく外したからなあ(苦笑)。まさか、旧国名を付けるとは想像すらしていませんでした。

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思ったよりも過激!?29SSに何がおきた?

防衛省が「防衛計画の大綱防衛省中期防衛力整備計画」という解説文書を公表しました。
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2019/pdf/20190221.pdf

 19ページから引用。
1002221
 複数クルー制は、4クルーで3隻運用するようです。つまり、1個隊3隻に対して、乗員は4隻分用意し、交代で運用。なので、例えば、160人だったのを120人に省力化すれば、3隻に必要な乗員の人数は同じです。しかし、こうなるとある艦に対する固有の乗員はいなくなり、「隊」固有の乗員になってしまいます。艦長も短期間で交代することになってしまいますが、抵抗はないのでしょうか?無知な私は1隻に2組用意するのかと思っていました。潜水艦でこのやり方をすることを考えたもののさすがに抵抗あがるだろうと思って、前回、「潜水艦こそ、2クルー制を導入し、一人の負担(航行中の時間)を減らします。効率だけみれば、保有数の1.5倍位のクルーがいれば運用は出来るでしょう。ある程度の数は整備や改修などでドック入りしているでしょうから。ただ、さすがにころころ乗艦が変わるのも問題でしょうから、ここは頑張って2クルー用意しましょう。」と書いたのですが、現実の方が先に進んでいました。まずはFFMからですが、1個隊が同型艦で構成される場合には同様の体制になるのでしょうから、哨戒艦や潜水艦に適用されると思われます。
 また「第二艦隊」の編制もある程度わかりました。
 20ページから引用。
1002222
2群からなるとされていましたが、
掃海艇隊x3:7隻+FFM隊x4:13隻
掃海艇隊x3:7隻+FFM隊x3:9隻
とのこと。7隻で3隊だと1隊2隻だけですね。横の表からみると掃海艇の総数は12隻に減るので、実際には、掃海母艦と掃海艇6隻からなる3個隊ということなのでしょう。ああ、掃海艇と書きましたが、現在整備中のは掃海艦ですね。掃海艇うわじま型は艦齢20年を越えており、そろそろ引退、最終的には12隻全て掃海艦に置き換えられるのでしょう。しかし、この数なら2個隊でも良い気がしますが・・・。
 輸送艦は現在は掃海隊群に属しているのですが、この編制には含まれていません。すると共同の部隊である海上輸送部隊(1個輸送群)に新規調達される中小型の輸送艦だけではなく、現在のおおすみ型3隻なども所属するということなのでしょう。
 掃海母艦も艦齢20年越えていますし、そのうち後継艦が必要になってきます。敷設艦兼任ではありますが、この状況で素直に建造されるか?代艦は多用途艦と称して、LHAになるのかも!?1対1で置き換えなら予算は通りやすいですしね。ただ、輸送艦が海上輸送部隊へ引越しするとあるとつじつまが合わなくなってきますが、さて?

 FFMは22隻と数が半端なので、1個隊だけ4隻になるようです。まあ、これはそもそも護衛艦の総数を54隻で変えない、第一艦隊は32隻、残りが22隻という引き算で決まっているので、22隻に明確な理由はないはずです。個人的には1隻は予備として、クルーは7個隊分=28組用意。1隻は大規模修理や改修中でも21隻稼働可能とするというのが良いと思いますし、その理屈から言えば、予備はもう少し欲しいですね。

 そして驚いたのが試験潜水艦。同じく20ページからの引用
1002223
 なんと建造中の29SSの種別変更だとあります。一般的には旧型艦があてられることが多いのですが、最新鋭艦を転用するとかいったい?新型で何か大きな問題が起きているのか、それとも??世界の艦船の読者投稿欄に初期のそうりゅう型が探知されやすいという話が・・・というのもありましたが・・・。しかし、いったいどうなっているのだろう??問題が起きているのでなければ良いですが。

 22ページのF-15の近代化改修機のイメージ。
1002224

 コンフォーマルタンクついていますね。JA2018にでていた模型そのまんま。やはりこうきますか。
113018boeing1

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将来戦闘機=F-2後継機

 将来戦闘機の将来が見通せません。一時はXF-9装備の国産戦闘機(仮称F-3)の開発へ進むかと思われましたが、問題点が多いようで素直にそうはいきそうにありません。夢の純国産戦闘機はやはり難しそうです。
 F-15のうち、Pre-MSIP機はF-35で置き換えられることが決まりましたから、高等練習機をどうするかを別にすればF-2Aの後継約60機とF-15のJ-MSIP約100機の合計160機が将来戦闘機の最大数と思われます。しかし、例えば、F-15の再近代化改修を50機程度の留めて、残りの50機はF-35で置き換えとか、将来戦闘機の開発遅延により、とりあえず20機程度はF-35で置き換えとか、更にF-35が増える可能性は残っています。なにせ、F-35は日本での最終組立を断念し、輸入に切り替えることが決まりました、為替にもよりますが、価格はかなり下がります。どうみても将来戦闘機よりも安いです。

 とりあえず、今考えられるの候補は以下の通りです。

1.日本メーカー主導により新規国際共同開発
 「国際共同開発」と言っていますが、つまりこれは、日本メーカーだけでは技術力が不足して戦闘機の開発が出来ないので、ローキードマーチンかボーイング、もしかしたらノースロップグラマンの協力を得て開発するということになるでしょう。現時点で考えられる最良(日本メーカーにとって)の方式ですが、難点はコスト。F-2と違って開発費は膨大な額になると見込まれます。当然、更にその分開発費は増えますが、新規開発ですからF-2B後継の複座型の開発は可能でしょう。恐らく開発費は想定される案の中でもっとも高いと思われます。
 エンジンは?XF9を活かせる可能性はあります。ありますが、エンジンと機体の新規開発となるとリスクは高まりますし、更に開発費が嵩む可能性が出てきます(遅延すればそれだけお金がかかる)。とはいえ、XF9が実用化できるとしたら実質的にはこの案だけでしょう。
 開発期間も一番長いと考えるのが自然です。要素技術は先行研究開発があるにせよ、新規開発です。時間がかかるのは当然です。ましてエンジンも開発するとなれば・・・・。
 単価も当然高いでしょう。複座の高等練習機型も含めるとしても、上を見ても200機に届きません。基本的な技術レベルというか、原価がF-35Aと同レベルだとしても、量産されるF-35Aよりも高くなるのは当然です。どういう機体にするのかで実際の価格は変わるでしょうけれど。輸出できれば話は違いますが、安いのならともかく、わざわざ買ってくれそうな国が見当たりません。

