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諸悪の根源は信玄

 角川選書 平山 優著、「武田氏滅亡」の感想です。

 分厚い本で読むのに時間がかかりました。現状、読書時間のほとんどは通勤中なので、片手で持つのが厳しいこの本は当初は無理だと思って自宅で呼んでいましたが、時間が取れず、結局、電車で頑張って読み終わりました。腕がかなり疲れましたが(苦笑)。

 概ね長篠の合戦前から武田氏滅亡までの期間について記述されており、分量も多いので、逐次感想を書いているとえらく長くなるので短めに。

・結局、悪いのは信玄
 後世の人間から見れば、信玄が状況判断を誤り、対織田戦を開始したことが武田氏滅亡の主因という他ないでしょう。おまけにその直後に本人は死亡して、代替わりが生じます。通常であれば、問題なく勝頼に引き継がれるはずですが、これまた信玄が中途半端なことをして勝頼が後継だけど、本命は孫の信勝だよとしてしまったので、統制に問題が生じます。信玄には信玄の事情や考えもあったでしょうが、勝頼を信xに改名させて明確に後継者と位置付けておけばよかったと思えます。むろん、信義が健在であれば一番良かったのでしょうが。または、自分の死後は信勝に家督を継がせ、勝頼はその後見人とせよと、明言しておいても良かったかもしれません。いずれにしても、戦略を誤り、後継者問題を生じさせたのは信玄です。勝頼は犠牲者と言えるでしょう。家督をあやふやな形で継いだ段階で、大きな負債を抱えてしまったのですから。

・不運な勝頼
 高天神城が陥落した後の滅亡寸前でも、勢力圏は最大版図からそれほど減っていないのに、織田に攻められたらぞろぞろ寝返られてあっというまに滅亡してしまいました。長篠の合戦と御館の乱への介入の仕方は彼の判断ミスと言えますがそれ以外は直接の失策はほとんどありません。過半は信玄がまいた種によるものです。著者が心情的に武田よりというのもあるにはありますが、勝頼と比べれば氏政の方がより多くの判断ミスをおかしていますから、もうこれは不運という他ありません。とはいえ、運も実力の内、ではありますが。

・幸運な景勝
 上杉氏には余り興味が無かったので、御館の乱の詳細は気にしていませんでしたが、今回、初めてその細かい経緯を知ったのですが・・・・その前半段階では、何故これで景虎が負けて、景勝が勝利出来たのか不思議な位、景勝が不利です。勝頼は結果的に景勝に味方して景虎と敵対した訳ではなく、両者の和睦をはかろうとした程度ですから、結局、これは北条氏の支援が不適切だったということになるでしょう。
 更にラッキーだったのは武田氏滅亡の後、本来なら上杉氏も滅亡していたはずなのですが、信長が横死したために助かりました。更に言えば、その後も、関ヶ原の戦い後も滅亡することなく、領土は減らされたものの生き残ってます。もう、ラッキーというしかないですね(笑)。

・優柔不断すぎた氏政
 弟景虎を支援した際にも色々考えて悩んで、思い切った支援が出来ず、結局、見殺しにしてしまいました。氏政には氏政の事情や都合はあるとはいえ、ここは思い切って大戦力を投入すべきだったでしょう。
 武田氏滅亡の際はもはや滑稽ですらあります。武田氏が滅亡しつつあるという情報に対して何度も、嘘だろう?ちゃんと確認しろよと聞き返しています。結局、滅亡する勢力の指導者はそういうものなのでしょうね。ここで、チャンス!と戦力を突っ込めれば色々と違ったことでしょう。駿河に手を出さず(徳川へ渡し)、上野を制圧し、信濃(佐久、小県)へ侵攻(天正壬午の乱の時のように)して占領していれば、信長に邪見にされずに済んだことでしょうし、その過程で真田を滅ぼしていれば、それこそ北条氏そのものも秀吉に滅ぼされずに済んだかもしれません。大げさに言えば、家康の天下取りにも影響したやもしれません。

・意外に慎重な信長
 信忠軍がどんどん侵攻していくのを見て、何度も慎重にいけと指示を出す信長は意外ですよね。息子ら(比較的若い武将が多いせいもあるでしょう)が心配なのでしょう。面白いです。

・堅実だがタヌキおやじの片りんを見せる家康
 無理をせず、手堅く武田領を攻め、富士山見物になった信長を手厚くもてなし、堅実に行動した家康ですが、その裏で武田旧臣を匿いまくっています。これが後で役に立ちます。

 読むのは大変ですが、お勧め出来る良書です。

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