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画龍点睛を欠く

  フォーカスの内見試乗会の案内がきていたので、お天気は下り坂でしたが、まあ、本格的に荒れるのは夕方前からだろうと思って行ってきました。あらかじめ連絡して時間を確認して(試乗出来る)行きましたが、天気が崩れきていたせいか、道路がすいていて、予定よりも早く到着しました。
 たまたま、前の試乗が早く終わっていたので、そのままさっそく試乗させてもらいました。シートはいつものようにほぼ一番低くしてから後を合わせましたが、問題なくあいました。ただ、普段よりも少しバックレストを寝かせ気味になってしまいましたが。足元は左足ブレーキも問題ありません。ややリアガラスの面積が狭いですが、後方視界が悪いというほどではありません。左右も特に問題はありません。まあ、体は車に埋もれ気味ですけれど。
 エンジンをかけると今時の車らしく静かで振動もほとんど感じられません。さて、Sレンジ(マニュアル操作するため)に入れてサイドブレーキを解除して発進。敷地から道路へ左折して出るのですが・・・あれ?ワイパー動いてしまった。あ、そうか、この車はウインカーは国産車と同じで右でした。(^^;まあ、雨は降り出していたのでどうせワイパーを動かす必要はあったのですけれど。(^O^;
 敷地から道路に出たら・・・うーん、まあ、良好、です。感動までではいきませんが。発進はがさごそ感はありません。トルコンに近い感じ。というか、V40と似ています。
 走り出すと乗り味は硬めです。フォーカスとしてはもっともスポーティな仕様(STなどは別にして)ですから、これはこういうものでしょう。試乗コースはクーガの時とほぼ同じですが、後半違います(前回は渋滞していたので通常の試乗コースと違う道で戻ったため)。で、前回、タイヤの重さを感じるなと思ったのですが、実はこの試乗コース、結構路面が悪いことがわかりました。前回とは逆方向からお店へ行ったのですが、結果的に試乗コースの1/3程度をルーテシア(雨だったので)で走りました。ルーテシアは盛大にゆれまくり、実はクーガは極めて安定していて、乗り心地は悪くなかったということが分かったのです(苦笑)。それと比べるとフォーカスはタイヤの重さなどは当然感じません。時々、リアがややばたつく感じがしますが、多分、路面のせいです。ルーテシアとの比較で言えば、乗り心地は良好です。最良とまでは言えないかもしれませんが、何せ、試乗コースはそれぞれ違いますので、同じ場所で乗り比べないと正確にはわかりません。でも、やっぱり全体的にタイヤを含めてスポーティに振り過ぎている気がします。V40やAクラスと同じです。ある程度、乗り心地は犠牲になっています。タイヤは225/50R17ですから、V40(225/45R17)よりもややタイヤは厚く、Aクラス(225/40R18)よりも厚いです。三車の中で見れば一番乗り心地は良いかもしれません。ただ、前述のようにリアだけのばたつきはV40、Aクラスでは感じられませんでした。ノーマルサスペンションで、16インチか15インチのタイヤだともっと角が丸くて乗り心地は良いのではないかと思います。柔らかくすると乗り心地が悪化することもありますが、この車なら大丈夫でしょう。
 エンジンは低いギヤで回してみましたが、予想よりもずっと良かったです。音も結構良いですし、回転フィールも良いです。それでいて低速からちゃんとトルクは出ています。今時珍しい2LのNAエンジンですが、これは大当たり。私は好きです。無論、もう1000回転ほど回せると良いですけれど、まあ、スポーティではあっても、スポーツカーではないので、これはこれで良いのでしょう。実用車系のエンジンとしては良好です。やはりNAは良いです。
 ブレーキも良いです。急に制動力が立ち上がることもなく、非常に使いやすいです。停止する時にも意図的にじわっと踏力を抜かなくてもカックンブレーキになりません。最近試乗した車の中ではブレーキは一番良いように思います。
 面白かったのはワイパー、左右が逆方向に互い違いに動きます。そういえば、欧州車では昔はこの方式が多かった気もしますが、最近では珍しいような?もっとも、普通の試乗ではまずワイパーを使うことはないので(ウインカーと間違えて操作しない限り)、我が家にやってこなかった車の中には今でもこの方式が多いのかもしれません。で、そのワイパーがちょっとぎこちない気がしました(苦笑)。でも、愛嬌があって良いです。リアワイパーは普通です。