 技術・生産設備など含めて国内産業基盤の維持を考えれば、これが最適です。しかし、コストを考えれば最悪の選択でしょうね(苦笑)。ただ、自由度は高い(出来るかどうかは別にして)ので、空自が望むものを開発(に挑戦)出来ます。性能もどいうものを開発するかによりかわります。ただ、結果的にUSメーカーにオーダーメイドで作ってもらうのに等しくなるやもしれません。正直日本メーカーの技術でどこまで出来るかはわかりませんから。

2.ロッキードマーチン主導のF-22改良型
 報道されているようにF-22にF-35の技術を取り入れた改良型が提案されているようです。希望的観測で言えば、F-2の開発に近い形態になると思いますが、F-16->F-2よりは変更の度合いは小さいでしょうし、日本側で製造できる部分は減りそうです。まあ、でも、一応、日本で最終組立は出来そうです(かなりの部品を米から供給してもらうことになりそうですが)。
 F-22からどれだけ変更するかによりますが、開発費は1よりはかなり少ないでしょう。また開発期間も新規開発よりは短くなるはずです。反面、F-22がベースなので、機体のコストはかなり高くなると思われます。1機200億は軽く越えそうです。もし、米空軍も採用してくれれば価格は抑えられるでしょうが、個人的にはその可能性は低いように思えます。
 ロッキードマーチンの生産設備がどうなっているかよくわかりませんが、同等のものを日本に備えるとなれば、更にコストは膨らみます。F-35Aの日本最終組立に要するコストの比ではないでしょう。かといって、主要部品を輸入して最終組立だけ日本でするのなら、新規開発のうまみが日本側にありません。
 総経費は1よりは低いでしょうが(1でどういう戦闘機を開発するかにもよりますが)、製造コストが高そうなので、余りかわらないかもしれません。
 XF9の実用化・採用はほぼあり得ないでしょうね。まあ、日本だけが使う、性能は落ちても良いというのなら可能かな?その辺はもう軍事的合理性というよりも国内産業基盤・技術の維持のためにやる、ということになるでしょう。一応、現在F-22で使用しているF119に匹敵する性能になる予定ではありますが、
 F-22Bの計画があったので、複座型の開発は可能ですが、高等練習機に使いには余りに高すぎるようにも思います。F-15DJ的にある程度生産されるかもしれませんが、F-2Bの後継にはちょっと。

 性能は今回述べた案の中でもっとも高くなると考えられます。

3.BAEのテンペストに参画
 テンペストそのものはまだ、絵に描いた餅ですが、早めに共同開発を持ちかければ、日本側が望む仕様を取り入れることが出来るでしょうし、製造も米企業とやるよりは多く日本で出来る可能性はあると思います。ただ、開発費は1よりは日本の負担だけみれば減るはずです。でも、2よりは高くなるでしょう。機体のコストはさっぱりわかりません。どういう戦闘機になるかもわかりませんし。不安はタイフーンのコストはかなり高いといわれていることです。何せベルギーはタイフーンよりも安いからとF-35を採用した位ですから。
 エンジンは?普通に考えればRR製ですが、まあ、2よりはまだ可能性があるかな?日本向けだけXF9の実用型というのも絶対あり得なくはないでしょう。もっとも価格はかなり高くなるでしょうが。新規開発なので複座型の開発は可能でしょう。
 性能は・・・わかりません。わかりませんが、F-35Aは越えないと開発する意味はないでしょう。うまくいけば最初の第6世代戦闘機かもしれません。もっともそれが何かはわかりません。
 開発期間は1と同じでかなり長くなりそうです。意見の違いもあるでしょうし、一番長くなるかもしれません。2030年に配備は今すぐ決定しても無理でしょうねえ。よくて2030年代半ば以降では?F-2の退役に間に合わない恐れがあります。

4.独仏将来戦闘機に相乗り
 テンペストではなく、こちらに参画する方法もありえます。スペインはこちらに参加するようですし、英だけでテンペストが開発出来るとも思えません。日英もこちらに合流という可能性はゼロではないでしょう。テンペスト同様にどういう期待になるかはさっぱりわかりませんが。

5.日韓共同開発
 あり得ない選択肢ですが、個人的にはやっても良いのではないかと思っています。KFXが今度どうなるかもはっきりしませんし、F-35は導入しますが、その先を考えるとKFXではなく、ちゃんとしたステルス戦闘機は必要でしょう。でも、まあ、双方の国情を考えるとやっぱりあり得ないですね。

6.日印共同開発
 インドから開発費を引き出せれば・・・・逆に交渉で負けて日本側が不利になりそう。これも止めた方が無難でしょうね。話がまとまれば相応の数は生産できるのでコストは下がりそうですが。

7.F-23J!
 すみません、個人的な願望・妄想です。あり得ないですね。コストも高いでしょうし、開発費もかなりかかりそうです。ベースはあるといっても、戦闘機としては完成していませんし、もはや20年以上前の技術です。でも、日の丸F-23は見てみたいなあ。まあ、仮称F-3よりもはるかに現実味はないですね。

8.間に合わないのでつなぎで既存機を導入
 いまだ将来戦闘機がどういうものになるかは決まっておらず、新規開発すれば、10年以上はかかるでしょう。そうなると2030年代前半に部隊配備は厳しいように思います。そうなればF-2の退役開始に間に合わなくなる可能性が高いように思います。また、F-15Jにしてもいくら後期製造のJ-MSIPといっても、機齢は40年ほどに到達しますから、それほど長くは待てないでしょう。
 そうなると結果的に当初予定していた新規開発(既存機改造も含めて)のステルス戦闘機は断念し、つなぎで既存機を導入せざるを得ないかもしれません。どれだけの数になるかは、将来戦闘機の開発は進めて、間に合わない分だけ少数(多くて2,3個飛行隊分程度)になるのか、将来戦闘機の開発を先送りしてもっと多くなるのかはなんともいえませんが。

