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いずもにF-35B搭載?

 ヨタ話としては色々な人が書いていましたし、私もちらっと書いたこともありますが、政府筋から話が流れてきたようで、昨日は共同通信が、更に今朝の読売の朝刊にも記事が出てきました。ただ、両者でニュアンスは異なっており

共同
日本語
https://this.kiji.is/317708664863835233
英語
https://www.japantimes.co.jp/news/2017/12/25/national/politics-diplomacy/japan-considering-buying-f-35b-fighters-can-operate-helicopter-carriers/#.WkAfIXnLiM-

 F-35Bの導入。いずも型を改装して搭載することを検討するが、離島での運用も行う。

読売
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171225-OYT1T50161.html?from=y10 いずもを改装し、F-35Bの発着と補給を可能とする。当座は海兵隊機への補給を想定、将来的には日本もF-35Bの導入も検討

ということで、共同はF-35Bを日本が導入することが主であり、読売はいずもをF-35B運用可能にすることが主です。

 どうもリーク元が違うようですね。読売がJASSMなどの導入記事を書いた後に予算要求されたことを考えると読売の方が正確だと思われます(F-35Bの導入ではなく、いずも改装が先)。

 さて、意味はあるのでしょうか?もちろん、F-35Bの運用プラットフォームが増えることは良いことでしょう。もし、いずもにF-35Bを搭載するとしたら、それは海兵隊機であると私も思います。ただ、DDHは4隻しかありません。それを本当にそのような使い方をするためにしばらく戦列からはずしてよいのでしょうか?

 必要な改修を行えばF-35Bの運用は可能でしょう。飛行甲板の改修が必要とされていて逆に驚いたくらいです。記事では10機搭載可能としていますが、もう少し積めそうです船体規模から言えば、いずも型でなくてひゅうが型でもF-35Bの運用は可能でしょう。ひゅうが型は大きさだけで言えば、引退した英インヴィンシブル級に近いです。ただし、格納庫はそれよりも狭いようですが。インヴィンシブル級の長さ152mはリフト部分を含むと思われますが、リフトの幅が狭いのでその部分も相応に使えますが、ひゅうが型は無理ですから、半分程度でしょうか。インヴィンシブル級の搭載数は時期のより異なりますが、ハリヤーがもっとも多い組み合わせで16機と ヘリ6機の合計22機です。いずもはカヴールやファン・カルロス1世に近いです。格納庫は若干短め、エレベータ部分を除けばいずもと大差なさそうです。格納庫はAV-8Bをカヴールは8機、 ファン・カルロス1世は10機格納出来るようです。それらとF-35Bとハリヤー/AV-8Bの大きさの近いから類推するとひゅうが型で4機程度(整備区画も使えば+1機)、いずも型なら8から10機程度は格納出来そうです。勿論、それに加えて数機のヘリも。早期警戒機が欠如しますが、日本の場合、それは空自の陸上機が期待出来ます。必要ならMCH-101ベースで用意出来なくもありません(英国からシステムを買えばいい)。もう少し手間をかけるのならオスプレイという手もあるでしょう。それらも 含めて露天繋を併用すれば、ひゅうがで、F-35Bx6、ヘリx4(AEWとSH-60)、いずもなら、F-35Bx12、ヘリx6位の運用は余裕を思って行えるでしょう。戦時に短期間ならもっと搭載も出来るでしょう(特にいずもは飛行甲板が広いので)。ただ、それはあくまで、飛行甲板や船の大きさから言えば、です。リフトは適合しますが、F-35Bの運用に必要な装備はありませんから改装は必要です。いずもは余地はあると思いますが、ひゅうがだと厳しいかもしれません。それこそ給油程度になるかも?スキージャンプはあればいいねですね。。米揚陸艦は装備していませんが普通に運用しています。

