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8/5/20’:FXは本当に「国産」か?

 FXは日本企業1社と単独契約する方式にすると発表されました。
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2020/07/31b.pdf
 エンジンの開発作業に係る契約は除くとされています。

、以下のようにMHIが有力だと報道されています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62178780R30C20A7EA5000/?n_cid=SNSTW005
 KHIでもスバルでも新明和でも応じることは出来るかもしれませんが(新明和はどう考えても無理か。(^^;)、求められている能力、実績からするとMHIになるのは当然です。
 防衛省の発表では「戦闘機全体のインテグレーションを担当する機体担当企業が、エンジン担当企業やミッション・アビオニクス担当企業を下請けとする」と書かれています。また、「国際協力に関しては、引き続き米国及び英国の政府・企業と協議を進めてまいります。」とも書かれています。
 普通に考えれば、KHIやスバルなどが下請けとして参加し、エンジンの開発はIHIが行い、量産ではIHIも下請けとして参加する。開発に関してLMなどの協力を得る・・・ということになるはずですが・・・さて、どうでしょう?
 我が国主導で開発するとしていますが、国産するとはどこにも書かれていません。我が国主導で開発する以上、契約する会社は日本企業で、それはMHIなのは事実決まりでしょう。勿論、MHIが辞退というか、応募しないということがなければ、です。FXの開発には企業の体力も必要でしょう。MHIはスペースジェット(旧MRJ)に注力するので、FXは勘弁してください、という可能性はゼロではないと思います。まあ、これまでのMHIの行動からすると受けるとは思いますが。
 では、エンジン担当企業やミッション・アビオニクス担当企業はどうでしょう?これらはあくまで下請けです。MHIがとりまとめをする限り、日本主導の開発ですから、下請けに海外企業が含まれても問題ないでしょう。さすがに日本企業がまったく係わらないとは思いませんが、例えば、
 エンジン担当企業:IHI+RRまたはGE
 ミッション・アビオニクス担当企業:三菱電機+BAEまたはレイセオン
というような日本企業と海外企業のグループが担当することはありえるのではないでしょうか?また機体も MHIとLMまたはボーイングが共同で開発するのではないでしょうか?あくまで、LMまたはボーイングは下請け、ですが。
 新規開発するのは国内防衛産業基盤の維持と運用や改修の自由度を高めることです。FMSでなければ、海外製品(部品)や海外メーカーを使うことは問題はないでしょう。

https://ameblo.jp/satomasahisa/entry-12615676311.html
 こういう話も出ていますね。エンジンはRRと組む可能性が十分あるのでは?またBAEシステムズも可能性はあります。自由度という点では米よりも英の方が高いでしょう。

 また、国・防衛省が関与するのは主契約企業とエンジン開発作業を行う企業の選定だけです。後は主契約企業が決めて良いと理解出来ます。

 私は「国産」とは言わず「我が国主導で開発」といっているのがとても気になっています。MHIがとりまとめをするものの開発の過半は海外メーカーに依存するのではないかと疑っています。勿論、製造の過半は国内で行うことになるでしょうが・・・・それもわかりません。妥当なコストで開発して、製造するなら実績のある海外企業を使う方が良いでしょう。F-35ですら、世界各国の色々な企業が製造に参加しています。
 これは、「出来るところは自社でやりなさい」「出来ないところは海外企業の協力(実質的には委託)を得ない」「やり方はMHIに任せます」ということ指示だとも理解出来ます。

 FXは国産ではなく、MHIがとりまとめをして、主に海外企業により開発され、海外企業が製造する部品も多く使って日本で組み立てられる、というものになるのではないかと私は思います。エンジンもXF-9ではないかもしれません。それでも、あくまで日本の仕様に基づいて開発されますから、自由度はあります。既製品の導入ではありませんから、改修は行えます。
 そういえば、MHIが今苦しんでいるスペースジェットも「国産」とか言いがたい機体ですね!?

 2031年度に量産開始は難しいだろうと考えていますが、もし、開発は実質的に実績のある海外企業が行うのであれば、可能かもしれません。

 なお、この方式は防衛装備品では異例かもしれませんが、民生品では普通ですね。住宅のような一品モノでは買い主が装備を供給してつけてもらうこともあるでしょうが、量産品では普通です。例えば、トヨタですら全ての部品を自社または自グループ企業内で開発製造していません。グループ外からも調達しそれらを組み立ててトヨタ車として販売しています。
 価格が高くなるという意見も聞きます。下請けと元請けの利益が上乗せされるからだそうですが、必ずしもそうはならないでしょう。悪く言えば、FXで言えばMHIがかぶることも出てきます。FXを1機いくらでという契約になれば、コスト管理はMHIの仕事です。言い換えるとコスト削減の動機が出来るとも言えます。それに個別に契約してそれをプライムに供給してという手間はなくなります。官側の手間はコストして認識されていなかったでしょうが、本来はそれはコストして考えるべきものです。ある意味、コストが可視化されるとも言えます。そして、MHI(民)に任せることによりコスト削減も期待出来ます。今後はこれが防衛装備品でも常識になるべきだと思います。
 邪推すると仕様書を官が書けない話は本当で、それを民へ任せるためのやり方かもしれません。この方式ならFXそのものだけの要求仕様を定め、RFIに必要な仕様書だけ書けば良いですから。

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