 噂のEA-18Gを本当に導入するのなら、FA-18系になるでしょうね。F-2Bの代わりにFA-18Fが使えます。そのまま輸入するのか、ライセンス生産するのかは生産数にもよるでしょう。輸入すればコストは安くて済みます。開発費もいりません。まあ、でも、本当にFA-18系を大量導入するのならライセンス生産でしょうねえ。

 当然、つなぎ機の導入は将来戦闘機に影響を与えます。その分、将来戦闘機の生産数が減る=コストが上がりますから。私案としては2030年代半ばの体制は
 F-35A:4個(決定済み2個+F-15J Pre-MSIP置き換えで2個)
 F-35B:2個(F-15J Pre-MSIP置き換えで2個)
 F-18E:2個(F-2A 置き換え)
 F-18F:1個(F-2B 置き換え)
 EAー18G:1個(追加)
  F-2:1個(程度が良いの集めて当座使用)
 F-15J:4個(J-MSIP機は全て近代化改造して継続使用)
として、戦闘機13個飛行隊、電子戦機1個飛行隊、高等練習機1個飛行隊とします。
 2030年代後半にF-2 1個とF-15 4個の5個飛行隊を将来戦闘機と置き換え。その調達には年に10機としても10年以上かかりますから、F-18系は15から20年使用したら将来戦闘機かその改良型と置き換えます。
 2050年くらいには
 F-35A:6個
 将来戦闘機:7個
 EA-18G:1個
 F-18F:1個
の体制とします。

 なお、個人的にはこの案は採用して欲しくはありません。FA-18系は毎日見ていたのでもう飽きました(苦笑)。まあ、最近、厚木から岩国に移転して見かけなくなりましたが。
 F-15SE/F-15Xは?という声が聞こえてきますが、F-15ベースではRCSはどうやっても大きいのでこれから導入するというのはあり得ないでしょう。もちろん、どんだけ大きいのよ?というF-15よりは小さくなるでしょうが。個人的にはFA-18導入ならF-15SEが良いですけれど。ただ、価格は安いとは思えません。F-35よりも運用コスト含めると高いのでは?
 グリペンは・・・無理だろうなあ。個人的にはFA-18導入ならローエンドとしてグリペンが良いですが。

 ただ、F-35が輸入に切り替えられた以上、つなぎが必要ならF-35になるでしょう、EA-18G導入を導入する場合にのみある程度可能性がある、という程度だと思います。

9.F-35の買い増し
 え?と思われるでしょうが、問題点はたった一つしかなく、費用対効果は高いです。F-35そのものは前回述べたようにもはやそれほど高価な機体ではありません。輸入に切り替えられたため、為替にもよりますが、今後110億円程度に下がることも期待されます。初期投資は終わっていて開発費も不要です。性能的に不足はありません。であれば、全部F-35でも良いではありませんか?教育・整備・補給は楽になります。

 唯一の問題は、何かあって飛行停止になると飛べる戦闘機が存在しなくなることだけです。この問題を解決できれば、全てF-35もあり得ると思います。個人的にはFA-18系よりも嫌ですが。だって、どこいっても見られるのはF-35になってしまうのですよ?つまらないです。
 現実的には可能性は低いでしょうが、例えば、F-2退役後も、F-15Jがある程度残るのなら、F-2分60機はF-35ということはありえるかもしれません。F-15JとF-35の初期導入分を後に違う戦闘機で置き換えればとりあえず2機種体制は続きます。F-15は丈夫な機体ですから、近代化改装を繰り返し、3個飛行隊程度を長期間にわたり運用というのもあるかもしれません。目指せ!B-52(笑)。

 とまあ、妄想も交えて選択肢を述べてきましたが、最大の問題は、空自がどのような構想を持っているかがはっきりしない、ということにあるでしょう。俗にF-2後継機といわれていますが、近代化改装して使い続けるF-15Jの後継機にもなるはずです。当初は対艦攻撃機であったF-2とは違う能力が求められるはずです。それが何かがよくわかりません。現在の主流はマルチロールファイターですが、それならF-35があります。では、卓越した防空戦闘機でしょうか?

 切り口はいくつかあると思います。性能面から言えば以下が考えられます。

a).F-35を越える新世代のマルチロールファイター
 F-35は優れた戦闘機ですが、いくつか弱点もあります。
 ・搭載力はそれほど大きくない
  特にウェポンベイは小さい目です。ステルス形態では、長射程AAMまたは大型爆弾を4発しか搭載できません(ただし、AAMはそのうち6発搭載出来るようになりましうが)。
    JSMはウェポンベイに搭載できますが、より長射程のミサイルは無理です。
 ・空対空戦闘能力
  第4世代戦闘機相手なら圧倒できますが、第5世代戦闘機相手だとAAMの数で劣り、格闘戦能力は低くないですが、IR-AAMはステルス形態では搭載出来ません。
 ・ステルス性
  現状ではF-22についで世界第2位ですが、今後15年20年30年先はどうでしょう?

 将来戦闘機の配備は15年位先(既存機の導入でなければ2030年はもう無理)になるでしょうから、その時にF-35の性能を下回る戦闘機では意味はないでしょう。当然、全般的にみてF-35の性能を超える戦闘機でなければなりません。

b).想定される仮想敵機を圧倒できる空対空戦闘能力を有する戦闘機
 1.でも述べたようにF-35は現段階では卓越した空対空戦闘能力を有しますが、15年先ではどうかわかりません。また、F-22には劣ります。F-35がマルチロールファイターなら、それとは別に優れた制空・防空戦闘機を装備する意味はあるでしょう。

 空自は防空軍から空軍になるべきという意見もありますが、憲法改正が行われなければ、専守防衛から大きくはみ出すことは出来ないでしょう。であれば、もっとも必要なのは制空権の確保です。日本周辺の制空権を確保できれば、基本的には日本は守れます。ならば中露の次世代戦闘機(J-20/J-31/Su-57やそれよりも新しい戦闘機)を圧倒出来る戦闘機に意味はあります。また、ステルス性を維持しつつIR-AAMを発射する能力は必要でしょう。相手はステルスならIR-AAMでの勝負になる可能性がありますから。