 最大の問題は果たして、空自のF-35Bを海自の護衛艦で恒常的に運用する必要性があるのか?です。まさか搭載機も自前はありえないでしょうから、搭載機は空自所属になるはずです。当然ながらその予算をどこからもってくるかという話 もあります。F-15JのPreMSIP機の代替機として導入が可能性としてはもっとも高いと思いますが。先の仮定では4隻合計で36機搭載ですので、2個飛行隊は必要でしょう。4隻同時出撃はないにせよ、F-35Bも常時稼働率100%とは行きませんから。でも、だったら、F-35Aを同じ数だけ買って陸上から運用しても良いのでは?もちろん、母艦航空隊と陸上基地航空隊では前者が有利ですが、それは前者が攻撃側の場合です。防御側であれば抗堪性に勝る陸上基地でしょう。現状では敵は空母ではなく陸上から来ます。むろん、空母からもある程度はきますが数の上で主力とはなりえません。それは中国が空母4隻揃えたとしても同じです。

 海自のとって空母は創設以来の夢だというのは理解できますが、現状で、それは果たして優先度の高い事案でしょうか?まじめに離島防衛、奪回をするのなら、DDHはヘリコプター揚陸艦として使用すべきだと思いますし、火力支援用の武装ヘリ戦力を強化すべきでしょう。F-35Bを導入しなくても、陸上基地からF-35Aを運用すれば十分です。オスプレイの導入を中止して、空中給油機と武装ヘリを増やすべきでしょう。

 海自としては、難易度が高い奪回よりもそもそも上陸させないことが大事だと考えるかもしれませんし、それはそれで正しいでしょう。F-35Bを搭載したDDHが遊弋すれば抑止力にはなるでしょう。とはいえ、がんばってDDH4隻すべてにF-35Bを搭載しても36機程度です。現実にはいずも型2隻で24機程度かもしれません。その程度の数なら、相手の陸上機に数で押し切られる可能性が十分あると思います。

 奪回作戦を行う力を持つというのも抑止力にはなるはずです。大規模戦力を投入しないといけなくなりますから。お題目が奪われた国土奪還なら、憲法論議も避けやすくなります。

 奪回作戦は影の薄い陸自がうちも島嶼防衛に貢献できますといって推進している面があるとは思いますが、国としてどうするかの方針が決まっているのなら、海自だけがだだをこねず、それに従った戦力整備を行うべきでしょうね。DDHをヘリコプター揚陸艦として使われないようにするためにF-35B搭載しようとしていないよね?とも思えてしまいます。

 ところで、左方面から、最初から空母にするつもりで建造したうんぬんという批判も聞こえてきますが、これは当たらないでしょう。だったら、ひゅうが型は建造せず、最初からいずも型を建造したと思います。ひゅうが型は格納庫が小さ過ぎます。

 しかし、本当にいずもでちゃんとF-35Bを運用できるんでしょうか?発着艦と給油は出来るでしょうが、整備や武器弾薬の補給はどうでしょう?相応の武器弾薬を搭載できないと一撃したら終わりになってしまいますが・・・。あの整備区画で、例えば、F-35Bのエンジン交換など出来るようになるのか??弾薬庫もミサイルだなんだを必要な量貯蔵できるのでしょうか?本当に海兵隊機に給油できるだけなら、それこそ空中給油機で十分ですからね。そもそも何度も出撃させるのに必要な燃料を搭載出来るのでしょうか?ヘリよりもはるかに多くの燃料が必要ですが。

 せっかくE-2Dを買うのに(これも本当にE-2Dが良かったのか疑問ですが)、CECのアンテナが装備されないそうで、当然、NIFCーCAだにも対応していません。その一方で海自は独自の早期警戒機導入を計画したりしているし(構想レベルですが)、統合への道は遠いといわざるを得ません。

 まあ、一つは国の防衛方針がいまいち明確でない、というのもあるとは思いますが・・・・。

 なお、いずもにF-35Bを搭載したら憲法違反の空母、ヘリを搭載すればヘリコプター搭載護衛艦で合憲ということはないでしょう。現状、自衛隊が憲法解釈で合憲とされているのなら、違憲かどうかは装備ではなく、行動で判断されるべきでしょう。初期の自衛隊ですらやろうと思えば、他国を攻撃することは出来たのですから(成功するかどうかは別にして)。極論すれば核弾頭搭載ICBMですら、先制攻撃には決して使わず、抑止力として保有するのなら、合憲と言えるでしょう。現在の自衛隊が合憲であるのなら、です。もちろん、議論はあるでしょう。なので、9条の2項を改定し、違憲合憲の議論が起きないように明確かすべきだと思います。戦力不保持なんて曖昧な定義ではなく、明確な歯止めを明記して。

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