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スープラ:黄金比とMT

6/11/19 訂正
 RZの車重を勘違いしていたので訂正しました。
 スープラ
 RZ:1520kg、SZ:1410kg、SZ-R:1450kg
 Z4
 sDrive20i:1490kg
 M40i:1570kg

 なので直6だと50kg、直4はSZで80kg、SR-Zでは40kgの重量差でした。

 

 多田哲哉CEのインタビュー記事を読みました。 

【トヨタ スープラ 新型】「BMWからは、ほぼ何も言われなかった」多田哲哉CEインタビュー[前編]
https://response.jp/article/2019/06/07/323204.html
【トヨタ スープラ 新型】「最短でスープラを出すには、BMWの直6しかなかった」多田哲哉CEインタビュー[後編]
https://response.jp/article/2019/06/07/323222.html

 前編で多田CEはホイールベース/トレッド比1.55をスポーツカーの黄金比と呼んでいます。記事中911(992)は1.54だと。ただ、
https://www.porsche.com/japan/jp/models/911/911-carrera-models/carrera-s/
ここの数字から計算すると1.56ですが、まあ、細かいのはいいでしょう。911のホイールベースが短めなのはRRだからでしょう。718は・・・何故かトレッドの数値が記載がありません。981だと1.62です。ホイールベースが少し長く、トレッドが少し狭いです。
 さて、一般的には黄金比は1.6だとされていると思います。前述の通り981は1.62で概ねそれに該当しています。911系は少し小さすぎ。987は1.6。AWは1.61。エリーゼはS1の111Sは1.6、S2の111Rはトレッドが少し広く1.55と小さくなっています。おお、スープラと同じだ。SWは1.64で少し大きめ。ロードスターは?NAは1.6、でも、NDは1.54。わお。86は?1.68。さて?本当の黄金比は?
 ま、ホイールベース・トレッドだけでは何も決まらないでしょうけどね。エリーゼのS1とS2(この場合111R)を比較して、S2の方がより運動性重視と言う人や実際に乗って思う人はいないでしょう。この2台は基本同じで、トレッドが広がったので見かけ上数字が小さくなっただけで、実際にはS1の方が遙かに運動性重視、S2の方が安定性重視の車です(ま、エリーゼの中ではだけど)。NAとNDを比べて、NAの方が高速安定性志向という人もいないでしょう。NAのホイールベースは2265mm、NDは2310mm。絶対的にはNAの方がショートホイールベースです。実際にはNAの方が運動性重視(というか安定性に欠ける)で、NDの方が安定しています。とはいえ、作り手がその車をどういう性格にしたいかを示すものではあるでしょう。

 後編では、まず、音。2020年からの新しい騒音規制により、良いサウンドを出すのが今後難しくなるとのこと。直6のスープラを2020年前に発売するのには新規開発ではなく、BMWの直6を使うしかなかったと。まあ、勿論、コストもありますよね。この辺は嘘じゃないけど、それだけでもない、と思います。
 更にMT。86がなければMTを設定したが、スープラの大トルク(500Nm)でフォーリングの良いMTを開発したら値段が跳ね上がるのでそれを選ぶ人は正直いるのかと思っていると。さて、これをどう解釈するか。まず、2LならOKとも言えますね。Z4で欧州では設定された(というか、MTが基本、ATがオプション)ので、発売しようと思えばそう難しくはないでしょう。ただ、もう一つは多田CEはBMWのMTのフィーリングに不満があると解釈することも出来ますね。MTそのものは存在していますから。M2/M3/M4のミッションがありますからね。さて、本当の理由は?スープラの想定販売数はそう多くないので、MTを設定するコストがペイできないということかなと思います。スープラがちゃんと売れて、かつMTを望む声が多ければ、登場するかも?まあ、GRMNが発売されれば直6ターボ+MTだと思っています。

