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+-5%は誤差の範囲内か

 以下によるとスズキは法定の測定方法との違いは+-5%測定誤差の範囲内であるので訂正しないと主張しているそうです。
http://www.j-cast.com/2016/05/19267274.html
 これまで見た記事やスズキのプレスリリースには誤差の範囲内とは書かれていましたが、それが+-5%だとは言っていませんでした。今朝(20日)の読売の朝刊にも再測定値とカタログ値の差は5%未満だから販売は続けると書かれていました。そうすると差は5%未満という趣旨の発言はあったと思われます。

 結果的に法定の測定だと良くなる車もあるようですが、だからといって「不正」ではない「問題」ではないということではありません。皆が同じ方法で測定してこそ、JC08の意味があるのであって、違う測定方法の結果を他と同じJC08の燃費ですとカタログに記載することそのものが「不正」であり「問題」です。

 元々三菱の軽4車種と異なり、測定方法が不正だっただけで、燃費そのものを実態よりも良く見せようとした訳ではありませんから、スズキユーザーの一部から出ている、実際の燃費はカタログ燃費よりも良いのだだから問題じゃないだろうというのは援護になりません。MTだったら乗り方によっては不思議ありません。CVTとMTでカタログ燃費に大きな差があるのは何故か、を考えればわかるでしょう。CVTはある意味JC08に特化したものですが、MTは現状のJC08の測定方法とあっていません。しかし、実際に道路を走れば話は違いますから。カタログ燃費を超える実燃費が出る車は他にもいくらでもあります。それは走らせ方状況で燃費は大きく影響されるからです。

 で、本当にスズキが+-5%は測定誤差の範囲内であるからカタログ値の訂正は不要だと考えているのなら、それは大問題でしょう。「測定誤差」が+-5%あることはそう珍しくはありません。それは測定器、測定方法、測定対象によって異なります。例えば、30cm定規の測定誤差が+-5%だったら?30cmで1.5cm短いかもしれないし、長いかもしれないということになるのでこれでは定規として使い物になりません。体重計の誤差が+-5%だったら?1kg減った増えたと騒ぐことを考えたら使い物にならないでしょうね。体重60kgで5%は3kgですから。コンデンサの容量計の測定誤差が+-5%だったら、上々でしょう(対象の容量にもよるでしょうけれど)。もともとコンデンサ(これまた種類によるけれど)の容量の精度は+-10%で良好な方ですから。
 燃費の測定自体は、確かに測定誤差は+-5%あってもおかしくはありません。例えば満タン法で燃費を出すとしましょう。まずトリップメーターの誤差があります。次に給油量の誤差があります。毎回同じだけ給油するのは無理でしょう。もちろん、給油装置の誤差もあります。それらが積算されれば5%の誤差なんて不思議でもなんでもないでしょう。10%位あってもおかしくありません。
 とはいえ、JC08の測定精度は満タン法よりはもっと高いはずです。少なくとも燃料の消費量はより精密に測定されているでしょう。距離も同様です。後は抵抗と運転(正確には変速とアクセル開度か)動作の誤差ですね。それでも+-5%はないと思います(正確には知らない)。30km/Lhの車で5%だと1.5km/Lの差ですから、これは無視しえないでしょう。
 そもそも5%燃費を向上させためにどれだけの労力を自動車メーカーは払っているでしょうか?スズキ自信も色々とやっているではないですか?それを誤差の範囲内だと言えますか?一連の会見の中でも何故このような測定にしたかの理由としてそういう燃費向上の努力もあげていますよね?

 0.xの単位まで表示していて誤差ですと言えるのは、私の間隔ではカタログ数値が変わらない程度、つまり、+-0.05未満です。燃費のカタログ値が30.0km/Lであったとすれば、その元になった数値は29.95から30.04の範囲内にある可能性はあっても良いでしょう。百歩譲っても0.xの単位の誤差です。5%では1.5ですから、これはもう誤差のは範囲を超えています。かりにそういうものなら表示は30.0ではなく、30であるべきです。それじゃあおざっぱ過ぎるというのなら、0.5単位でしょう。

 一度の測定に+-5%の誤差があるのなら複数回測定して中央値をとるとか、上下の値は捨てて、残りで平均値を取るとか何かしらの誤差を減らす(精度をあげる)方策が取られているはずです。それは「測定」の基礎・常識でしょう?細かくどういう方法を使うかは別にして、一度測ってはいおしまい、というのはあり得ません。小学校の理科の実験ならあるかもしれませんが、大学の研究室でそんなことをやったら怒鳴られるでしょう(おっと、今はこれはパワハラ?)。その結果出てきた値に対して、測定誤差が元々+-5%だから訂正する必要はない?本気でそう思っているのなら、廃業した方がいい。コンプライアンスの概念を持っていないし、ユーザーをなめている。少なくとも、燃費日本一を争う資格はありません。

 今回の発言は報道の誤りであって欲しいと思います。アルトエコの燃料タンク事件はあったとはいえ、その後は色々な燃費向上策を行ってきて(ちゃんと投資して技術開発して)いるスズキですから、そこまで駄目じゃないと思いたいです。

 なお、最初に示した記事の中で、MMCは高速惰行を使っていたから明らかな不正で、スズキは惰行方で測定をまったくしていない訳では無かったらセーフみたいに最後に書かれていますがこれは誤りです。こういう方法で測定しなさいという規定を守っていないという点ではまったく同罪です。「法律」とはそういうものでしょう?「法律」の定めがくだらないことは世の中いくらでもあります。また、MMCも換算式を使って惰行方の数値に近づけるということはやっています。誤差は知りませんが。だから、明確に数字を良くなるように操作した訳ではないですが、法定の測定方法を使わなかったという点でMMCもスズキもまったく同じです。
 更に言えば、MMCは腐った会社ですが、今回は誤りを認めて謝罪しています。それに対して鈴木会長は「善意でやったこと」だから処分は考えていないという趣旨の発言をしています。これも問題でしょう。もちろん、今回の事件でスズキが謝罪していない訳ではないですが、結果や経緯はどうであれ、よかれと思ってやったことだから処分しないと会長が会見の場で話すことは、問題意識が欠落していると言わざるを得ません。さすがの鈴木会長もこうなると老害です。

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