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30億円戦闘機

 軍事研究2018年11月号、文谷数重著「空自F-Xに適宣な性能・低価格機を推す理由 ”戦闘機戦力”減勢を回避する勇気ある手段!F-35のお供には中国産「JF-17」の感想です。
 最近、小さくまとまっていて余り面白くなかったのですが、久しぶりにきましたねえ(笑)。
 ハイローミックスの提案という意味では、それはそれでありだとは思いますが、相変わらず中身が(苦笑)。

 まず、所謂、F-2後継機の開発について、国産は失敗するだろうと。性能、価格、時期、全て満たせないと主張しています。これはあり得る話なので良いでしょう。共同開発も性能はともかくほかはだめだろうと。まあ、これもありえます。では、どうすべきかで、なんとJF-17を導入すべしと(爆)。もう少し言えば、F-35と併用するJF-17かそれに相当する低価格の戦闘機を導入すべし、という主張です。ハイローミックスには一理あります。ですが、JF-17の導入は現実的ではないでしょう。そこは著者もわかっていると思います。高性能の機体ではなく、既存の技術物品を使ったJF-17クラスの戦闘機なら国産できると主張しているのだと理解します。
 しかし、本当に可能でしょうか?JF-17は約30億円だとしています。そもそもこれが怪しいのですが、それを直接否定出来る情報を持ちませんから、とりあえずそうだとしておきます。では、30億で日本が性能は低くても戦闘機を開発、生産できるでしょうか?私は到底出来るとは思いません。性能は低くても、といってもF-16と同等以上のものを想定しています。それが30億円?これから新規開発して?えっと、T-4が30億円位したような気がしますが・・・・。
 調べてみました。調べられた一番古い予算は
http://www.mod.go.jp/j/yosan/2000/y2000.pdf
平成12年度予算でした。幸いT-4の調達が含まれていました。最後の調達かな?ここで9機で227億円ですから1機あたり約25億円。30年前の開発の電子装備がシンプルな練習機で当時25億円。ジェット機ではなく、ヘリですが、UH-Xはベースの機体があり、開発費はほとんどかからないはずですが、12億円のはずが来年度予算では6機が110億円、1機18.3億円。さて、これらを見ると、何故、これから開発する戦闘機(低性能であっても)が30億円で出来るというのがわかりません。F-15の改修は設計は別にして約50億かかっています。F-16Cレベルの戦闘機であっても、とても30億円に収まるとは思えません。

 仮に日本で開発して1機30億円が実現できるのなら、F-2の後継機も妥当な性能と価格で実現出来ると思いますよ。空対空戦闘でならF-35を上回る戦闘機を同等以下の価格で実現することは出来るでしょう。著者は開発や製造がどういうものかまったく分かっていない、と業種は違いますが、メーカー勤務で以前開発していた私には思えます。

 さて、それはそれとして、これまでの調達費をF-15とF-2が100億円、F-4をインフレ率込みで50億円と想定すると合計340機で3.1兆円だとしています。この計算もめちゃめちゃだと思いますが、とりあえずそのままとして、これをF-35で置き換えると210機しか買えないので戦闘機戦力が減勢するからハイのF-35だけではなく、ローの30億円戦闘機と合わせるべきというのが著者の主張です。
 F-35x175+30億円戦闘機x175=350機
もし、F-35を減らせば
150+300:450機
100+520:620機
と増勢出来ると(苦笑)。
 これらは全て30億円戦闘機が可能な場合の話ですね。現実には60億でも厳しく、恐らく、100億弱になるのではないでしょうか?F-2後継機で言われている子機(無人機)でも30億円は無理のような?

 著者は運用コストについて以下のように述べています。単位は万ドル/hです。

F-35 1.7
F-15 2.1
F-16 0.75
T-45 0.4
T-38 0.3
JF-17 0.6(著者の推測)

 えー!F-35の運用コストは既にF-15を下回っているの!?だったら、全部F-35でいいじゃない!F-4は末期であり、双発機ですから整備の手間はかなりかかっているでしょうから、F-35を上回っていてもおかしくないですしね。

 ハイローミックスの提案はわかりますが、後はめちゃめちゃ。また、そのハイローミックスも米軍のように数が多ければ意味もあるでしょうが、多く見て300機程度の日本でどれだけ意味があるか?調達コストや運用コストも重用ですが、パイロットや基地の確保、訓練空域なども考えれば、戦闘機の数を増やすのは難しく、質で対抗していくほかないと思います。もちろん、常に数は重用ではありますが、航空戦は数だけでは一方的にやられてしまうこともありえます。
 であるとその時点で調達可能なもっとも高性能な戦闘機を選択していくのが最良であると考えます。