 シートは良好。手動ですが、ランバーサポートもあり、腰の後ろ側が痛くなったりもしません。サポートも良好ですし、がちがちのバケットではないので、座面も硬すぎず柔らかすぎずちょうど良いです。気になるところはありません。欧州車だからシートが良いとは限りませんが、これは良いです。
 全体として、仕立てはスポーティです。まあ、今の欧州のトレンドそのままでしょうね。あちらで登場した順番から言えば、フォーカスの方がAクラスやV40よりも先ですから、この三代目フォーカスからこのトレンドが始まっているのかもしれません。やや乗り心地は犠牲になっている気はしますが、快適性は十分ありますから、問題になるほどではないです。
 さて、敢えて後回しにしていたことがあります。それはトランスミッションです。V40と同じ6速DCTで、発進の感じからいってもV40と良く似ていますので、恐らく中身は同じものでしょう。元々は同じフォードグループでしたから。応答速度はDCTらしさはありませんが、実用車としては十分な速さですし、フィーリングも問題はありません。ただ、停止する時に2速から1速に落とそうとしたものの落ちなかったことが何度かありました。これはV40ではなかったので、全てが同一という訳ではないかもしれません。
 しかし、問題が一つだけあります。それはマニュアル操作する時に使う変速スイッチです。フォーカスは良くあるシフトレバーを前後に動かして変速するのではなく、シフトレバーについてるスイッチを操作します。これが問題です。別に応答速度が遅い訳ではありません。あくまで問題はスイッチの操作そのものです。シフトレバーであれば、手でポンと前や後ろに軽く動かせば(はじく感じ)でよいのですが、このスイッチではそうはいきません。スイッチだけをポンと操作するのは難しいので、操作するには一度シフトレバーに手を添えてそれから親指でボタンを操作する必要があります。結果的にどうなるか?街中(=頻繁に変速操作を行う)では、左手はシフトレバーを持ったままになってしまいます。変速操作をする時にシフトレバーを持っていないといけない時間が長いからです。シフトレバーの操作ならポンとはじくように操作してまたステアリングを持てば良いですが、この方式だとポンとスイッチだけを操作出来ませんから、左手をステアリングに戻してもまたすぐにシフトレバーに手を動かす必要があります。結果、ほとんど左手はシフトレバーの上です。
 実際にはほとんどのドライバーはDレンジに入れたまま走るでしょう。マニュアル変速操作するとしても、エンジンブレーキを効かせたい時位でしょう。だから、この操作方法でも100中99人・・・いや1000人中999人・・・もしかすると10000中9999人は不満を感じないかもしれません。
 しかし、私は4ATでも、Lで発進して2に入れて・・・という運転をします。マニュアル変速操作が出来れば、1速から全て自分で変速操作します。そういう私にはこのスイッチは最悪です。無論、マニュアル変速操作することが出来ないよりはましですが・・・・。
 車自体は良く出来ています。スポーティな仕立てで、やや乗り心地は犠牲になっていますが、走り自体はもうほぼスポーツカーと言っても良いでしょう。Aクラス、V40と比べても走りはもっともスポーティ、それでいて、実用性や快適性も十分持ち合わせています。しかし、それをこの変速スイッチが全てをぶち壊しています。10点満点中9点の車で、マイナス1点はこの変速スイッチだけです。しかし、このマイナス1点は単なる1点では過ぎません。このマイナス1点だけで乗る気が失せます。先日見た際に駄目かなと思いましたが、実際に操作してみたら違うかもとも思いました。しかし、実際にはまったく駄目です。最低最悪の変速スイッチです。私意外の人ならなんら問題はないでしょう。Dレンジで走るだけならスポーティな良い車です。でも、私には駄目です。
 もし、パドルがついていたら?フォーカス追加導入決定だったでしょう。もし、MTだったら?もちろん、追加導入決定でした。しかし、この変速スイッチでは駄目です。他が10倍、100倍良くなってもこの変速スイッチでは買いません。フォーカスには期待が大きかっただけに失望も大きいです・・・。たった1点・・・。せめて、2代目フォーカスのようにシフトレバーを前後に動かす方式だったら・・・。

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