 ステルス性能はF-35を上回り、F-22を目標とすべきでしょう。反面、空対空に特化するので(まあ、長射程ミサイルくらいは搭載しましょう)、テストすべき構成が減りますから、開発費はa)よりも抑えられるかもしれません。ただ、機体のコストはa)よりも高くなるでしょうね。

c).ASM-3を4発ウェポンベイに内蔵できるステルス戦闘機
 一応、想定としては考えられます。ですが・・・今となっては余り意味がないですね。ASMが長射程化しているので、母機がステルスである必要はほぼありませんし、そもそも戦闘機である必要すらないでしょう。ASM-3の射程距離は不明ですけれど、ASM-2を下回るとは思えませんから、戦闘機の護衛のもと、P-3C/P-1が陸攻よろしく発射してさっさと退避、という手も使えます。LRASMなら、母機はP-3C/P-1で十分です。逆に言えば、射程が思ったほど長くないとASM-3は不利ですね。MK41VLSからの発射は出来ないでしょうし。開発は無事に終わりましたが、実際には余り使われずに終わってしまうかも。超音速ASMに価値がないとは思いませんし、あくまで射程が長くない場合には、ですが。
 F-35に出来ないことが出来る、とはいえますけれど、ASM-3の必要性が無ければそもそも意味がありません。

d).F-35を補完するローエンド戦闘機
 ともかく国内産業基盤の維持のために将来戦闘機を開発・製造するということもありえるでしょう。その場合、極力日本の技術だけで開発製造すべきですが、残念ながらそれは難しいでしょう。なので、F-2よりは日本の分担率を高めることを目標にします。
 性能は高くないですから、なるべく開発費、機体単価も安くなるようにします。比較的小型の単発機です。ローコストを狙うならエンジンは買ってくるべきですが、「国内産業基盤維」が目的ですから、XF-9系単発を想定します(双発は機体も運用コストも高くなる)。ウェポンベイはなければ安く出来ますが、ステルス性は悪化します。RSCはFA-18系を下回り、なるべくF-35に近づける程度を目標します。
 ステルス性を捨てた時にはAIM-120/AAM-4クラスのAAMを少なくとも8発、IR-AAMを2発程度搭載出来ることを目指しましょう。コスト削減のため、基本的には空対空戦闘中心、といっても、Su-57やJ-20/31と正面から殴りあうのは無理なので一歩下がって、ミサイルキャリアーに徹します。JASSM-ER/LRASMやASM-3を2発は搭載出来ると良いですが、無理ならJSM 2発に留めましょう。2000lbのJADM 2発くらいは搭載出来るようにしておいても良いでしょうが、多用な兵装を搭載出来るようにせず、極力絞り込みます。平時のアラート任務を考えると機銃が欲しいですが、こんな安物戦闘機で格闘戦は無謀でしょうから、ガンポットを輸入してスクランブルの時だけだけつけましょう。
 ただ、性能を犠牲にするので、15年先に既存機程度の戦闘機を新規開発して製造・配備することへの批判に耐えられるだけの説明は必要でしょう。コストをかけないローエンド戦闘機といっても新規開発すれば開発費は相応に嵩みますし、生産コストも量産が進むF-35を下回れるかはわかりません。以前述べたミサイルキャリアー兼高等練習機ならそれほど高くはならないかもしれませんが、数を作らないとやはり価格はさがりません。そういう低性能な戦闘機を15年先に配備することを正当化する説明は難しいように思います。だったら、既存機を安価に導入する方がましです。

 F-35が高価過ぎて導入できない友好国に売れる戦闘機を作れるのなら話は変わってきますが、15年先とはいえ、果たして日本が戦闘機をばんばん輸出出来るのか(政治的・国民感情的に)?また商売として競争に勝てるのか?非常に疑問です。安くてまずまずの性能の戦闘機を開発するのは簡単なことではありません。グリペンNGに勝てなければなりませんし、ロシアや中国は相手を考えれば競合しない、ともいえません。マレーシアやインド、インドネシアだとどちらもありえます。

 いずれにしても、F-35を導入した以上、何かしらの点で、F-35に対して優位性のある戦闘機でなければならないでしょう。それはコストでも良いです。ほぼほぼ不可能だとは思いますが、開発費を生産数で割った分も上乗せして、F-35の半分以下の価格に出来るのなら、それはそれで意味はあるでしょう。新規開発するのはそれは既存機では要求を満たすものが存在しない場合に限られるでしょう。
 その要求が明確化されない限り、将来戦闘機はいつになっても飛びません。私は仮に国内メーカー主導で新規開発するとしたら、空対空戦闘に特化した戦闘機とすべきだと考えます。それなら開発費もある程度抑えられます(試験項目・時間が減らせる)。これは所謂、格闘性能が高いことを必ずしも意味しません。主眼は高いステルス性能となるべく多くのAAMをウェポンベイに内蔵することに起きます。平時のスクランブルのためにガンは必要かもしれませんが、前述のようにガンポットでも良いでしょう。スクランブルにはステルス性は不要ですから。
 夢を語れば、第二段階として無人機を従えるようにしたいです。まずは単体の有人戦闘機として開発・配備し、その後、無人機を開発して、センサーやミサイルキャリアーとして活用できるようにしたいです。

 結局、どうなる?さあ(苦笑)。同じことの繰り返しですが、ともかく、要求仕様・それの元となる運用の構想が明確にならないとどうにもならないでしょう。F-2が寿命に達するから置き換えが必要、だけではどうにもなりません。それが明確でないと、F-22改でどうですか?といわれたら、それを拒否できないように思います。何せ、元々F-22の導入が空自の希望でしたから。仮に私に決定権がるとして、F-22改といわれると・・・うう、つい選んでしまいたくなります。いや、F-23改の方がもっといいですけどね(笑)。

