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7/11/20’:イージスアショアその後

 防衛相記者会見や新聞報道、話題になっていた週刊文春の記事などから総合的に考えるとやはり「中止」ありきですね。悪く言えば、河野防衛相が自分の実績として、アショアを中止したと受け取れます。ブースター問題はほぼ口実でしょう。地元の反対で配備がいつになるか見通せず、LMSSR採用によりいつになりシステムが完成するのかもはっきりせず、コストも膨らむ可能性があり、現状の計画では既に実現性が失われています。このようなプロジェクトは河野防衛相には求められないでしょう。ブースター問題で更に時間とコストがかかるという数字を出させてこれを中止の口実にしたと理解出来ます。
 本来なら現在の計画は一度中断し、実現可能な案に変更すべきでしょうが、「イージス・アショア」は話題になることが多い問題であり、これは河野防衛相の「政治的判断」により、計画変更ではなく、中止になったと推測出来ます。
 純粋に「ブースター」問題が原因なら、アショアそのものを中止しなくて、別のやり方がが出来るはずです。ブースターが海に落下する場所にVLSを設置するとか、VLS以外を陸上に設置し、CECで水上艦のVLSから発射することも考えられます。例えば、FFMのVLSにSM3を搭載して、発射することは可能でしょう。哨戒艦がどのようなフネになるかはわかりませんが、VLSだけ設置することもコストを飲めば可能でしょう。CECの実装にもコストはかかりますが、FFMに関しては将来的にCEC(かそれに相当する機能)が必須になるでしゅう。哨戒艦もそのネットワークに入るべきです。BMDとは関係なく必要な機能だと思います。
 しかし、いずれにしても、もう、アショアは死にました。河野防衛相は「アショア」を悪だと認定して中止した以上、「アショア」の復活はありません。政権交代があれば話は変わるでしょうが。
 まあ、レーダーとVLSを分離して、「イージス・アショア」とは違う名前をつければ、問題ないでしょうね。「アショア」でなければ良いのですから。でも、その場合でも、LMSSRでは駄目で、SPY-6でないと河野防衛相は同意しないでしょうね。その場合、LMSSRをどうするか?ですが、契約は不明ですが、違約金払ってキャンセルするか、どこかで、普通のレーダーとして2基だけ使うかでしょうか。DDGに搭載は絶対さけなければなりません。アップデートする時に全部日本独自でやらないといけなくなります。DDGのイージスは米海軍と同じもの=SPY-6を使うべきです。
 
 まあ、ともかく、アショアは死にましたので、その代替として敵基地攻撃能力をという報道もされていますが、これは本来まったく別の話です。日本のBMDは少数の弾道弾攻撃から守ることを想定しており、これは安全のためというよりも安心のための装備です。北朝鮮が突発的に少数の弾道弾を撃ち込んできた、または米韓等と武力衝突に至った際に日本も弾道弾で攻撃してきたというような場合に備えたものだと思います。飽和攻撃(誰がやるかは別にして)に備えたものではありませんし、それを迎撃するだけの数もありません。そのために平時にDDG拘束されます。それから解放するためのものがイージス・アショアでした。
 敵基地攻撃能力は建前として日本に対して攻撃することを思いとどまらせる抑止力です。しかし、本当に撃ってきたら、第一撃は防げません。静止軌道上に大出力レーザーだかビームだかを装備した攻撃衛星を打ち上げておけば発射しようとした時をとらえて先に攻撃出来るかもしれませんが、他の手段なら弾道弾がこちらの攻撃よりも先に来ます。仮に日本が核弾頭搭載弾道弾を装備したとしても、明らかに日本を攻撃しようとしていることがわかった段階では、発射前に破壊は無理です。

 なので、アショアの代替は
1.BMD機能を有する艦艇の増強
2.他の迎撃ミサイルシステムの配備
のいずれかです。2.は今からではいつになるかわかりませんし、適切なものがありません(前述のイージス・アショアの看板付け替えは別にして)。THAADはSM3を置き換えるものでなく、本来はSM3->THAAD->PAC3と三段階での重層防御のためのものでしょう。将来的にはレーザーやレールガンによる迎撃も可能いんあるかもしれませんが、当座はまだ無理でしょう。自動的に1です。
 つまりDDGの増強ですね?と思われるでしょうが、私は必ずしもそうとは限らないと思います。既にDDGを2隻増強する話は流れていますし、私も4隻増強する案を以前考えました。しかし、DDGはBMD専任艦ではありません。本来は艦隊防空艦であり、対艦対潜能力も有する有力な水上戦闘艦です。
 勿論、BMD機能を有するDDGの増強が理想的です。ですが、DDGは相対的に大型で高価で多数に人員を要します。以前述べたようにDDをFFMと置き換えて、DDGも新型にして省力化を進めれば4隻増強は人的資源の問題は解決出来ます。ただ、予算はかかります。
 アショアの代替であれば、常時1隻BMD機能を有する艦艇(SM3を8発から16発搭載)が日本海に遊弋していれば良いです。アショアは2基でしたがこれは日本全土をカバーするためです。SM3BlockIIでも1隻でカバー出来るのか?対北朝鮮だけなら出来るはずです。なぜならSM3はミッドコースで迎撃するものですから。中間地点に近ければ1隻でカバーできます。また、発射地点に近づくほど早期に探知も出来ます。そう、負担は別にして前進配備する方が都合は良いのです。
 BMD専任ならDDGである必要はありません。FFMをベースにVLSを32基搭載し、SM3/SM6/ESSMなどを搭載します。対潜攻撃兵器は必要ならVLSにVLAを装備しますが、通常はなくても良いでしょう。余裕があればヘリを乗せます(格納庫と飛行甲板は装備)。後はCIWSやRAMだけ。砲も要りません。SSMはSM6で代用。まあ、将来的に海自がLVSから発射出来るSSMを導入したら搭載しても良いでしょう。VLSは多い方が良いので、将来的に64基搭載出来る場所は確保しておくべきだと思います。勿論、予算に余裕があれば最初から64基でも良いです。乗員は200人未満を目指します。防空に特化することにより、必要人員を減らし、コストも削減します。
 この防空艦をDDGと呼びたければ呼んでも良いし、FFGでも良いでしょう。まずは2隻。将来的にはもう2隻(最低もう1隻)欲しいです。それで日本海に常時一隻遊弋させられます。平時はBMD専任。有事はBMDもやりますし、防空も出来ます。CECでFFMなど他の艦の搭載するSAMなどを管制すれば、自艦のVLSが少ないのを補完出来ます。 
 純増は無理ですから、DDとの置き換えです。乗員はとりあえず大丈夫でしょう。常時1隻展開なのでクルー制は採用したいです。その代わり、護衛艦隊に配備するFFMはクルー制は採用しなくても良いかもしれません。

 以上はあくまで私ならこうするというものであり、今後こうなるという予想ではありません。さて、実際にはどうなるでしょう?
  

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