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VWディーゼルエンジン問題

 既に色々報道されている訳ですが、最近見た以下の英文の記事はこの問題を見つけた技術者へのインタビューです。
http://www.bbc.com/news/business-34519184?ocid=socialflow_twitter
 興味深いのは元々、欧州仕様のディーゼルエンジンの排ガスがそれほど綺麗とは思えず、規制の厳しい北米仕様を実測して、そのデータを突き付けて、北米仕様でちゃんと出来るだから欧州仕様の排ガスも綺麗にしろよと要求するために実測したという点ですね。
 パサート、ジェッタ、それにBMWのX5の三車種を測定し、前二車でとんでもなく高い値が検出され、測定機器や測定方法の問題をまず疑ったもののX5は綺麗(値がはるかに低い)だったので、測定ではなく、車(エンジン)の問題だとわかりました。
 この結果を2014年にVWに送付し、VW側からは修正プログラムが提供されたようです。しかし、それを適用してもまだ高い値が出たため、今回の事態に至ったという経過だと証言しています。この証言が正しいとするとVWは遅くても2014年に問題を認識していたのは間違いありません(VW USの社長は2014年に認識したと公聴会で証言しているのと合致)。
 しかし、一度修正プログラムを提供したというのはこの記事で初めて知りました。これは非常に大きな問題です。問題を認識し、一度は何等かの修正をしようとしてそれでも駄目だったというのは、その修正プログラムは測定をすり抜けようとするものだったのではないかと疑ってしまいます。いずれにしても2014年の段階でVW自らが問題を公表(プログラムの不具合で排気ガスが汚くなっていました)していれば、ここまで大きな問題にならなかったかもしれません。それをしたかったが故に今やVWは会社存続の危機に立たされています。
 大げさ?いえ、そうでもないでしょう。今後のリコールに必要な費用だけでも莫大な額に上ります。対象は1100万台です。仮に一台1万円だとしても、1100億円です。プログラムの修正だけで済むなら修正作業そのものコストはたいしたことありませんが、案内やら引き取りなどなど付帯費用を考えれば少なくともその数倍でしょう。更にプログラムだけでは改善出来なず、インジェクターの変更が必要なエンジンもあるといっています。更に結果として、尿素を用いた浄化装置を追加する必用があるとかなると相当な額になりそうです。
 更に賠償が待っています。USでは当然にように既に巨額の損害賠償請求の訴えが起こされています。他の国でも当然あるでしょう。今回は単なるミスではなく、意図的な(悪意をもった)行為ですから、どれだけの額が請求されるかわかったものではありません。欧州や中国なども類似の訴訟はありえます。
 また、問題はなくて、ガソリンエンジンに類似の不正はないかと疑われることでしょう。VWの小排気量ターボエンジンは燃費が良いという評判ですが、それは果たして本当の実力なのか?そう疑われても仕方ないでしょう。現在の小排気量ターボエンジンの技術はディーゼルエンジンからのフィードバックだという話ですしね(苦笑)。当然、販売への影響も大きいでしょう。また、開発方針もディーゼルをあきらめてEVへ集中するという報道もあります。VWグループは世界一を争っていましたが、今後は大きく後退することは避けられないでしょう。当然株価も下落しています。
 そういう風に考えると会社存続の危機といっても決して大げさではないと思います。ポルシェ、ランボルギーニやベントレーなどで別グループを編成したのはこれを予期しての措置だったのかもしれません。

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