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2030年代以降の海自:深刻な人手不足

 一見、海自は拡大を続けています。いずも空母化(正確にはF-35B運用化)の先には、「空母」の建造が見えています。揚陸艦の強化も必須ですから、強襲揚陸艦の装備もされるかもしれません。潜水艦は22隻体制になり、12隻からなる哨戒艦部隊も創設されます。汎用DDの整備は中止されるものの、数はFFMで埋められ、総数は維持されます。イージス艦も待望の8隻体制が整います。
 ですが、予算と人手が不足するのは陸空と同じです。いや、陸空よりも深刻でしょう。艦艇乗り組みは希望者が減っていると伝えられます。特に潜水艦はどうやって22隻分を確保するのでしょう?FFMは2組のクルーを用意?空母?その乗員はどうやって確保します?更にLHA!?無理です。今でも不足しているのですから。
 演習時などは別にすれば陸空は勤務時間が終われば、普通に暮らせます。三交代勤務の部署もありますが、それにしても、終われば普通です。空は勤務も基本的には建物の中ですし、トイレやお風呂も普通に使えます。陸だって、演習中でなければ同じです(老朽化している話は別にして)。しかし、艦艇乗り組みはそうはいきません。一度出航すれば、休憩時間はあるにしても24時間勤務、仮眠あり、みたいな状態です。そして、ネットにはつなげられません。今、自衛官にやろうとする世代はもはや普通にスマホを使っている世代です。スマホがずっと使えない生活は耐え難いでしょう。機密保持の問題は別にすれば勤務時間が終われば普通に使えます。少なくとも技術的には使える環境です。しかし。艦艇はそうはいきません。ようやく海自もこの問題解決に取り組みつつありますが・・・潜水艦だけはどうにもなりません。潜航中の潜水艦でスマホが普通に使えたら、世界中の潜水艦部隊の指揮官は悩みません。技術的にどうにもならないのです。

 解決策は?まずは必要な人数を減らす必要があります。そして待遇改善です。

1.4個護衛隊群の削減
 今のDDHx1、DDGx2、DDx5からなる4個護衛隊群を今後も維持できるとは思えません。とりあえず1個、将来的には2個減らすことも考えるべきでしょう。FFMは年2隻建造するとして22隻ですから、2030年代前半に整備がとりあえず終わりますが、逆に言えば、そこまでDDの新規建造は無いといえます。2030年代にむらさめ型は艦齢30年を越えます。たかなみ型ですら30年程度に達します。近代化改装はするにせよ、代艦の建造は必要です。しかし、多くても年2隻ですから、10年程度はかかるでしょう。その頃にはあきづき型の代艦が必要です。そして、普通に使っていても、ひゅうがの代艦も検討しなければなりません。更にLHAだといっていると予算は足らないでしょう。1年に2隻どころか、1年に1隻建造できれば良い方かもしれません。
 予算は足らない、人は足らない、となれば?減らすしかりません。もし、将来、本当に海自が「空母」を運用するとしたら、空母を中核とする2個群にまで減らす必要があると考えます。まあ、それは普通にいけば、「いずも」型代艦ですから、かなり先の話ではあります。ですが、遠い未来の話もでありません。いつかはそういう時がきます。

2.省力化の推進
 FFMでは省力化が進められてますが、他艦艇でもどんどん省力化を進めていく必要があります。人手不足に対応するためです。直接的には必要な人数を減らすのが目的ですが、同時に居住性の更なる改善も必要です。同じ大きさで乗員が半分になればそれだけ居住性は改善出来ます。
 まずは潜水艦。今後建造される3000t型はもはや手遅れですが、その次の潜水艦では乗員数を劇的に減らさなければなりません。有事の戦闘力発揮に支障が出る?動かせなければその前でこけます。一気に半減は無理でしょう、次の次には30数人程度にまで減らすべきです。平時の一直を指揮官含めて8人以下として四交代制で32人を目標にしたいです。12時間は完全に自由時間(睡眠含めて)とします。もちろん、この状態では戦闘は出来ません。あくまで平時の航海に必要な人数です。武装は全て自動化します。対地対艦ミサイルは垂直発射筒、魚雷も自動装填装置を設け、出航後は調整や整備などはしないですむようにします。問題は烹炊(海自でなんといっているかはすみません、知りません)。人数減らすと専門要員をおくのが難しくなります。食事の用意そのものは交代でやるとしても、調理は簡単ではありません。士気にかかわる問題ではありますが、恐らくは冷凍食品とレトルトが主にならざるを得ないでしょう。自動調理器の実用化は20年後でも困難でしょうから。潜水艦は・・・仕方ないと思います。
 水上艦もどんどん自動化を進めて省力化します。ダメージコントロールはある程度割り切るしかありません。艦の保持よりも人命保持を優先としましょう。もちろん、そのためにも極力沈みにくいようにする工夫は必要ですが。兵装は基本的には全て自動化を進めます。100人くらいを目標にしたいです。30FFMよりも重武装ですが、より自動化が進むことを期待します。

3.待遇改善
 省力化しても艦艇の大きさは小さくしなければ、艦内空間に余裕は生まれます。全員が個室・・・は無理でも半個室位の空間を設けましょう。水上艦は機密保持の措置は別途講じるとして、少なくともダウンロードは自由に出来る通信環境を整備すべきです。潜水艦もある程度の通信(私信)を定期的な通信の際に認めましょう。通信ブイをあげて短時間送受信する際にテキストベースですが、私信も取り扱います。そして、潜水艦こそ、2クルー制を導入し、一人の負担(航行中の時間)を減らします。効率だけみれば、保有数の1.5倍位のクルーがいれば運用は出来るでしょう。ある程度の数は整備や改修などでドック入りしているでしょうから。ただ、さすがにころころ乗艦が変わるのも問題でしょうから、ここは頑張って2クルー用意しましょう。省力化した分をくいつぶして従来並の人員は必要ですが、待遇改善でなんとか。
 居住空間を拡大できれば、女性も潜水艦に乗せられるようになるでしょう。場合によっては乗員が全て女性の潜水艦もありえるかもしれません。
 潜水艦の話が続きますが、基本電池とモーターとして、ディーゼルエンジンは発電専用とすべきでしょう。ディーゼルでなくても良いですが、レンジエクステンダー付きEVと同じ構造です。また、燃料電池の研究も続けるべきだと思います。もし、燃料電池で高速航行できるのなら、その方が良いですから。軽油でも動作するのでロータリーエンジンを使うのも面白いと思いますが、新規開発になってしまいます。エンジンが相対的に小さくなればそれだけ手間がかからなくなり、省力化されます。当然、魚雷含めて武装の装填、発射なども完全自動化します。ミサイルは当然専用VLS。