 仮にハイローミックスをやるとローは平時には迎撃任務を中心に行い、有事にはF-35やAEW機などから情報をもらい後方からAAMを撃つミサイルキャリアーになるでしょうか。すぱっと対艦攻撃はあきらめるべきでしょう。対地は普通に出来るでしょうけれど。

 現実的な候補は、価格から言えばAIM-120を運用可能な中古のF-16でしょうか。30億円はそれでも無理っぽいですけれど。どれ位の期間使えるか、使うかを想定するのかにもよりますが。
 次はコストはかなり上がりますが、新車で。個人的にはこれは選択して欲しくはありませんが、F-18系の輸入です。EA-18Gの導入を検討中と言われています。それを考えると合わせて、ローとしてFA-18Eを導入することはあり得るでしょう。EA-18Gだけを10機程度導入するよりは整備、補給を考えると都合が良いと思います。FA-18EはAIM-120を最大10発搭載出来るようですから、ミサイルキャリアーには十分。開発費は要らないですし、EA-18Gを本気で導入するなら、これは最良。でも、個人的にはFA-18系は嫌いなので、絶対これは選択して欲しくないですが。

 グリペンもありえるかもしれません。しかし、問題がいくつか。一つは従来の米系中心の装備とまったく異なること。もう一つはトランプ大統領受けが悪いことでしょうね(笑)。まあ、それはトランプ大統領が辞めた後に決めればいいかな。(^O^)。後は搭載力がやや低く、ミサイルキャリアーにはしにくいことでしょうか。

 最後は、F-2後継機として、先進的なステルス機を断念し、高等練習機とローエンド戦闘機を開発すること。文谷案とほぼ同じですね。ただし、30億円はあり得ないので、練習機と戦闘機の平均価格が80億円を目指しましょう。単発で最高速度はM1.5程度で十分。GAU-12を1基(F-35と共通化、ンポットでも良い)、AIM-120を最低8発、IR-AAMを2発。AIM-4系は重たいので断念。翼端にIR-AAMを1発ずつ、主翼下にハードポイントが2箇所ずつ。外側はAIM-120を1発、内側は2発または増槽。胴体側面にAIM-120を1発ずつ、下に増槽を一つ。JSM位は内側パイロンに搭載出来るようにしても良いでしょう。JASSM-ERは重たいので諦めます。しょぼい戦闘機だ(苦笑)。素直にF-18Eを買えと言われそうだな。
 ハイローミックスする以上、戦闘機の飛行隊数は少し増やして14個。高等練習機は1個。最終的には
 F-35:8個
 ローエンド戦闘機:6個
 高等練習機:1個
としましょう。6個の意味は千歳、三沢、百里、小松、築城、新田原に1個ずつです。または、千歳、百里、小松に2個ずつもありかもしれませんね。三沢、築城、新田原、那覇はF-35が2個で。そうすればF-2後継機は最低150機は生産出来るでしょう。それなら100億円は切れるのでは?
 もっとも
 F-35:8個
 FA-18E:5個
 EA-18G:1個
 FA-18F(高等練習機代用):1個
の方が安くていいかも。FA-18Fを高等練習機にするとは贅沢過ぎる気もしますが、まあ、有事には戦闘機として使用できますので。ああ、しょぼい戦闘機を国産するよりもずっとコストパフォーマンスは良さそうですね。
 まあ、当座、当座、Pre-MSIPはどうにかしないといけないし、EA-18Gを本気で導入するのなら、2020年代後半で
 F-15:3個
 F-2:3+1個
 F-35:4個
 FA-18E:3個
 EA-18G:1個
というのもあるかもしれません。F-15も全て近代化改造する予算は得られないでしょう。1機50億ですから。なので、戦闘機は13個+EA-18G1個、F-2B1個。そして、2030年代にF-15とF-2を新戦闘機で置き換え。予算がないとF-35とFA-18で置き換えになるかもしれませんが・・・・。

 まあ、国内の航空・防衛産業をどうするかで変わる話でしょう。輸入なのかラインセンス生産なのかでコストもかわりますしね。なんにしても100機を越えるプロジェクトなら単なるコストや性能だけで決まる話でもないでしょう。

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