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結局、NAロードスターをどう評価するか、かなあ?

 以前買っていたものの電車で読むには重いので読むのが後回しになっていた、プレジデント社 池田直渡著「スピリット・オブ・ロードスター 広島で生まれたライトウェイとスポーツ」を読了しました。著者はカーマガやオートカーの編集をしてたそうですが、特に記憶していません。どういう方かよくわかりませんが、著者紹介によるとメカニズムや技術史を書いているそうですが。

 当然ながらマツダのエンジニアそして著者はNAロードスターを高く評価しています。なので、NDはNAへの回帰を目指して開発していると受け取れます。なので、NAロードスターの評価によってこの本の評価というか、受け取り方も変わるでしょう。

 私は前から述べているようにNAロードスターを高く評価していません。ボディ剛性は低く、ノーマルサスペンションは限界が低く、特にリアのスタビリティが余りに低いです。制限速度内でドリフトは楽しめますが(苦笑)。エンジンはトルクはあるものの音は良く無いし、まわりません。パワステは軽すぎてステアフィールは無いに等しいです。更に言えば、曲がりません。コーナーは一つだけならまあ曲がります。しかし、S字だと駄目です。一つ目クリアして逆に切り返したら頭の向きがなかなかかわりません。NAを買う前に乗ったのはAW、ビート、ヨーロッパの3台ですから、これらはすいすいとS字をクリアします。ビートはアンダーステアは強いと言えますが、ちゃんと曲がります。単にフロントの舵角が多きだけです。しかし、当時から自動車評論家の評価も高かったです。何故、あれだけ評価されているのかは当時もわかりませんでしたし、今もよくわかりません。

 本書によると2008年に15台の車を集めて27名の関係者を集めて試乗を行い、どれが楽しかったかを投票したら、NA、ケイマン(2008年だから987の前期型か?)、ルノー・キャトルという3台だったそうです。他の12台が何だったかは不明です。ロードスター関係なので、ボクスターが含まれていても良さそうですが、含まれていたかどうかも不明です。何が良かったのか?「ブレーキングからターンインして脱出するまでのクルマの振る舞いが手に取る様に分かる」としています。うーん、キャトルは運転したことがないので何とも言えません。ケイマンは年式は正確には不明ですが、まあ、我が家にいたピー次郎とほぼ同じ車でしょう。「手に取る様に分かった」か?うーん、どうだったかなあ??限界は十分高かったですが、そういう感じではなかったように思いません。NAはもちろん、そんなことを感じたこともありません。そもそもパワステのアシスト量が多すぎて、軽すぎて、ステアフィールといえるものがありません(感じられません)でした。まあ、これはそれまでパワステのない車ばかり乗っていたせいもあるとは思いますが(でも、クーガは軽めだけれど、素晴らしいステアフィール)。車の動きも前述の通りで、何が良いのだか分からない状態。これでクルマの振る舞いを感じ取れるとしたらそれは相当上手でかつ感度・分解能の高い人でないと無理でしょう。
 私が運転が下手だから分からないのかもしれません。当時は今よりも更に下手でしたし。また、私が乗っていたのはNA6ではなく、NA8だったのも影響しているかもしれません。NA6には一度も乗ったことがありません。今、NA6を運転したら感想は違いかもしれません。でも、本書で褒められるほどNAが素晴らしいとは思えないです。

 それから著者の説明・文章がどうにもひっかかってすっと入ってきません。間違っていると突っ込みを入れる、というほどではないのですが、何を言っているのかよく分からなかったり、なんか違うようなと違和感を感じる部分も多いです。なんだろう、方向性、感性、好みが違うのでしょう。結局、それがNAの評価が違う理由かもしれませんね。
 そのヒントは84ページで著者がNDのリアのスタビリティに関してリヤのグリップがちょっと高すぎるとしていることにあるかもしれません。私もハイグリップタイヤは嫌いですが、リアのスタビリティは高い方が良いです。低ければ、もっとスルリと曲がるクルマになるはずだ、としていますが、そういうクルマを好むかどうかでNAの評価が変わるのかもしれません。

