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タンカー攻撃事件

 まず、昨夜の地震。最大震度6強ということで心配しましたが、その割には被害は軽かったようで幸いでした。津波も微弱でしたし。俗な言い方しか出来ませんが、最近、地震が増えたような気がしてなりません。本命?の東海から関東の大地震は何時くるか?今、この瞬間にくるかも?と備えておくしかないでしょうね。

 さて、ホルムズ海峡で二隻のタンカーが攻撃された事件。日本の海運会社が運行していた方に吸着機雷(水雷)が取り付けられており、それを取り外していく映像が米から公開されています。
https://news.usni.org/2019/06/13/u-s-destroyer-responding-to-distress-calls-in-the-gulf-of-oman-amidst-reports-of-attacks
米はそれをイラン革命防衛隊だと主張しており、状況証拠的には確かにそれっぽいのですが、現段階では決定的な証拠は提示されていません。公開された動画はモノクロで解像度も低く、それだけで、本当に革命防衛隊かどうかはわかりません。
追加の写真も公開されましたが、新しい情報はありません。新聞ニュースですが以下から見られます。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190618-OYT1T50128/
取り付けている映像ではありませんし、この映像が本当にイラン革命防衛隊だと断定できるものではありません。革命防衛隊といっても、正規の軍艦とは違って、使っている船は元々は汎用のものでしょうから、同等のものを調達するのは容易でしょう。
 米がずっと監視(UAVやP-8などで)していたとすれば、その船がイランのいずかの港へ戻っておくレーダー航跡などを公開してくるでしょう。また、取り付けた時の何らかの資料も出してくるかもしれません。ただ、もし、それがあるなら、何故今公開しないのか?そこがちょっと不思議です。イランに暴露される前に自白しろというメッセージを送っているのかもしれませんが、イランがそれをするとも思えません。
 印象だけで言えば、米は情報を小出しにしてイランがやったと印象付けようとしているものの、決定的な証拠は持っていないのでは?と思えてしまいます。

 現段階で、イランが実行する理由が余り思いつきません。イランとて米などとの武力衝突は避けたいはずです。建前はどうであれ、経済制裁だけで相応にまいっているのに武力衝突となると現体制の崩壊につながりかねません。もちろん、一部強硬派が暴走してやったという可能性はあります。しかし、イランの指導部が指示した作戦とは思いにくいです。。もちろん、歴史を振り返ってみると、何故そんな馬鹿な判断をしたのだ?と思いたくなることは山ほどあります。合理的にはありえなくても、やった可能性もあるとは思います。

 逆に反イラン側の謀略だとすると動機という点では納得しやすいです。イランと米、またサウジアラビアなどとの武力衝突を引き起こしたい勢力がイランの仕業に見せかけて今回の事件を起こしてたと理解するのは容易です。また、仮に米の謀略ならイランを不利な立場に追い込んで、譲歩を迫るのが狙いでしょう(もっとも、イランからすると、ふざけんじゃねえ、戦争するならやってやろうじゃないか!と逆きれしそうですが)。もちろん、謀略だとばれた時のリスクはありますが、これまたなんでそんなことをしたん?ばればれじゃない?という謀略も歴史上存在しています。

 仮に米による謀略だとすると?米が出してくる証拠は当てにならないということになってきますね。現在、ホルムズ海峡で十分な監視体制を取れるのは米か精々サウジアラビア位でしょうから、仮に米の謀略だとしてもそれを覆す証拠を出すのは難しいです。

 それと手段。沈めるのが目的ではなく、警告が目的だとしても、航行している船に吸着機雷を取り付けるというのはリスクが高いように思います。それならRPGだかロケット砲の類を撃ちこんですぐに逃げたほうがましです。夜間なら攻撃された側からは誰が攻撃してきたか特定するのは困難です。また、機雷も有益でしょう。旧ソ連系の機雷を入手して、流せば犯人の特定はほぼ不可能でしょう。攻撃目標も選べませんが、警告ならそれで十分です。密度を減らせば沈むことはないでしょう。

