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最近読んだ本

新潮選書 池内恵著 「【中東大混乱を解く】シーア派とスンニ派」
 少し前の本ですが、良作、お勧めです。中東のぐちゃぐちゃがよくわかります。ああ、よくわかるといっても、紛争・混乱の原因はこれだ!とすぱっとわかるという意味ではありません。「ぐちゃぐちゃ」であることがよく理解出来るという意味です。
 原因は宗派対立か否かとかかげて、結局、YesでありNoでもあると著者はしています。教義の違いというよりも、宗派を中心とした集団同士の対立であると説きます。また、シーア派は一般的には少数派とされますが、中東に限ればそうではないとしています。
 イラクでは民主主義が結果的に相対的に少数派であるスンニ派に不満を抱かせ、紛争を激化させたとしつつも、アメリカのやり方にも原因があるとしています。レバノンの宗派に配慮した独特の民主主義を説明し、その限界・崩壊も説明しています。
 著者は現状を、「まだらな状の秩序」ということを試みとして提唱していますが、言いえて妙でしょう。また、拒否権パワーが大きくなり、関係する大国・地域大国が、自分の譲れない分野だけで拒否権を行使するのでいつまでたっても紛争が解消しないとしています。

 素人(失礼)の変な本も多いですが、これはその筋の専門家による優れた著者です。厚さもたいしたことないですし、ぎりぎり通勤電車でも読めます。某有名ジャーナリストの本など読むよりこれを読みましょう。ただ、スパッと求めている回答は得られません。何故なら、実際にそういうものは存在しないからです。そういう原因を一言で表して欲しい人には向かないでしょう。でも、そんなもの、ほとんどの場合、ありませんよ?

光人社NF文庫 森史朗著「空母瑞鶴戦史[ソロモン攻防篇]ソロモン海の戦闘旗」
 読むのが辛いです。古い本という訳ではないのですが、古いスタイル。文中の会話が証言によるものか、著者の創作想像なのかの区別がつきません。印象からするとほとんどが著者の創作だと思えます。内容そのものが古いとか必ずしも思いません。山本連合艦隊司令長官(当時)への批判はありますし。ただ、南雲長官(当時)を無能と印象付ける描写が余りに多いのには気分がよくありません。問題点は確かにありますが、それだけではありませんし、主な責任は他にあることも多いです。ところで高木提督をわりと評価しているように思えるのは新鮮でした。へー、著者はそう思うんだ。

光人社NF文庫 鈴木五郎著 「ドイツ空軍の最強ファイター フォッケウルフ戦闘機」
 元々が昭和54年のサンケイ出版社刊「フォッケウルフ戦闘機」に加筆、訂正し、2006年に出た単行本の文庫版。元が古いので、これも、正直、読むのは辛いです・・・。通勤時読書用にとりあえず買ってみましたが・・・。オリジナルはどこかで埋もれているかも?なお、なんとなく、フォッケウルス=川西っぽいと思いました。

光人社NF文庫 白石良著 「特攻隊長のアルバム B29に体当たりせよ!「と龍」制空隊の記録」
 空対空特攻要員(五三戦隊 震天制空隊)になりながら生き残った人が残したアルバムと日記を元にした本。屠龍では、B29の迎撃どころか体当たりすら困難というのがよくわかります。震天制空隊は11人中8人戦死、うち体当たりは3人です。まあ、それでも高高度でなければ撃墜した人がいるんですから、凄いです。
 途中で効果がないと判断されて、特攻は取りやめになり、その後、教官になって終戦を迎えます。著者が実戦に参加して生き残った熟練搭乗員(空中勤務者)は貴重だったと書いているのですが・・・キャリアは一年半程度で、開戦前なら、ジャクに過ぎない人です。それが昭和20年になるともはや熟練搭乗員扱いされるのですから、戦争には勝てませんね。

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