 NDの開発にあたり、マツダは色々と苦労して工夫してやっています。主に軽量化ですが・・・でも、それって本当に意味があったのだろうか?と思えてしまいます。あくまで本書の記述を読んだ感想ですが。96ページからハーネス(電線)の素材を銅からアルミにして500g計量したとあります。そいう話がたくさんあると。それはそれで素晴らしいのですが、それによる開発の労力、生産コスト、信頼性の低下(テストはして問題ないことを検証はしていますが)を考えると500gと引換にすることか?とも思います。もちろん、そうやって積み重ねないと重量はどんどん増えていきます。ですが、マツダや著者も述べているようにロードスターは速さを追求するクルマではありません。そこまでして500g減らす意味があったのか?それに費やしたコスト(努力もコストです)を他に回した方が良かったのではないかと思えてしまいます。
 191ページからシフトノブとロッドを接続する部分のボールジョイントに従来樹脂部品を使用していたが長期間使われる車なので、ガタが出ないように金属製にしたが、普通にやるとやっぱり金属も摩耗してガタがでるからそうならないように色々工夫したとあります。いや、そこまで労力を払わなくても、樹脂製の部品にガタがでたら交換すれば良いだけでは?交換しやすいように設計すれば良いだけでは?
 6速MTでは5速が直結で、6速はODになることが多いが、それだと内部の構造に無理があり、フィールが悪化するからODレシオをあきらめて、6速を直結にしてエンジンに一番近い側に配置したとあります。ギヤ比だけの話なら、ファイナルで調整すれば良い話です。それが燃費が悪化する分はカウンターシャフトの回転速度を落とすことによるオイル攪拌抵抗の軽減でほぼ相殺したとあります。それって、まったく別の話ですよね?もちろん、ファイナルを落とせばデメリットがあります。が、元々軽いとはいえパワーもトルクもたいしたことないクルマですから、6速100km/hで1500回転なんてことはありえず、2500回転位でしょう?それならそうファイナルもそう小さくする必要はないでしょう。というか、実際、ファイナルは同類の車よりも低くされていますよね?計算上、2530回転ほど、ファイナルは2.866。普通、このクラスではファイナルは4.x位。987で3.75(981は数字未公開で不明)。エヴォーラ、エキシージが3.777。エリーゼだと4.2から4.53位。これって、ファイナルで調整して巡航速度での回転数をちゃんと下げているのではないでしょうか??

 そういう風にこの本の説明では、何故それが最適な(コストも含めて)選択なのかがよくわかりません。

 もちろん、コストだけにとらわれず「こだわる」ことは良いことだと思いますし、そういうクルマ造りはユーザーとして大歓迎です。ただ、自らいっているようにアフォーダブル(これ日本語にしにくい)なクルマであることを考えれば、ちょっと違うんじゃないか?と思うことがあります。あくまで、本書を読んだ上での感想ですが。

 NAを開発する際にダブルウイッシュボーンを採用したのですが、その理由がさっぱりわかりません。どうやってそれを説得して認めさせたのか(コストがかかる)かが読み取りません。更にそのメリットもわかりません。本書の記述では、ストラットで良かった、としか思えません。

 デフを「回転方向変換と動力分割を担う部品」としています。実際のND(を含めて自動車)のデフは確かにその役割を担っているでしょうが、デフの本来の意味とは違いますよね?もちろん、それに続けて、一番大事な役割があるとして、本来のデフの説明が続くのですが・・・・。

 そういう風にどうにも著者の説明はよくわからない・すっと入ってこないことが多いです。

 本書を読むとPPFはデメリットの方が多いように受け取れます。それとこれは本書とは関係ないですが、ドライバーの位置を下げたのは疑問です。せっかくのフロントミッドシップなのですから、極力前進させるべきでしょう。私はMR乗りなので、極力重たいものは重心に近づけたいです。
 なお、著者は横置きMRを今風に言えば、かなりディスっていますが、条件によっては、メリットもありますよ。それが重心に重たいものを近づけられること。え?横置きだとリアヘビーになるのではないか?クルマが重く、エンジンが重ければね。相対的に軽いクルマで相対的に軽いエンジンなら横置きでも重心に近づけられます。AWがまさにその実物。AWではドライバーはちょうど重心に位置して、ドライバーからエンジンまでの距離も近いです。それと縦置きの場合、トラスミッションをどこにおくかという問題も出ますね。重心を下げるならリアオーバーハング部分になってしまいますし、後軸よりも前にすると二階建てになって重心が上がるか、カウンタック方式になって複雑化します。あくまでクルマが軽くてパワートレインが軽い時だけうまく行く話ですけれど、ロードスターのライバルならMRはそういうクルマになるでしょう。

 NDは歴代ロードスターの中で最良だと思いますし、好きです。NAとはまったく違います。エリーゼに体が付いていかなくなったら、その次はもうNDしか考えられません(幌かRFかの選択はありますが)。ただ、今回、NDではなく、結局、エリーゼを選んだのは、やはりマツダの考えるスポーツカーが私の思うそれとずれている部分があるためではないかと、改めて思いました。

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