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日本の「情報と外交」

 書くといってそのままになっていた、孫崎 亨著、PHP新書、「日本の「情報と外交」」の感想です。著者は外務省のキャリアで情報畑を歩いた人です。元々この本を買ったのは帯に日本は尖閣諸島を守れないうんぬんとあったためなんですが・・・それに関する記述はわずか2ページ。しかも序文として昨今の状況を踏まえて書かれた宣伝に過ぎませんでした(苦笑)。帯の文章を引用すると「現在の尖閣問題をめぐる日本の世論や識者たちの論調を眺めると、悲しいかな、またしても「いつか来た道」をたどろうとしているかのように見える。中国が有する軍事力を客観的に評価しようとする試みはほとんどなされていない。その一方で、「日本がその気になれば中国に勝つのは簡単」といった論調が散見される。 しかし、これが、いかに目先の一手しかかんがえていない浅はかな考えかということは、戦闘レベルの問題を考えてみれば、容易にわかることだ。」です。それでどういったことが書いているのだろうかと思ったのですが、その内容は、別に目新しいものではなく、全面戦争になった勝てない、なのに相手を過小評価して勝てると吹聴するのが多いというもの。そんなの当たり前でしょう。勝てるといっている人にしても、あくまで尖閣諸島での局地戦を想定しているのであって、全面戦争は想定していないでしょう。何か私の知らないことが書かれているのかと思ったのにがっかりしました。
 ただ、「情報」について(インテリジェンスという方がいいかもしれません)の本書の価値そのものはあります。過小評価により失敗の実例を示し、後から考えれば察知出来たはずのことが察知できなかった実例を示し、何が問題でどうすべきだったかを示しています。また、情報への接し方、集め方などについても述べられています。これらは教育には有益だと思います。
 情報を上げる時、短くまとめて、忙しい人に読んでもらえるようにすべしというのは必ずしも情報収集活動だけではなく、普通の仕事をやる上でも役に立つ話です(まあ、目新しいことではありませんけれど)。なので、本書の内容は色々と参考になります。
 ただ、一つ問題があるとすると、著者は自身の実績を述べていません。意図的なのか、実際誇るような実績がなかったのかはわかりませんが、そこが、例えば、佐藤優氏と違います。なので、説得力に欠ける面があるのは否めません。極端に言えば、学校の先生としては優秀かもしれませんが、情報マンとして本当に優秀だったのか?に疑問を感じます。
 もっとも、職人的に優秀な人は、平均的人間の手本にはなりませんから、教育・訓練によってある水準にまでに引きあがるという役割であれば、著者の方が佐藤優氏よりも優れているのではないかと思います。名選手は必ずしも名監督ではありませんから。
 それでも、おお、そうだったのか!、すごいなあ!と思える部分がほとんどないのは、読み物としては爽快感に欠けます。やはり教科書的です。
 うーん、感想が短いな。まあ、仕方ないですけど。突っ込むところが多々あるという訳ではありませんから。

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