4.共同運用の推進
 空自の時にも述べましたが、航空機部隊は重複を避け、共同運用できるものは極力そうします。哨戒・偵察・情報収集用のUAVの共同運用は必須です。極論すれば固定翼機は空へ移管しても良いでしょう。少なくともUAVは共同運用すべきですし、海独自の早期警戒機もどきや電子戦機の保有は避けるべきです。初等練習機は固定翼機要員、回転翼要員は一つの教育部隊で集中することは出来るはずです。中等から実用機はそれぞれ分かれるとしても。それで効率化できます。

5.民活
 陸自でも述べましたが、民間に委託できる業務はどんどん民間に委託すべきでしょう。英米などで行われているように補助艦艇の運航は民間にやらせることも考えるべきです。日本には日本の事情があり難しいのは理解していますが(先輩の悪行のせい)、民間は必ずしも日本企業である必要はないでしょう。

 陸は一手見合った規模にする(減らす)ことを提案していますが、海はそうはいきません。規模をなるべく維持しつつ、省力化を進めていく必要があります。

 空母の話は別にして揚陸艦の整備は今後当然必要になっていきますが、輸送能力の高いLSDを整備すべきだと思います。「空母」をどうするかにもかかわってきますが、仮にそれがLHAだったとしても、LSDは必要です。20年先にはおおすみ型は当然、新しい艦と置き換えらるはずですから、それは大型のLSD(コストパフォーマンスの高い)であるべきでしょう。

 それとひゅうが型の処遇をどうするかが問題だと考えます。いずも型は空母化するとして、ひゅうが型にもF-35B運用能力を付加するのでしょうか?船体の規模を考えれば不可能ではありません。ですが効率は悪いです。しかし、代艦の建造次期はまだかなり先です。売却できれば良いのですが、適当な買い手が見当たりません。それこそ空母化してどこぞの海軍に売り込みますか?
 一つの方策は揚陸艦化です。といっても大改造するのではなく、一部改修程度で、主にヘリコプター揚陸艦として運用するのです。また、掃海ヘリを搭載したり、掃海艇母艦的な運用も可能でしょう。当然、「第二」艦隊へ移籍します。そんなことをしたら、いずもの空母化と合わせて、せっかくの対潜プラットフォームがあという意見もあるでしょうが、気にすることはありません。必要ならSHを搭載すれば良いだけです。そもそも、現状、DDHには本来の搭載力と比べるとわずかな数のSHしか搭載出来ていません。空母や揚陸艦の余技として搭載出来る程度の数にすぎません。何ら問題ないでしょう。

 それから哨戒艦(OPV)ですが、トリマラン型の話やらも聞こえてきますが、以前も述べたようにローコストな船にすべきだと思います。巡視船(例えば、くにがみ型)にDEクラスのレーダー、ESM、ソナーなどを搭載したもので十分です。ヘリが降りられる飛行甲板は必要ですが、固有の搭載機は不要です。武装も3インチ砲も要りません。機銃(RWS)程度で十分です。RAM位は搭載しましょう。必要に応じてSSMを搭載可能な場所位は用意しておくとして。これらは戦闘用ではありません。平時の監視用です。有事に役に立たない?そんなことはありません。水陸両用艦隊の外周での警戒に使えますし、軽輸送も出来ます。UAVのプラットフォームにもなるでしょう。

 それらを踏まえて、私の提言する2040年の海自主要戦闘部隊は以下の通り
・第一艦隊=外洋艦隊
 空母任務部隊(CV=いずも型x1、DDGx3、DDx6)2個
・第二艦隊=近海及び水陸両用戦艦隊
 水陸両用任務部隊(DDH=ひゅうが型x1、LSDx2、FFMx8、MSCx8)2個
 哨戒任務部隊(FFMx3、OPVx6)2個
・第三艦隊=潜水艦部隊
 潜水艦部隊(ASRx1、SSx11)2個

 この他、各地方隊所属の小型艦艇や補給や訓練、支援艦艇がありますがそれは省略します。そのうちAEOは6隻またはそれ以上に増強を考えていますが、これは前述の通り民間委託すべきです。

 それから陸の時に述べませんでしたが、一時、陸自が輸送艦を保有・運用するという話がありましたが、結果的には共同運用する部隊になりそうです。掃海艇が減ると小さな港に入れる船が減りますから、中小型の輸送艦は必要でしょう。陸自が大幅削減されるのであれば、運用の主体は船舶工兵・・・船舶施設部隊ではなく、海自で行うべきでしょうね。また、現在2隻存在する輸送用にチャーターしているフェリーは更に数を増やす必要があるでしょう。これらの運行も民間委託か「軍属」とします。

 20年先で2個群に減らすのは減らしすぎ?仕方ないと思います。人手と予算は限られます。いずも型の後継に本格的空母を建造するとすれば更に人手と予算は取られます。こんごう代艦は4隻ではなく2隻に減るでしょう。汎用DDも同様です。場合によっては、DDは全てDDGにすることもあるかもしれません。今のDDGよりは小型でVLSは一組にして、基準排水量は6000t台に抑えて、その代わり数を建造します(イメージ的にはあきづき型のVLSを64発に倍増し、イージスシステムを搭載したような船)。ただし、総数は減ります。その場合には、CVx1、DDGx6で1個任務部隊を編成ということもあるでしょう。または、DDGは8隻体制を維持し、DDは代艦を建造せず、FFで置き換えることもありえるかもしれません。FFM30の武装強化型です。その場合はCVx1、DDGx4、FFx6位でしょうか。
 出来たら哨戒任務部隊は3個に増強したいです。そうですね、更にその先(ただし、前述の案の未来では必ずしもなくいわばパラレルワールド)として