 それから86のオープンはマグナで生産する計画だったそうです。へー、そうだったんですね。でも、ビジネスケースが回らず発売できなかったとのこと。残念。

 さて、黄金比についてもう少し。モーターファン・イラストレーテッドの2019年5月号の「福野礼一郎ニューカー二番搾り BMW Z4/8シリーズ」にスポーツカーの性能と機動性の条件を
1.車重は重いよりも軽い方がいい
2.重心は高いよりも低い方がいい
3.ボディ剛性や局部剛性は低いよりも高い方がいい
4.ホイールベース/トレッド比は大きいよりも小さい方がいい
5.トラクションは低いよりも高い方がいい
などと言えるが、それだけでは決まらないと。全て同時に達成しないと意味が薄い、「ホイールベース/トレッド比だけでは何も決まらない」というのは事実で、過去に書いたことで誤解している人がいるならお詫びすると結んでいます。
 個人的には6として重心はドライバー(の腰からお尻位)に近ければ近い程良い、というのを付け加えたいですが、それはそれとして、それでも、私はMRだと1.6がちょうど良い思っています。あくまで「ホイールベース/トレッド比」という観点で言えば、運動性と安定性の兼ね合いがちょうど良いかと。実際の車がそれを示している、と、そう私は思います。勿論、上記の4以外がちゃんと成立していたら、ですが。さて、スープラは?
 まず、1はZ4よりは軽いですね。ただ、絶対的には軽いとは言いがたいです。SZでボクスター・ケイマンの重い方と同じ位で、直6のRZだとずっと重いです。まあ、でも、3L直6ターボのスポーツカーとしてみれば、重たい方ではないですね。直4なら1410kgで、PKDの718ケイマンとほぼ同じです。絶対的には重たいものの、このクラスとしてみれば、平均的かそれよりもやや軽いとは言えるでしょう。

 2の重心はカタログによるとRZで461mmと書かれています。以下で見れます。23ページです。
https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/supra/supra_main_201905.pdf
まずまずですが、以前の記事では86の460mmよりも低いとありましたが?エンジンが軽い直4ならもう少し低いのかなとも思いますが、最低地上高はRZの方が低いので、そこで調整している可能性はありますね。結果的に直4は少し高いかもれません。
https://car.watch.impress.co.jp/docs/event_repo/paris2018/1148483.html

 Z4は福野礼一郎氏が試乗会で聞いたら150mmという頓珍漢な回答があったそうで(苦笑)。詩上した印象では500-520mm位で低くはないと記事にありました。もちろん、直6と直4でも違うでしょうね。Z4の最低地上高は直4が120mm、直6が114mmとカタログに記載されてます。スープラは直4が118mm、直6が112mmと書かれています。普通は10mm単位で記載されるので、120mmと110mmでしょうか?どちらもZ4よりも2mmずつ低いのですが、これは測定条件の違いである可能性もあります、まあ、基本的には同じと考えて良いのでしょう。86は最低地上高は130mmですから、仮に10mm車高を落とせば、スープラよりも重心は低いですね。まあ、でも、3L直6エンジンをFRで縦置きしてこれなら悪い数字ではないでしょう。
 福野礼一郎は、何故Z4はそれよりも高く感じたのでしょうか?可能性があるとすると上屋の違いです。Z4はオープンですので、幌を下ろせば、その分重心は下がると思いますが、クーペのスープラよりも車重は重たくなっています。直6同士で比較すると50kg重たいです。それがもし、スープラの重心よりも上で重たくなっていれば、当然、Z4の重心はあがります。屋根自体は幌の方が軽かったとしても、電動幌の機構は重心よりも上についているでしょうから、その分重心はあがります。絶対的な数字は別にして、Z4の方がスープラよりも重心が高くても不思議はないでしょう。それでもスープラの重心は目標としたとするボクスター・ケイマンよりは高いでしょうけれど。

 
 3のボディ剛性は高いという話ですね。Z4の試乗記でもオープンのZ4ですら十分高いとされてますから、これは平均的よりも高いと受取って良いと思います。

 4は1.55だから小さいですね。

 5は?FRだから、どうでしょう?一応、50:50の重量配分をうたっているので、FRとしては高いでしょう。トランスアクスルのFRやMR/RRよりは低いでしょう。まあ、この辺はいまは電子制御でかわります。


 総合的に見れば、少なくともZ4よりは、スポーツ性は高いといえるでしょう。ボクスター・ケイマンと比べるとどうか?スープラなのでとりあえず718ケイマンと比べると、数値が不明な点が多いので、私の推定ですが、

1.車重はケイマンがやや軽い(PDKで、ケイマン:1390kg、ケイマンS:1410kg)
2.重心は構造からしてケイマンが低いと思われる。
3.ボディ剛性や局部剛性は体感的にケイマンはそれほど高く感じなかったので、スープラが新しい分勝ると考える。
4.ホイールベース/トレッド比はスープラが小さい。
5.トラクションはMRのケイマンが勝っていると考えられる。

 という訳で、ケイマン3勝、スープラ2勝です。まあ、718ケイマンは過去の試乗の印象、スープラは数字と想像なので、実際に乗ってみないとはっきりはしませんが。全体的に見れば、概ね条件を満たしていると言えますね。

 ところで、4の試乗記では、ホイールベースが短いこと、重たいことから、下りと上りで動きが異なり、上りは良いが下りはいまいちだとされています。下りだと荷重が大きく前に移動するので、乱暴に言えば、後ろが浮く状態になるのでそりゃ怖いでしょう。FRですから。50kgほど軽いスープラはどうでしょう?二番搾りでやってくれないかな?

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