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文明崩壊 

 草思社文庫、ジャレド・ダイアモンド著、楡井浩一訳、「文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの」上下巻の感想です。「銃・病原菌・鉄」の続編とも言っても良いものでしょう。
 前作は、一部滅ぼされた文明の話もありましたが、基本的には、いかに発展したかを記述していましたが、今回は、過去に崩壊した文明はいかに崩壊したのかを説明しています。
 これも要約は簡単で、環境と判断により決まった、と言えます。環境は広義の環境と狭義の環境に分けられます。狭義には気候風土(寒い、温かい、雨が多い、少ない)という意味の環境を意味すると思います。広義の環境には他の地域との関係や外敵の圧力・脅威も含まれると思います。
 何故、文明が崩壊したのか?理由は簡単です。脆弱な環境で環境破壊を起こし、食料が不足して、存続出来なくなった、と著者は説明しています。これらの崩壊した文明は、近代科学文明ではないので、環境破壊といっても毒性のある化学物質や排気ガスなどによる「公害」ではありません。環境破壊は、森林を伐採し尽くしたり、陸棲動物・海棲生物を捕り尽くしたり、農地が侵食されたり、地力が低下して生産性が失われたり、水が不足したり、汚染されたりすることを意味します。
 その地域だけでは、人が生きていくのに必要な物資が全て調達出来ない場合には、近隣地域との交易により入手する必要がありますが、近隣地域も危機に見舞われ、交易する余裕がなくなったことにより、必要な物資が調達出来なくなるということもしばしばおきています。
 しかし、環境破壊及び元々劣悪な環境だったことが主因です。気温の変化、降水量の変化が生じた際にそれまでなんとか成立していたものが一気に崩壊したことも多いとしています。そして、環境破壊に対して、正しい対応行った場合には、存続し、行わなかった場合には滅亡したとしています。前作同様人種による優劣ではないとはしていますが、文化・伝統などその地域固有の考えが、結果として滅亡を助長していることはあるとしています。
 例えば、中世にグリーンランドに植民したノルウェー人はイヌイットを蔑視し、交易したり、イヌイットの技術を取り入れなかったため、最終的に滅亡しています。しかし、イヌイットはその後も生き残っています。これは、ノルウェー人はヨーロッパ人でキリスト教徒だから、イヌイットみたいな蛮族と交易したり、ましてやそれから学ぶなどということは出来なかったとしています。
 環境保護は人間が生きていく上で必要だとも強調しています。環境保護を重視する・実施する企業もあるとしています。これは企業の利益にかなうとしています。つまり、環境破壊がおきて、その莫大な復旧費用を企業に求められること考えれば、最初から対策した方が安いですし、先進国の消費者には環境保護に熱心な方が印象は良くなります。そういう理由で環境保護が企業の利益と合致するのです。
 もちろん、そうでない企業もあります。人間も企業もそうですが、長期的に見れば、環境保護が自分の利益に合致すると考えますが、短期的にしか見ないと環境保護は必要ない、余計なことと思えてしまいます。自分の生活だけ考えれば、自分が生きている間だけ考えれば、気にすることはないじゃないかと思えますが、自分の子供たちの世代を考えると必要だと思うようになるとしています。まあ、確かにそれはいえますね。
 だから、環境保護至上主義ではなく、それが自分の利益にかなうということを理解させることが重要であり、効果的だと考えられます。

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コメント

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投稿: Johnb901 | 2014年5月28日 (水) 19時35分

Very nice site!

投稿: Pharmb698 | 2014年6月 3日 (火) 16時34分

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