・第一艦隊=外洋艦隊
 空母任務部隊(CVx1、DDGx1、小型DDGx5)2個
・第二艦隊=近海及び水陸両用戦艦隊
 水陸両用任務部隊(DDHx1、LSDx2、FFMx8、MSCx8)2個
 哨戒任務部隊(FFMx3、OPVx6)3個
・第三艦隊=潜水艦部隊
 潜水艦部隊(ASRx1、SSx11)2個

 で、どうでしょう?必要なら哨戒任務部隊のFFMを空母任務部隊につけます。CVはどんと大型艦を建造します。なに、空母は大きい方がコストパフォーマンスは良いです。F-35Bを24機、ヘリ各種12機程度を搭載します。より正確に言えば格納庫にそれだけ格納出来るようにします。有事にはF-35Bを12機追加搭載出来るだけの飛行甲板にします。英米などで開発されれてV-22の類をベースにした早期警戒機も搭載したいです。英国に期待?艦の運行要員は省力化を極力進めます。航空要員はかなりの人数になるでしょうが、これは空の担当だから問題ありません(笑)。予算と人は?DDGx6、DDx20の後継を小型DDGx10、FFMx3にするので、その差分でまかなえるでしょう。

 どうしても3個護衛隊群を死守したい?その場合は。

・第一艦隊=外洋艦隊
 空母任務部隊(CVx1、DDGx2、FFMx5)3個
・第二艦隊=近海及び水陸両用戦艦隊
 水陸両用任務部隊(LSDx3、FFMx8、MSCx8)2個
 哨戒任務部隊(FFMx3、OPVx6)2個
・第三艦隊=潜水艦部隊
 潜水艦部隊(ASRx1、SSx11)2個

でどうですか?LHAは無し。その代わりおおすみ型は1隻をLSD2隻で置き換え。ひゅうが型2隻の代理艦として空母を1隻建造、残りの2隻はとりあえずいずも型。DDGは8隻を6隻で代替(とりあえずこんごう型4隻は新型2隻で置き換え)とします。DDは全廃、FFMで代用です。

 まあ、細かい編制は趣味の世界です。メッセージは全体として数は減るはず、です。

 本格的空母はいずれにしてもかなり先2040年代よりも後でしょう。当座は、いずも型空母2隻だけです。これらは、艦隊の防空や離島防衛のために使われるのではなく、主に平時のプレズンスのために使われると考えます。ですから、搭載されるF-35Bは10機程度で十分です。重要なのはステルス戦闘機が搭載されている、ということですから。当然、「攻撃」にも使えます。というか、「攻撃」が主になるでしょう。ただし、実際に攻撃するのではなく、攻撃するぞと見せかける・思わせることが、ですが。精々10機程度の1000ポンドのJDAMを2発搭載しただけの戦闘機の攻撃力そのものはたかがしれています。しかし、それが突然攻撃してくるかもしれないのです。当然、攻撃されるかもしれない側は備えなければなりません。その負担はかなり大きなものになるでしょう。有事ならその空母を沈めてしまえばよいですが、奇襲攻撃はそれでは防げません。このように負担を強いるのがいずも型空母の主任務になるであろうと考えます。もちろん、日本が実施に都市や工場、道路や鉄道、港などを攻撃することはありえません。現憲法下では不可能です。しかし、相手がどう思うかは別です。能力がある空母が遊弋していたら、いや、自衛隊は平和憲法があるから奇襲攻撃してきたりしないから大丈夫、と思えますか?もし、そう思ったら、まぬけ、でしょう。常に空母を監視し続けなければなりませんし、いざ有事という時には即座に攻撃出来るようにしなければなりません。また、防空システムの充実も必要です。
 こうして平時に負担を強いることにより、南西諸島などへの侵攻を困難にすることが出来ます。不可能ではないでしょうが、所要兵力は増大します。海に限らず、陸空の主任務は日本に対する侵攻のコスト(所要兵力や結果的に生じる事態含めて)をいかに引き上げるか、でしょう。それが抑止力です。世界第二位のF-35フリートはそのための有力な手段ですし、いずも型空母も同様です。水陸機動団にしても、反撃手段はあるんだぞ!それでも来るなら来い、でしょう。

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2030年代以降の空自:現状維持か?

  陸自と異なり、2030年代以降の空自は現状維持かやや拡大になるはずです。偵察飛行隊が戦闘機飛行隊へ改編され、新大綱では、戦闘機280機/作戦機360機から、戦闘機290機/作戦機370機に増えます。その前が戦闘機260機/作戦機340機でしたから、かなりの増強に見えます。でも、本当にそうでしょうか?
 沖縄が航空団に格上げされたので1個航空団に2個飛行隊ずつ配備するのが本来のあるべき姿ですから、戦闘機飛行隊は14個あってしかるべきです。新田原の23飛行隊を202飛行隊に戻し、実戦部隊にする可能性は考えられます。ただし、稼働戦闘機の数を増やせるかは疑問です。現状は戦闘機飛行隊は12個に過ぎませんが、個々の飛行隊の保有機数にはかなり余裕があると思われます。F-15はPre-MSIP含めて約200機保有しています。F-15装備の戦闘機飛行隊は7個、それと教育用に1個、教導隊などですから、9個飛行隊と考えて単純に割っても22機です。F-2も1個飛行隊あたり20機はあります。
 戦闘機260機/作戦機340機の時代でも実際の戦闘機の数は、F-15Jが約200機、F-2A/F-4EJ改合計で約100機の約300機。この他RF-4E/RF-4EJは十数機でしたから、F-2Bを除いても300機を越えています。その差は?偵察、訓連用なので、戦闘機じゃないという扱いになっていただけです。戦闘機が約20機増えるのは単に偵察機から戦闘機になるだけ。元々の総数が増える訳ではないでしょう。

