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2015年12月号の文谷先生

 軍事研究を読むのがまた滞っていました。なお。1月号は特に反論はないので省略します。

1/24/16修正
勘違いがあり、1月号と12月号と取り違えていたのでタイトル含めて訂正しました。

12月号:中国海軍の高度成長を阻む経済の崩壊 日米海軍は建艦競争で中国に圧勝

 趣旨には同意します。どんどん中国の脅威が増す、空母機動部隊も複数整備されると言っている人がいますが、本当にそうなるかは疑問です。
 中国の国防費は米についで世界第二位ですが、GDP比2%程度です(欧州主要国と同程度の割合)。アメリカが3%位。一般的な国防費以外にも国防支出はあるという意見もありますが、とりあえず、その位です。GDP比率で単純に計算すれば空母6隻程度なので、更にその2/3とすれば現在の国防費では4隻が限度でという計算になります。勿論、海軍や空母に集中投資すれば6隻の保有は不可能ではないとは思いますし、現在建造しているものは米の大型原子力空母よりは安いでしょうから、数だけなら6隻も可能だとは思います。
 とはいえ、人口と国内事情も考えれば、陸軍予算を劇的に減らすことも出来ないでしょうし、容易ではないと思います。それにそもそもそんなに空母が必要なのか(他を削ってまで整備する必要性があるのか)という疑問もあります。まさか戦前の旧帝国海軍のように対米7割必須とかあほなことは言わないでしょうし。米のように全世界に展開ということもしない(必要がない)でしょう。4隻あれば常時2隻(2個機動部隊)をすぐに投入可能に出来るでしょう。それでとりあえず十分ではないでしょうか?
 それも現在のGDPを維持出来ればの話です。もちろん、日本と違って成長がとまったといってもまだ鈍化しただけですからしばらくは成長を続けます。しかし、10年先、20年先に7%弱で鈍化、と言われるような成長を続けることは難しいと思われます。それを考えれば、6隻とかそれ以上ということはなく、3、4隻が限界ではないでしょうか?
 また今後整備される装備が高価格化していくというのもこれまでの流れから言って正しいでしょう。駆逐艦、フリゲートは全世界的にみて大型化していく傾向がずっと続いていますし(日本もアメリカも同様。ま、アメリカは途中でとまっている気がするけれど)、潜水艦もありえるでしょう。
 ですから、従来の用のどんどん大型化した上で数が増えるというのはどこかでとまると思います。という訳で、経済成長にともなって増強されてきたがこれからはそうはいかないという文谷先生の主張には基本的には同意します。

 ただし、問題点もあります。これから経済成長がとまりそうという中国が増えせず、既にほとんどとまっている日本が増やせるというのはおかしいでしょう。中国は既に述べたように今後もどんどん増額とはいかないでしょうが、陸から空海へ重点が移っていると思われますので、軍事費の総額は変わらなくても、海軍力だけ強化というのはあり得なくもないでしょう。そもそも日本が増えると言うならそれも総額は同じ中で配分を変えるおかげでしょう?なら、何故中国は同じことが出来ないのでしょう?その説明はありません。日本はゆき・きりの代艦を同じだけ建造出来るか疑問もあります。以前よりも高額化しているのは日本も同じです。
 中国の艦艇の価格の類推に米艦艇が使えるのかどうかも疑問はあります。時代も違いますしね。しかも、052C/D型OHペリー、055型がキッド級として価格が2倍というのは乱暴でしょう。どちらもスタンダード装備だったからそういう比較をしたのでしょうが、OHペリーはフリゲートで、キッドはスプルーアンス級駆逐艦を母体にしていて、船そのもの構造が違い過ぎます。アーレイバーク級とタイコンデロガ級に比定する方がまだましな気がしますが、まあ排水量はそこまで違いませんし、ぴったりあう米艦はないでしょう。しかも、その根拠の数字は、1970年代に検討していたスプルーアンス防空型が1975年度で3.3億ドルと見積もられていた、OHペリーは77年度で1.4億ドルだった、OHペリー級の低廉性を差し引いても、だいたい2倍になるって・・・なんの根拠にもならないでしょう。(^^;だいたい2倍と考えたけど根拠示さないとまずいなあと思ってひっぱった数字でしょうが、まったく根拠になっていません。
 ただし、055型が052系よりも高価になるのは確かです。それが1.5倍か2倍かはそもそも055型がどういうものかまだ良くわからないので何とも言えません。それらの価格を元に今後これ位になると色々書かれていますが、元になる価格の根拠が不明なので、余り意味はありません。

 話はそれますけれど、海自は汎用護衛艦をどうするつもりなのでしょうね。基本的に同じ性能の高額DDをそろえられないので、ハイローミックスで新型DE(とは言っていないか、高速だし)を建造するということでしょうが・・・。

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