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毛沢東

 新潮新書、遠藤誉著「毛沢東 日本軍と共謀した男」の感想です。
 軍事史学会の会報の書評を見ておもしろそうだったので買ってきて見ました。
 中国で幼少期を過ごし、更に苛烈な体験をしたことから、著者のコミンテル、共産党への強い憎悪を感じますが、毛沢東その人に対しては憎悪と尊敬の念が入り混じっているように思えます。
 毛沢東は日本軍の大陸侵攻を利用して、日本と国民党を戦わせ、自らは極力戦力を温存したというのはその通りでしょう。そのために行った工作では国民党の情報を日本に流することまでしたと著者は説明していますが、これも十分ありえることです。
 全てを鵜呑みには出来ませんが、言えることは、やはり毛沢東は偉大な戦略家であり、日本人では到底対抗出来なかったと思います。蒋介石も優れた戦略家ではありましたが、毛沢東ほど、勝つためには冷酷になりきれず、そして敗れた、という印象を受けます。それは私の元々の両者の評価と一致します。
 ただし、ここで描かれる毛沢東は結構、人間臭いですね。完全無欠の戦略家では決してりません。インテリを敵視し、後から報復。それもやや子供じみたほど徹底的に。まあ、ありえるかな?何にしても、付き合うのなら蒋介石の方が良いですね。
 細かい部分を除けば、驚きの新事実というほどのものはありません。勉強・知識不足で知らなかったことは多々ありますが。個々のエピソードがどこかで正しいかは検証する術を持ちませんのでわかりませんが、全体としてはそういうことはあったのだろうなとは思います。日本の中国侵攻が中共を結果的に助けたというのはその通りでしょう。日本はもちろん、そんなことを意図していた訳ではないですが。

 ただ、コミンテルンは過大評価じゃないかなとも思います。それほど強力だったとしたら、何故、共産主義は世界を席巻出来なかったのでしょう?コミンテルンの脅威は著者の境遇もあり、過大に描かれているような印象は受けました。
 これまで著者の著作は読んだことがありませんでしたが、他の著作も読んでみたくなりました。

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