 今回はなんかすっきりしませんね。余り謀略論に組したくはありませんが、今回に関しては何らかの謀略である可能性も否定しきれません。また、もう一隻はどうだったのか?それと乗組員は砲撃、少なくとも飛来物による攻撃されたと証言しているのも不可解です。最初はRPGだかその類による攻撃ではないかと思いましたが・・・・。
 前述の米軍が公開した被害箇所の写真では、爆発が外部で発生しているのは明らかです。誰が?というのは別にして外部に爆発物が取り付けられていてそれが爆発したと理解出来ます。ただ、穴の大きさと比べると爆発の痕跡が少ない感じがしますが、指向性を持たせたものならこんなものでしょうか。
 ただ、大きな破穴の右下に円形の別の穴が見えます。これはなんでしょう?外部の爆発で内部から何かが飛び出したのなら、船の外板が外側にめくれるはずですから、これも外から何かが内部に入り込んだ穴に見えます。一般的に言えば、砲弾ですが、板が周辺でゆがんでいません。そうすると外部でHEAT弾の信管が作動して・・・いや、こんな大きな穴にはなりませんね。なんだろうこれ?左側の角を落とした長方形型の痕跡も気になりますが。何かがここについててそれをはがしたように見えます。ただ、サイズはまちまち。これは今回の被害とは関係ないのかなあ?
 それと飛来物という証言が正しいかどうかは別にして、二度攻撃を受けたと証言しているはずですが、被害部の写真は一箇所だけというのも不思議です。

 もう一隻の被害状況の情報が出て来ないので、これも同様の攻撃だったかどうかはいまだ不明です。

 なお、念のため申し上げておきますが、今回の事件は米かどこかイラン以外の国・勢力による陰謀だと主張している訳ではありません。現段階ではどの国・勢力による攻撃かは、特定出来ない、というのが私の主張です。

 それから、一部界隈で「機雷」か「水雷」かで議論が起きているようですが、歴史的経緯や名前本来の意味からすれば、今回使用されたとされるもの(厳密に言えば、あの船が回収していったもので、あって爆発痕が何によるものかはまだ不明ですが)は、地雷に対する水雷が正しいと言えば正しいでしょう。機雷は機械水雷、ですから。魚雷は魚形水雷。ただ、黎明期はともかく、WWIIを経て今日では、自走するのが魚雷、自走しないのが機雷と分けて良いように思います(キャプター機雷は自走するのは発射される魚雷だけで、発射樹は自走しませんから、間違いなく機雷)。通常の機雷は船の方が接近してきてぶつかる(または別の原理で信管が作動する)と爆発します。
 では、吸着機雷(水雷)は?それそのものは自走しません。タイマーなりリモコン操作なりで爆発させる訳ですが、魚雷と機雷のどっちに近いかといえば、明らかに機雷でしょう。管制機雷の類似品に思えます。もちろん、吸着機雷(水雷)は誰かが取り付けるので、その点根本的に機雷とは違いますが、今日「水雷」という言葉そのものはほぼ死語で、使われるとしたら「水雷戦隊」「水雷艇」「水雷長」などのWWII頃までの話をする時だけでしょう。今日では、実質的に地雷に対するものは、機雷=水雷と言って良いのではないかと思います。ま、要するに「どっちでもいいんじゃないの?」です。
 ところで、言葉で言えば、何故「地雷」「水雷」なんでしょう?「爆雷」というのもありますが。「雷」はどこから来たんだろう??考えたことがありませんでした。「地爆」「水爆」でも良いような?今「水爆」というと別のものを示しますが。「爆雷」は「爆弾」で良いと思うし。不思議です。
 ああ、そういう意味では、今回使用されたものは「吸着爆弾」が言葉の意味からすると一番しっくりしますね。

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