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7/2/20’:FX:ステルス時代の空対空戦闘に優れる戦闘機とは

 そもそも空対空戦闘に優れる戦闘機とはどのようなものでしょうか?第4世代(4.5を含む)までならば以下のようなものでしょう。
・高い機動力(旋回性などの運動性に優れる、高出力エンジンによる高い推力重量比)
・高出力で探知能力に優れたレーダーを有するFCS
・より多くのAAMを搭載
・高速(M2以上)で飛行可能
 迎撃主体なら航続距離はそれほど求められないでしょうが、制空なら後続距離も必要でしょう。

 西側ならF-15系、旧東側ならSu-27系が最強の空対空戦闘機と言えるでしょう。つまりBVRとWVRの両方に優れる戦闘機です。

 では、15年後はどうでしょう?当然、「ステルス」が普通になっているはずです。勿論、まだ、第4.5世代以前の戦闘機も使用されていますが、備えるべきは第5世代以降(第6世代と言えるものが登場しているかは私にはわかりませんが)の戦闘機でしょう。基本は変わらないでしょう。
 もっとも大事なのはWWI当時から変わらないこと、相手が自分を見つけるよりも先に相手を見つけ、先に攻撃する、です。ならば、非探知性を下げ、探知能力を上げる、です。この探知能力はFX単体ではなく、FXを中核とするシステムで、でしょう。つまり「ネットワーク」です。複数のAWACSによるレーダー探知、FXを含む戦闘機のパッシブセンサーから得られるデータ、それらを元にステルス機を探知することになるでしょう。
 当然がらネットワークに対する攻撃に耐えられる必要があります。これは極めて重要でしょう。妨害されたらリンクがすぐに切れてしまうのでは使い物になりません。

 問題は攻撃。WVR戦闘ならステルス機(少なくとも現在想定される)でも非ステルス機でも状況はかわりません。まだ、ビジュアルステルス機は存在しませんし、IR-AAMをかわせるほどのIRステルス性も実現していないでしょう。しかし、それではステルス機の意味がありません。
 もちろん、WVR戦闘に持ち込まれたら勝てないというのでは困ります。困りますが、世界最高の格闘戦能力というのはもはや求められないでしょう。二次元、三次元ノズルによる高機動力はあれば良いですが、もし、それによりステルス性が落ちる、コストがかなり高くなるなどなど、何かとトレードオフなら優先順位は低いので不要だと思います。
 では、BVRは?敵を先に見つけて攻撃するのは当然ですが、どのように攻撃出来るのでしょう?現在の普通のBVR-AAMはアクティブレーダーホーミングですが、これはステルス機を追尾出来るのでしょうか?接近すれば可能なように思えます。ですが、そこまでは?
 やはり対ステルスのBVR-AAMは途中まではネットワークによる誘導を受けて、末端誘導だけは自分でやるものになると思われます。それがレーダーなのかIRなのか画像なのか、複合なのかは別にして。逆に言えば、そのようなミサイルがないのなら、先に発見しても攻撃するにはWVRまで接近しないといけません。であれば、高い機動力も必要でしょう。

 対非ステルス機戦闘なら、高い機動力は不要で、より多くのAAM搭載力が優先されます。相手を一方的に攻撃し、AAMが尽きたら後退が、正しい戦術だと思います。

 私なりに想像するとステルス時代の「最強の空対空戦闘機」は、

1.有人無人航空機やその他見方のアセットとネットワークで連携して戦う能力
 
2.高いステルス性と探知性能に優れたセンサー
 
3.各種の妨害を受けながらも電子戦を継続できる能力

4.大きな搭載力

を備えた戦闘機だと思います。おや?おや?これは河野防衛相が述べた

1.航空自衛隊や米軍の航空機に加えて、海上自衛隊や陸上自衛隊の装備品とネットワークで連携して戦う能力
 
2.高いステルス性と探知性能に優れたセンサー
 
3.各種の妨害を受けながらも電子戦を継続できる能力

とほとんど同じですね。違うのは4が明記されていないこと。言い換えるとこれはF-35そのものです。

 つまりこれは容易に空対艦、空対地にも優れた戦闘機になりえます。搭載する兵装を変えれば。河野防衛相が述べたFXの姿は、空対空戦闘に主に従事するといっても、格闘戦能力に優れた戦闘機という意味ではないと私は考えます。

 F-35と似たような戦闘機を新規に開発する意味はありませんから、新規開発するFXは、結局、F-35よりも大きな搭載力、を備える必要があると考えます。

 更に言えば、もはや1機の戦闘機の性能で優劣を競う時代ではないと思います(実は昔からそうなんだけど、特に今後は)。戦闘機やAWACS、電子戦機、UAV、地上のレーダーサイトなどなどからなる「システム」の優劣を競う必要があると考えます。戦闘機はその一部です。

 河野防衛相は石破防衛庁長官(当時)と違って、相対的ハト派でしょう。「主として空対空戦闘を行うことを想定」というのは官邸NSCの目指す方向性に同意していないことの表れかもしれません。彼の建前としては、防空用に開発すると言いたいだけなのかもしれません。

 なんにしても私のFXの予想は余りかわりません。F-35より大きなウェポンベイを持つステルス機、です。さて、どうなるでしょう?

 

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