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6/16/20’:陸自AH部隊はどうなる?:その3:AH-64Dをどうする?

 AHをどうするのかは、個人的にはOH-6の後継をどうするのかと深く関わると思います。前回述べたように時間をかければ、今の予算でも、AH-64Dの改修とAH-64Eの新規調達は不可能ではありません。ただ、改修新規合わせて28機の調達に15年かかります。
 その場合、今の中期防から4期で調達される航空機は以下の通りです。
UH-X 150機
CH-47JA 12機
AH-64Dの改修12機
AH-64E 16機
合計178機+改修12機

過去の4期では
V-22 17機
CH-47JA 26機
UH-1J 52機
UH-60JA 23機
OH-1 29機
AH-64D 13機
LR-2 4機
YH-480B 28機
計192機
でした。数としては似たようなものですが、OH-6の後継は完全に無くなりますし、UH-60も調達終了ということになります。果たしてそれで良いのでしょうか?
 AH-64Eの調達はUH-XとCH-47JA以外のヘリを調達しないことを意味します。それでいいのでしょうか?
 また、改修は早くて2024年以降ですから、古い機体だと20年、もっとも若い機体でも10年経過しています。AH-64がどれだけの期間使えるかはよくわかりませんが、30年だとすると改修後の寿命は10年から20年です。なので、AE-64Eが30機揃う前に初期のAH-64Eは退役を始めるでしょう。また、そもそもAE-64Eのサポートがいつまで続くかもわかりません。AH-64Dの例からすると当座は問題ありませんが、米軍の新規調達は早々に終了とするとAH-64Dと同じことが起こりえます。AH-64Eももう10年ほど経過しています。後、17年先にも製造されているでしょうか?買いたくても買えなくなっているかもしれません。なので、本来は今の中期防で改修して、次の中期防で新造機を追加、位のスケジュールであるべきだったと思います。
 
 もし、他を優先し、30機のAH-64Eを調達しないとして、既存の、12機のAH-64Dはどうすべきでしょう?選択肢は三つです。

1.そのまま使える限り使う
 ただし、サポートは2025年で終了です。2025年になったらいきなり運用出来なくなる訳ではないにせよ、そう長期間は使えません。部品の買いだめなどはしてがんばるとしても、2030年位まででしょう。初期ので25年、後期ので15年位、大雑把にいって平均20年位使えます。AH-1と比べると短いですが、まあ、平均20年使えれば、それほど酷くはありません。

2.売却する
 新車が40億円、改修に26億円と仮定していますが、現実味は別にしてボーイング(というか、米軍になるのかな?)に買い取ってもらって、Eにアップグレードしてどこかに30億円位で売却するということも理論上はあり得るでしょう。ただ、下取り価格は極めて安く、1機数億円レベルになりそうです。10億だと改修後の売値が36億円で新車と大差ありません。ああ、買ってくれるのなら、米陸軍に買ってもらうのが一番面倒が少ないでしょうね。
 1機20億円位で、AH-64Dのまま買ってくれるところがあればそれが一番良いですが、難しいでしょうね。後、ライセンス生産品なのでどこまで共通性があるかが不明確です。それも考えるとDのまま売却は無理に思えます。
 12機売却しても精々40億円程度にしかなりませんが、追加の費用はかからなくなります。ただし、AH-1が朽ち果てつつあるので、陸自からAH部隊は消え去ります。

3.Eにアップグレードして使う
 一番妥当なのはこれでしょう。AH部隊はたったの12機だけになってしまうので、水陸機動団の火力支援専門=艦載機として運用する位にしか使い道がありません。逆に言えばそれなら12機でもそれなりに使えます。搭載するプラットフォームが限られますから(実質、いせとひゅうがの2隻。いずもとかがはF-35Bを搭載するから)。DDHに4機ずつ、4機は予備・訓練教育用としましょう。12機なら例えば前回述べたように次期中期防でなんとか出来ます。

 どうなるのか?2は実質的にはありえないでしょう。すると1か3です。前回述べたように年225億円の航空機購入予算が確保出来るのなら、3でしょう。それすらないのなら、1です。建前というか、現時点で改修も追加購入も計画されていない(少なくとも外から見る限りは)を考えると現在の路線は1だと言えます。

