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2030年代以降の空自:現状維持か?

  陸自と異なり、2030年代以降の空自は現状維持かやや拡大になるはずです。偵察飛行隊が戦闘機飛行隊へ改編され、新大綱では、戦闘機280機/作戦機360機から、戦闘機290機/作戦機370機に増えます。その前が戦闘機260機/作戦機340機でしたから、かなりの増強に見えます。でも、本当にそうでしょうか?
 沖縄が航空団に格上げされたので1個航空団に2個飛行隊ずつ配備するのが本来のあるべき姿ですから、戦闘機飛行隊は14個あってしかるべきです。新田原の23飛行隊を202飛行隊に戻し、実戦部隊にする可能性は考えられます。ただし、稼働戦闘機の数を増やせるかは疑問です。現状は戦闘機飛行隊は12個に過ぎませんが、個々の飛行隊の保有機数にはかなり余裕があると思われます。F-15はPre-MSIP含めて約200機保有しています。F-15装備の戦闘機飛行隊は7個、それと教育用に1個、教導隊などですから、9個飛行隊と考えて単純に割っても22機です。F-2も1個飛行隊あたり20機はあります。
 戦闘機260機/作戦機340機の時代でも実際の戦闘機の数は、F-15Jが約200機、F-2A/F-4EJ改合計で約100機の約300機。この他RF-4E/RF-4EJは十数機でしたから、F-2Bを除いても300機を越えています。その差は?偵察、訓連用なので、戦闘機じゃないという扱いになっていただけです。戦闘機が約20機増えるのは単に偵察機から戦闘機になるだけ。元々の総数が増える訳ではないでしょう。

 今後、まず2個飛行隊がF-4からF-35に改編され、その後、Pre-MSIP約100機の置き換えにF-35が更に調達されます。今後の調達ペースははっきりしませんが、年10機でも10年かかります。J-MSIPの約100機は今後も改修を施して使用されていきますが、2030年代には後継機がF-2共々必要になるでしょう。F-2Bは忘れて約160機の後継機が必要です(1対1で置き換えて)。
 しかし、うまくって1対1で置き換えですから、戦闘機の総数は2030年代にF-2/F-15の後継機の調達が始まって終わった段階でも、精々300機強で変わらないでしょう。14個飛行隊体制になるとして
 F-35:7個飛行隊(2個はF-35B)
 F-15/後継機:4個飛行隊
 F-2/後継機:3個飛行隊
の14個飛行隊、教導隊その他で1個飛行隊分と考えると1個飛行隊あたり約20機です。今より若干ですが余裕は減ります。
 1個飛行隊増加分20機を増勢?ありえないとは言いませんが、予算に余裕はありません。F-15の近代化改装にしても100機出来るかどうかは怪しいです。なので、教導隊やらなんやらは別にして、実戦部隊は14個飛行隊約280機だと考えます。

 F-35Bは艦載機として使うというよりも有事に滑走に被害を受けた後や小規模な滑走路でも使うという意味合いが強いという意見もありますが、私は信じません。もちろん、それも想定しているでしょうが、それなら、F-35の半数はB型にして、A型とB型を混ぜて配備しないと駄目でしょう。2個飛行隊分の導入は私にはやはり最終的には艦載機として使うことを考えているとしか思えません。将来、もし、海自が「空母」を建造するのなら、もっと必要になるでしょう。また、艦載機であるF-35B飛行隊は共同運用部隊になるはずです。海自で艦載機部隊を持つ?ありえません。ありえないはありえないだろうといわれるかもしれませんが、別々に教育からやるのはありえません。だったら、空で養成し、艦載機として必要な部分だけ別途追加で教育すれば良いです。

