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中国艦接続水域進入事件

 昨日の朝から騒がしいですが、当初は、ロシアの小艦隊と中国のフリゲートが尖閣諸島の接続水域に侵入した、夜中に中国大使を呼びつけて抗議したと伝えられ、騒ぎ過ぎだろと思いました。接続水域を外国の軍艦が通行することは国際法上問題ありません。ことさらに騒ぐことは領土問題の存在を認めることにもなりかねず、やるべきではないと思いました。発見したのは護衛艦であるので、やっていることは既にやっている訳ですから。
 ところが、その後詳細が分かってきて、露艦隊が南側から接続水域に入り、それを護衛艦(はたかぜ)が追尾、そこに北側から中国艦が接近して接続水域に入り、露艦が離脱したらUターンするように中国艦も離脱しています。
 以下に図が出ています。
http://mainichi.jp/articles/20160610/ddm/001/030/163000c
 中国艦は別の護衛艦(せとぎり)が追尾しています。つまり、中国艦は尖閣諸島は中国領土だから自由に航行するぜ!ということではなく、中国の接続水域に露艦隊(と海自艦)が入ったのでそれに対応して中国艦も接近(接続水域に入る)し、露艦隊(と海自艦)が北上を続けて接続水域から出たのでそれを追尾して同じく接続水域から出た、ということに思えます。
 そうであれば事態は深刻です。中国艦は挑発のために接続水域に入ったのではありません。付近を航行していて偶然、露隊艦と遭遇したのでなければ、中国は日本と同様に監視体制を取っているということを意味します。それは中国が尖閣諸島を中国領土だと主張しているだけではなく、領土と同じ体制を取っているということです。フリゲート1隻で探知出来たとは思えません。OTHレーダーでない限り、現代のレーダーでも基本的には水平線の向こうにいる船は探知出来ませんから、複数の水上艦が周囲にいたか、潜水艦がいたか(ただ、潜水艦だと通信の問題がりますが)、航空機で監視していたということです。水上艦は他に居れば報道されるので、恐らくは航空機で監視していたのでしょう。これには対抗していかなければなりません。それが政府、自衛隊はわかっているから大騒ぎしたのでしょうね(もっとも自衛隊は前からわかっているので、敢えて大騒ぎする理由はないような気がしますが)。

 ただ、騒ぎ過ぎも逆効果ではないでしょうか?裏はどうであれ表面上は日本の接続水域に中国艦(と露艦隊)が入ったというだけです。それそのものは前述の通り国際法上問題ではありません。少なくとも夜中に駐日大使を呼びつけるような話ではないでしょう。それは、日本が中国が尖閣諸島の接続水域を自国(中国)の接続水域として行動していることを認めそれに抗議することになってしまいます。ここは大人の対応をしても良かったのではないでしょうか?夜中に呼びつけるのではなくて、後日何かの時に「そういえば、この間、貴国のフリゲートが尖閣諸島近辺を航行していましたな。接続領域に入ってきましたが。ああ、いえいえ、いいんですよ。軍艦の無害通航権は認められていますからね。我が国は国際法を守り、それにのっとって行動しますので、ただ、通航するだけならかまいませんよ。ただ、まあ、お互い余計な摩擦を起こすようなことは控えた方が良いのでしょうね。」という程度で構わなかったのではありませんか?

 しかし、海自はいつから追尾していたのでしょうね。当然、P-3Cで見つけて護衛艦を送り込んだのでそうが。露艦隊と中国艦の両方にちゃんと1隻ずつ貼り付けています。まあ、冷戦時代からやっていたこと、ではあるのでしょうけど、この辺はさすが海自だなあ。潜水艦も付近にいたんだろうなあ。少し離れた深めのところに。

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