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1990年代の大石英司氏の作品:サレントコアシリーズ

 通勤時間が長くなったので、読書の時間が増えたのは良いのですが、電車なので文庫・新書サイズでないと読むのが難しく、予算の都合もあるので読み終わったからといってどんどん買う訳にもいかないので、昔読んだ本を読み返しています。
 で、たまたま本棚に並んでいた(箱の中に入ったままだったり、積み上げられていたりするのもたくさんありますが)中から、自由香港独立戦争(上下)を手にして読み、その前後のシリーズを読んでます。ざっと15年から20年前位の本ですが、人間の記憶力というのは曖昧で、ほとんど覚えていません(苦笑)。おかげで、新刊に準じて楽しめています。
 シリーズによっては、記憶に残っている度合いが異なり、まったく覚えていないシリーズもあれば、断片的に覚えているのもあり、また、局所的に良く覚えているが、他は全然覚えていないというのもありました。
 当時は近い未来(といっても、精々、5、6年程度か)の戦いという設定のものでしたが、今から見ると過去になっています。今でもこのシリーズには実際する新兵器と架空の新兵器が登場するのですが、当時は将来実用化されそうだったけれど、実際には実用化されなかったというような兵器もありますね。
 例えば、海自は、AAM-4ベースの対空ミサイルの開発を行おうとしていましたが、実際にはESSMが採用されてしまっています。また、OH-1ベースの攻撃ヘリという話もあり、それに相当する機体も登場していますが、実際にはOH-1すら少数の生産にとどまっています。
 97式装輪装甲車ファミリーが登場したりもしていますが、現実には、96式装輪装甲車が採用されただけで、戦闘車ファミリーにはなっていません。ただし、今後、作中の97式装輪装甲車ファミリーに近いコンセプトの車両の話は出てきていますが。もっとも、実用化はいつのことやらわかりませんが。また、海自の特殊部隊が違う名前(JAMSSS=海上自衛隊特殊サービス部隊:当時、創設されるという話はあったものの、正式名称が不明だったのでしょう)で出てきたりも。
 現実が追い越している面もあれば、そうでない面もあります。でも、得てして過去の近未来戦記を後で読むとなんだかなあーということになるのですが、サイレントコアシリーズではそういうことはありません。

 元々サイレンコアシリーズといってもパラレルワールドが多くて、一つの時間軸に沿った作品ではないのですが、読み貸すと前シリーズの結末とは違う世界なのに、一部の設定は引きついでいるという部分も見受けられます。
 例えば、吉村三曹の戦死は、後の作品で出てきますが、その世界はどうみても違う世界ですね。また、土門が登場後、同じ世界だとわかる環太平洋戦争とアジア派遣戦争(タイトルは違うものの、実質一つのシリーズ)の最後で負傷して、その世界ではサイレンコアから離れていると思われますが、後のシリーズでは、負傷無く、登場しているものの、登場した状況は同じようです。逆に最初に読んだ自由香港独立戦争では、サイレンコアそのものは登場しないものの、負傷後、アナリストになった土門が登場しています。
 また、中国や北朝鮮も何度か大きな体制変化が起きていますが、後のシリーズではそういうことにはなっていないというのもあります。
 普通なら矛盾している!と突っ込むところですが、元々、同じ世界の一つの世界だとは言っていませんから、サイレントコアシリーズは、同じキャラが登場するそれぞれが完結したシリーズの集まりというべきなのでしょうね。原油争奪戦争(上下)のあとがきにサイレントコアシリーズは、アジア派遣戦争で終わりにするはずだったが、要望により復活したと書かれていました。そのために戦死した人物などが復活したりしているとも。すっかり忘れていました。なるほど、だから、自由香港独立戦争には土門は出てきても、サイレントコアは出てこないのですね。つまり、アジア派遣戦争がパラレルワールドの大きな分岐点ですね。
 読み返していると細かいミス(名前の書き間違い)などにも気が付きます。下士官の戦闘機パイロットは空自にはいないと思いますが、話の都合か登場したり、ストライクイーグルを装備した部隊がいるのにわざわざイーグルパイロットを乗せてみたりなどなど、気になる部分もあります。とはいえ、いかにもそれらしく見せていますね。
 さて、まだまだたくさんあるので当分楽しめます。(^^)

 

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