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水平対向エンジンは低重心か?

 スープラの重心高を調べていて(結果的にはカタログに記載されていたので遠回りでした。(^^;)いくつか記事やブログを見たのですが、相変わらず水平対向エンジンだから重心は低く出来るはず、と考える人は多いようですね。確かにMRやRRでドライサンプにすれば低く搭載出来ますが、フロントエンジンでウェットサンプだとそうは行きません。前輪を駆動するとほぼ絶望的。更にターボ?インタークーラー?やめてよ(苦笑)。FRの86/BRZ(以下面倒なので「86」とだけ書きます)では、だいぶ低く出来ましたが、それでも、MRやRRのようにはいきません。

 直列エンジンよりもエンジンの幅が大幅に広くなるので、セブン系のように完全にフロントミッドに搭載すればともかく(後述しますが、現実にはそれは難しいです)、クランクシャフトの位置は縦置きの直4/直6よりも高くなっているのが現実です。FF/4WDよりはましですが。スバルの透視図とか構造説明図や模型を見るとエンジンがかなり上に上がって、そこから斜めにミッション、ドライブシャフトが下がってきているのが分かります。86でもエンジンは前輪車軸上に載っていますし、まだ、前上がりです。カタログを見ればわかります。「超低重心FRパッケージ」と書いているのは笑うしかないですが。2019年2月版のwebカタログ28-29ページから引用します。
https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/86/86_main_201902.pdf
図1

1906186 1906186
明確にエンジンの搭載位置が高く、ミッション・ドライブシャフトがかなり斜めになっているのが分かります。
同29ページ右端上の写真を見ると。エンジンのヘッド、クランクシャフトは前輪車軸よりも上にあります。
図2

 19061862
何故?そりゃ、下側にオイルパンがあるからでしょう。それと排気系もね。更に言えば、短いはずなのにエンジンは前輪車軸より前にはみ出していますね。

こちらは同じくスープラのカタログ23ページから
https://toyota.jp/pages/contents/request/webcatalog/supra/supra_main_201905.pdf
図3

19061a90
やはりドライブシャフトは斜めにはなっています。ですが、86よりは角度は小さいです。どちらかというトランスミッションが大きいためのように見えますが、トランスミッションの下端は86よりも低く見えます。
 スープラは86のような前からの良い写真図はありませんが、20ページの斜め上からのと
図4

19061a902
27ページの斜め後ろからのと
図5

19061a903
前述の横から野を見ると86よりはクランクシャフトは低そうで、ほぼ前輪の車軸と同じ位置に見えます。エンジンは右側へ傾けて搭載されていますね(BMW流)。
 こういうのも見つかりました。
 https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1188/876/html/002_o.jpg.html
 これを見るとやはりトランスミッションがでかくてドライブシャフトとの接合部が上に上がっているように見えますね。クランクシャフトは前輪車軸よりは少し上かな?せっかくこういうモデルがあったのなら真正面から撮ってくれればいいのに?メガウェブ辺りでこれを展示してくれないかなあ?と探したら、動画ですが
https://www.youtube.com/watch?v=v3rj3fAamHk
4:34位から同じ物がうつっています。切り出したのが以下です。
図6

19061a904
最初正面から。エンジンが傾けられているのは良くわかります。結果低く搭載できているかも?ただ、クランクシャフトの位置は前輪車軸よりは少し上のようですね。


 86のエンジンとして水平対向4気筒が適切だったかどうか?メリットを考えると一つはエンジンの長さを短く出来ること、がありますね。そう大きく(長く)無い車で2+2にしましたから、フロントノーズは余り長くしたくありません水平対向4気筒なら直列4気筒よりも短くは出来ます。。

 ロードスター(ND)の横から見た図はマツダのサイトでは、上から見たものは以下にあります。
https://www.mazda.co.jp/cars/roadster/driving/skyactiv/
図7

19061nd1
 その下に斜めからのはあります
図8。

19061nd2
 これらを見るとNDの方がエンジン・ミッション・ドライブシャフトの傾斜が少なく、エンジンはほぼ前輪車軸よりも後ろに搭載されている見えます。モーターファン別冊の「新型ロードスターのすべて」を見るとエンジンはNCよりも13mm低くなり、重心は5mm下がったとありましたが、重心高そのものの数字はありませんでした。
 ここに発表会でスクリーンを撮影した図があります。
https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/702/932/html/1.jpg.html
が、ぶれていますね。仕方ないので、本から引用します。
 三栄書房 「モーターファン別冊ニューモデル速報 第516弾 新型ロードスターのすべて」54ページの図です。
図10