 なんにしても、10年先はともかく、近い将来、AHは12機だけになってしまいます。AH-64を水陸機動団専任にするとして、他の部隊はどうすればいいでしょう?UHを武装化するしか選択肢はありません。UH-60なら既存品がありますし、元々武装化の検討もされています。まあ、問題は価格。武装キットとそれを取り付けられるように改装していくらなんでしょうね?それだけで20億円とか言われると・・・AH-64Eの方がましでしょうね。UH-60Jも40機しかありませんし。
 UH-Xも70mmロケットと機銃くらいならそうコストをかけずに装備は出来そうです。ヘルファイアを積めればもっと良いですがお金もかかりますね。

 将来的には無人AHを有人機で管制するという方向にいければ良いです。AH-64Eを中核にする手もあります。1機が4機のUAVを管制すれば、AHは全部で60機はなります。まあ、UAVも安くはないですが(苦笑)。

 UH-Xの選定で道を誤ったとしか思えないです。AH-64DとOH-6後継をどうするのか?それも踏まえて考えるべきところ、単にUH-1の後継機調達にしてしまったので崩壊しつつあります。素人目にも調達計画が戦略的ではありません。そこに上から降ってきたV-22のせいで、色々なことが吹っ飛んでしまっています。

 いずれにしても、AHをどうするか、だけではなく、OH-6後継は完全に無しなのか、OH-1をどうするのか?UAVをどうするのか?それらも含めて検討すべきでしょう。どうすべきか?私はAH-64Eはこのまま後しばらくつかえるだけつかって、退役。OH-6、OH-1とAH-64Eを置き換える「ヘリシステム」を導入すべきだと思います。次期は?なるべく早く。勿論、次期中期防以降ですが、新規開発ではなく、既存機とUAV(これは国産化どうかは別にして新規開発)の組み合わせで置き換えであるべきだと考えます。つまり、AH-64DとOH-1は延命せず退役させます。OH-1は大好きですし、もったいないと思いますが、使い道がもはやありません。AH-64Dは12機だけEにアップグレードして使い続けるにしても数が少なすぎます。であれば、新しいシステムと置き換えるべきです。勿論、AH-1も退役です。
 AH-1、AH-64、OH-1の現段階での正確な稼働数はわかりませんが、2019年の段階でAH-1は55機保有していることになっているので、約100機でしょう。
https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2019/html/ns009000.html
 この100機を軽輸送攻撃偵察ヘリと置き換えます。また、偵察と攻撃用のUAVも合わせて導入します。

 機種は?新規開発は無いので、H135しかないでしょう。海自が既にTH-135を運用していますし、民間でも多数使用されています。問題になるのは軽攻撃ヘリとして使う時の武装キットです。これは後になっても良いと思います。H145でも良いのですが、UH-Xとの差が余りないのと価格が高くなるのでH135が良いと思います。武装キット無しなら1機10億以下だと思います。
 2024年からの中期防でH135を50機(年10機)、2029年の中期防でH135を10機、UAVを40機導入します。武装は機銃と70mmロケット弾、何かしらのミサイルを装備します。UAVはヘルファイアかブリムストーン(可能ならスピア3)か、スパイクNLOSの装備が望ましいです。
 UH-Xを40機、CH-47Jを3機調達し、年225億だと残りは340億です。H135が1機6.8億なら340億なので、ちょうど年225億に収まります。

 まあ、でも、武装キットの予算はどこからかひねり出さないと駄目ですね。UAVを後回しにする手もありますが・・・。武装キットの予算をひねり出すためには数を40機に減らす必要があるかもしれませんし、UAVもとりあえずは20機位に減らさないといけないかもしれません。 

 AH-64DをEにして、AH-6を導入する手もあるとは思いますが、AH-6(UAV)と組み合わせる手もあるとは思いますが、それを選ぶと軽輸送ヘリがなくなります。まあ、AH-6の有人飛行という手もあるにはありますが・・・・。

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