 今後、まず2個飛行隊がF-4からF-35に改編され、その後、Pre-MSIP約100機の置き換えにF-35が更に調達されます。今後の調達ペースははっきりしませんが、年10機でも10年かかります。J-MSIPの約100機は今後も改修を施して使用されていきますが、2030年代には後継機がF-2共々必要になるでしょう。F-2Bは忘れて約160機の後継機が必要です(1対1で置き換えて)。
 しかし、うまくって1対1で置き換えですから、戦闘機の総数は2030年代にF-2/F-15の後継機の調達が始まって終わった段階でも、精々300機強で変わらないでしょう。14個飛行隊体制になるとして
 F-35:7個飛行隊(2個はF-35B)
 F-15/後継機:4個飛行隊
 F-2/後継機:3個飛行隊
の14個飛行隊、教導隊その他で1個飛行隊分と考えると1個飛行隊あたり約20機です。今より若干ですが余裕は減ります。
 1個飛行隊増加分20機を増勢?ありえないとは言いませんが、予算に余裕はありません。F-15の近代化改装にしても100機出来るかどうかは怪しいです。なので、教導隊やらなんやらは別にして、実戦部隊は14個飛行隊約280機だと考えます。

 F-35Bは艦載機として使うというよりも有事に滑走に被害を受けた後や小規模な滑走路でも使うという意味合いが強いという意見もありますが、私は信じません。もちろん、それも想定しているでしょうが、それなら、F-35の半数はB型にして、A型とB型を混ぜて配備しないと駄目でしょう。2個飛行隊分の導入は私にはやはり最終的には艦載機として使うことを考えているとしか思えません。将来、もし、海自が「空母」を建造するのなら、もっと必要になるでしょう。また、艦載機であるF-35B飛行隊は共同運用部隊になるはずです。海自で艦載機部隊を持つ?ありえません。ありえないはありえないだろうといわれるかもしれませんが、別々に教育からやるのはありえません。だったら、空で養成し、艦載機として必要な部分だけ別途追加で教育すれば良いです。

 早期警戒機はE-2CからE-2Dに更新の上、ある程度増勢になっているはずです。反面、E-767の後継を検討する必要が出てくるかもしれません。まあ、ハードな飛行はしないのでまだ当分使えるかもしれませんが。
 電子戦関係数は多くはないでしょうが、より実戦向きの装備をする方向ですから、ある程度増えるでしょう。
 問題は輸送。C-1は当然退役しているでしょうが、C-2が今の調達ペースでは精々20機程度。理由はもちろんコストでしょう。単なる輸送機にもかかわらず価格が高すぎます。これではC-130Hも置き換えるというのは考えられず、そのうち、20機程度C-130の最新バージョン(その段階での)を輸入して装備することもありえそうです。
 C-2ベースの電子戦機やらも検討されているようですが、国産機ベースなら、私はP-1の方が良いと思います。C-2だと無駄にでかいです。まあ、運用コストはC-2の方が安いかもしれませんが(枯れたエンジンの双発だし)。
 C-2にせよP-1にせよ、その手の機体を使った電子戦機は攻撃用というよりも防御(防空)用でしょう。くすぶっているEA-18G(攻撃用電子戦機)が導入されているか?さて?F-4後継に暫定的にF-35ではなくFA-18を導入していればすっきり導入できたと思いますが、どうでしょう??

 それから練習機問題もあります。T-4後継機をどうするのか?航空機産業維持のために国産するのか(そうすると性能はともかくある程度まとまった数を生産できる)、輸入やライセンス生産するのか?F-2後継機導入後、F-2Bはどうするのか?後継機をどういう形態であれ「国産」するのなら、複座型をF-2同様に開発することも出来るでしょうが?私の意見は米空軍と同様に正式名称未定のBTX-1を導入すべき、です。そして、T-4とF-2Bをまとめて置き換えます。
 初等練習機(T-7後継)->シミュレーターー>BTX-1->シミュレーターー>実用機
にします。家庭用ゲームのVRですら驚くべきレベルに達している今日、今後、シミュレーターは更に実機に近づいていけるはずです。まずはシミュレーター、その後実機にすれば安全に適切に訓練を行えると考えます。

 グローバルホークが導入がきまり、UAV部隊は今後拡充されると思いますが、私はそれらのUAVによる情報収集や哨戒、それに早期警戒機や電子戦情報収集機なども含めて、陸海空で統合運用すべきだと考えます。人手が不足するのは空も同じです。陸よりはましとはいえ、例えば、従来、志願者の10人に1人(この数字は適当な仮定)が実際に実用機のパイロットになれる(適性がある)とすると人口減少により、パイロット(適性を有する人)も減ります。それは整備も同様です。UAVというかRPASにより、適性はあるけれど、身体的理由でパイロットになれなかった人も操縦は出来るようになるでしょうが。であれば、それぞれ(主に空と海)が別々に似たような機体を運用すべきではありません。

 地対空ミサイルはそろそろパトリオットの後継も必要になるでしょうが、米軍様次第でしょうね。個人的にはイージスアショアは空で運用すべきだと思いますが、とりあえずPAC3含めて、弾道弾防衛は統合運用することにしましょう。陸海空の部隊が参加することになりますから。海のDDGは平時の弾道弾防衛からは徐々に手を引いていき、艦隊防空(対艦弾道弾対策含む)に専念させます。

 2030年代の空自最大の争点はF-2/F-15後継機ですが、これは別途述べることにします。2040年代以降には、前述の通り、人で不足は更に深刻になっていくはずです。無人戦闘機の開発も進んでくると思いますが、パイロットの負担を減らすためには、対領空侵犯措置(所謂、スクランブル)をRPASにより行う必要もあると思います。有事の空中戦はまだ難しいでしょうが、平時なら可能でしょう。目標に接近するまでは自動で、接近後は人が手動で操縦。必要な警告を行うのです。これならベルがなると同時に走り出す必要はなく、ゆっくりしたくをして、接近する頃に操縦席(地上の)につけばよいです。米軍の無人攻撃機のパイロットは精神的負担が大きいという話はありますが、使い方が違います。整備員の負担は余り減りませんが、有人戦闘機よりは手間は減ると思います。更にその先に無人戦闘機により防空があるとは思いますが、とりあえず、これだけなら、技術的に言えば2030年代にでも実用化は可能でしょう。ある程度の運動性とある程度の速度があれば良いのですから。武装は必ずしも必須ではありませんが、ガンと2発程度のIR-AAMは搭載出来るようにしておけば良いでしょう。

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