190061nd4
 三台を比較します。三台分一つにしてみました。
図11

19061comps
 NDが一番低く後ろにマウントされ、トランスミッションはほぼ水平に見えます。それらと比べるとスープラはエンジンとトランスミッションは若干後傾しているようにみえますがほぼ水平。ドライブシャフトは傾斜していますがこれは出口とデフの高さが違うために見えます。エンジンは直6でもほぼ前輪上に位置しています。86はエンジンが前輪主軸の斜め上から傾斜して搭載され、トランスミッション、ドライブシャフトも傾斜しています。詰まりオーバーハング部分の高い位置にエンジンが飛び出しています。更にトランスミッションが他二者と比べると随分前に位置しています。
 何故86はNDのように前輪後ろに搭載しなかったのでしょう?水平対向エンジンなので短いですから不可能には思えません。理由があるとしたら?低くは搭載出来ないのでトランスミッションの室内への張り出しが大きくなりすぎる(位置が高すぎる)からでしょう。何故?さあ?水平対向エンジンだからじゃないですか(笑)。図2を見たら仮に前輪後に搭載出来たとしてもこれ以上低くはなりそうにありませんから、トランスミッションはかなり高い位置からキャビンに侵入してきます。
 何故、水平対向エンジンが理想と違って現実には搭載位置が高くなってしまうのか?少なくとも86が使っているスバルのエンジンは上方吸気、下方排気であるというのも原因の一つでしょう。縦置きの直列エンジンなら排気は横なので、そのまま後ろに取り回せばエンジンの搭載位置(高さ)とは関係ありません。横置きで前方排気だとエンジンの下を排気系が通るので搭載位置は高くなってしまいますが。水平対向エンジンでも上方排気にすれば良いように思いますが、今度は吸気系が下にきてしまいます。独立スロットルにしない限り、普通に設計すれば上部に吸気系を設けるしかないでしょう。前か後に引っ張っておくことも不可能ではないでしょうが。
 結果、横置きの前方排気エンジンのように吸気系がエンジンの下側を通るので、少なくともこの水平対向エンジンは低く搭載することは出来ません。その結果、エンジンを後方に搭載することも出来ず、前輪軸上から前にはみ出す位置に高く搭載するしかありません。
 RRの911の場合、ぐぐって見つけた991.2=ターボの写真が以下にあります。
https://webcg.ismcdn.jp/mwimgs/1/1/-/img_118519ca80c6f38a6067951324ebfe70146766.jpg
https://webcg.ismcdn.jp/mwimgs/0/6/-/img_0633c444917e0fc7adb25b0257c9f318130794.jpg
 排気は横から後ろに回っています。

 718ボクスター=982のは
https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1002/781/html/22.jpg.html
https://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/1002/781/html/25.jpg.html
 ちょっとはっきりしませんが、まあ、横から後ろですね。

 初期の986ですが、以下でエンジン載せ替えの様子が見られます。排気系の取り回しがわかります。
http://lussocars.com/lusso_report/2011/02/porsche-boxter.html
 縦置きMRなので、このまま前へ移動させてフロントミッドに搭載すればFRとして理想的になる・・・・と言えますが、さて、出来ますか?幅があるので前輪車軸よりも後方に搭載して完全にフロントミッドシップにしないとつめないでしょう(でないと恐ろしく幅広い車になる)。そうするとミッションがかなり後ろにきます。結局、セブン系のようなドライバーが後輪車軸の直前に乗るような車でないと無理でしょうね。86のように2+2は厳しいと思います。
 
 それでも86は可能な限り低く後方に搭載しているといえます。4WD/FFの場合、完全にオーバーハングに搭載されていますから。まあ、これは前輪を駆動するため、でもありますが。
 86のエンジンが直4だったNDのように搭載出来たかもしれません。そうれば、みんなの好きな前後重量配分も50:50に近づけたでしょうし、重心も更に下がった可能性もあります。もし、86プロジェクトがスバルとの協業ではなく、マツダとだったら?つまり、スープラのようにオープンのロードスターとクーペの86だったら?もっと理想に近い車になっていたでしょうね。まあ、登場時期は史実の86よりは遅れますが。その時は86のエンジンは2L版だったでしょう。まあ、でも、2+2じゃないとビジネスケースが回らないから辛いかな?生まれなかったかもしれませんね。まあ、RFのホイールベースを延長して2+2のクーペに仕立てることは出来たかな?

 まあ、重心だけ言えば、車高を下げれば下がります。最低地上高を下げればもっと下がります。フロアを補強して重くしても下がります。勿論、ルーフやボンネットなどを軽量化しても下がります。エンジンとミッションは車重の多く見れば2割近くを占めるかもしれませんが、逆に過半はそれ以外だとも言えます。エンジンの搭載位置だけでは、重心は決まりませんね。でも、やっぱり水平対向エンジンでなければ・・・とそう思ってしまいます。

 おまけ
https://www.toyota.co.jp/jpn/company/history/75years/vehicle_lineage/catalog/60000174/pageview.html#page_num=13
ここでアルテッツァのカタログが見られます。15ページ右下に図がありますが、エンジンはスープラみたいに前輪上に乗っていますが、トランスミッションからドライブシャフトは若干傾斜している程度。更に言えばアルテはエンジンBMWみたいに傾けて搭載していました。素性は良い子なんだよなあ。問題はファミリーカーには向かないことで(苦笑)。86に3S-GEを搭載したらどうなるだろう?まあ、エンジンそのものは重たいか。2ZZだったら?縦置きはないけれど。ま、それらはどの道、現在では使えないエンジンなので仕方ないですが。パワーだけで言えば、ロータスのように手持ちの4気筒エンジン+SCという手もあったかな?

 もし、十分なお金があるのなら、86にアルテの3S-GEを搭載してみたいですね。あのエンジンは本来スポーツカーと組み合わせるべきものですから。お金はある設定だから、ギヤ比もかえちゃおうかな(笑)。ま、妄想です。いっそ、4AGにして(爆)。

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