 早期警戒機はE-2CからE-2Dに更新の上、ある程度増勢になっているはずです。反面、E-767の後継を検討する必要が出てくるかもしれません。まあ、ハードな飛行はしないのでまだ当分使えるかもしれませんが。
 電子戦関係数は多くはないでしょうが、より実戦向きの装備をする方向ですから、ある程度増えるでしょう。
 問題は輸送。C-1は当然退役しているでしょうが、C-2が今の調達ペースでは精々20機程度。理由はもちろんコストでしょう。単なる輸送機にもかかわらず価格が高すぎます。これではC-130Hも置き換えるというのは考えられず、そのうち、20機程度C-130の最新バージョン(その段階での)を輸入して装備することもありえそうです。
 C-2ベースの電子戦機やらも検討されているようですが、国産機ベースなら、私はP-1の方が良いと思います。C-2だと無駄にでかいです。まあ、運用コストはC-2の方が安いかもしれませんが(枯れたエンジンの双発だし)。
 C-2にせよP-1にせよ、その手の機体を使った電子戦機は攻撃用というよりも防御(防空)用でしょう。くすぶっているEA-18G(攻撃用電子戦機)が導入されているか?さて?F-4後継に暫定的にF-35ではなくFA-18を導入していればすっきり導入できたと思いますが、どうでしょう??

 それから練習機問題もあります。T-4後継機をどうするのか?航空機産業維持のために国産するのか(そうすると性能はともかくある程度まとまった数を生産できる)、輸入やライセンス生産するのか?F-2後継機導入後、F-2Bはどうするのか?後継機をどういう形態であれ「国産」するのなら、複座型をF-2同様に開発することも出来るでしょうが?私の意見は米空軍と同様に正式名称未定のBTX-1を導入すべき、です。そして、T-4とF-2Bをまとめて置き換えます。
 初等練習機(T-7後継)->シミュレーターー>BTX-1->シミュレーターー>実用機
にします。家庭用ゲームのVRですら驚くべきレベルに達している今日、今後、シミュレーターは更に実機に近づいていけるはずです。まずはシミュレーター、その後実機にすれば安全に適切に訓練を行えると考えます。

 グローバルホークが導入がきまり、UAV部隊は今後拡充されると思いますが、私はそれらのUAVによる情報収集や哨戒、それに早期警戒機や電子戦情報収集機なども含めて、陸海空で統合運用すべきだと考えます。人手が不足するのは空も同じです。陸よりはましとはいえ、例えば、従来、志願者の10人に1人(この数字は適当な仮定)が実際に実用機のパイロットになれる(適性がある)とすると人口減少により、パイロット(適性を有する人)も減ります。それは整備も同様です。UAVというかRPASにより、適性はあるけれど、身体的理由でパイロットになれなかった人も操縦は出来るようになるでしょうが。であれば、それぞれ(主に空と海)が別々に似たような機体を運用すべきではありません。

 地対空ミサイルはそろそろパトリオットの後継も必要になるでしょうが、米軍様次第でしょうね。個人的にはイージスアショアは空で運用すべきだと思いますが、とりあえずPAC3含めて、弾道弾防衛は統合運用することにしましょう。陸海空の部隊が参加することになりますから。海のDDGは平時の弾道弾防衛からは徐々に手を引いていき、艦隊防空(対艦弾道弾対策含む)に専念させます。

 2030年代の空自最大の争点はF-2/F-15後継機ですが、これは別途述べることにします。2040年代以降には、前述の通り、人で不足は更に深刻になっていくはずです。無人戦闘機の開発も進んでくると思いますが、パイロットの負担を減らすためには、対領空侵犯措置(所謂、スクランブル)をRPASにより行う必要もあると思います。有事の空中戦はまだ難しいでしょうが、平時なら可能でしょう。目標に接近するまでは自動で、接近後は人が手動で操縦。必要な警告を行うのです。これならベルがなると同時に走り出す必要はなく、ゆっくりしたくをして、接近する頃に操縦席(地上の)につけばよいです。米軍の無人攻撃機のパイロットは精神的負担が大きいという話はありますが、使い方が違います。整備員の負担は余り減りませんが、有人戦闘機よりは手間は減ると思います。更にその先に無人戦闘機により防空があるとは思いますが、とりあえず、これだけなら、技術的に言えば2030年代にでも実用化は可能でしょう。ある程度の運動性とある程度の速度があれば良いのですから。武装は必ずしも必須ではありませんが、ガンと2発程度のIR-AAMは搭載出来るようにしておけば良いでしょう。

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