« 車関係色々 | トップページ | 多数の小型空母と少数の中大型空母 »

動乱のインテリジェンス

 佐藤優、手島龍一著 新潮新書「動乱のインテリジェンス」の感想です。

 楽しく面白く読める本です。対談形式なので、さくさく読めます。内容は同意できる部分できない部分ありますが、同意できないにしても参考になります。

 ただ、これは許せないというか指摘したいのは、中国の空母に関した話の中で、空母を3隻以上運用したのは日米だけ、英国は数はあったがほとんどが小型の改造空母だったという部分です。細かい話ですが、英国ファンの空母派としては見逃せない誤りです。まず、英国に改造空母が多かったか?確かにWW2前の空母は改造空母が多いです。ハーミーズを除けば、フューリアス、カレジジャス、グローリアス、アーガス、イーグルは全て改造空母です。アークロイヤルから新造が再開されます。ただ、ハーミーズとアーガス(排水量はそう小さくない)を除けば小型ではありません。搭載数は少ないですが、2万t前後です。
 当然ながら、イラストリアス級は準同型含めて6隻建造されています。これはほぼ翔鶴型に相当する空母です(前期型の搭載数は少ないものの)。この事実を無視して、英国空母は小型の改造空母が多く、本格的な空母を3隻以上運用していないというのは明らかな誤りです。WWII前頃から終戦までに日本が新規に建造して空母として実戦に投入できた中型以上の空母は、5隻(蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴、大鳳)です。雲龍以降は完成はしても空母として実質的には使っていません(運用していない)。英国は前述の通り7隻です。
 また、戦後もVSTOL空母と言えインヴィンシブル級を3隻建造して運用しています。お金が無くなって次第に減っていってとうとう今では現役は皆無になってしまい、代艦もなんとか2隻建造(でも、このままと運用は1隻のみ)になってしまっていますが。
 もっとも、趣旨は空母は1隻だけあってもしかたないということですので、それは間違いではありませんが。

 後は、実際に読んでいただいた方が面白いと思うので、余りふれませんが、鳩山元首相のイラン訪問にかなりのページをさいています。そして、これはイラン側にはめられたと評価しています。

 また、先日の北朝鮮の衛星打ち上げ=弾道弾実験。早期警戒衛星情報がもたらされたのに発射と確認できず、発表も出来なかった件についてサードパーティルール(情報を第三者へ渡す場合、提供元の同意を得る必要がある)によるものではないか、そういう風に説明すればよかったとしていますが・・・それは考えすぎではないでしょうか?それほど機密性が高い情報ではないと思います(熱源探知により、発射したと思われる、という情報だけなら)。これは単に想定が甘くて、対応できなかっただけではないかと思えますが・・・。まあ、わかる人にはわかるだろうから、わからない人向けにサードパーティルールを説明したかっただけかもしれませんけれど。
 ただ、もし、それが事実だとすると先日のUAV国産の話とつながりますね。まあ、いずれにしても、レーダーで探知できなかったので、確認出来なかった、ということには違いはないでしょうけど。

 もう一つ、手島龍一氏があるTV番組で、田母神元空幕長が核武装を主張するの対して、今、日本に核があれば誰がそのボタンを持つのかと指摘して、すみませんといわせたというのは笑えます。まあねえ、ポッポーとかイラカンが核のボタンを持つなんて・・・・そりゃ恐ろしいです。政治家がまともにならないと日本の核武装はありえないともいえますね。

|

« 車関係色々 | トップページ | 多数の小型空母と少数の中大型空母 »

戦史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 動乱のインテリジェンス:

« 車関係色々 | トップページ | 多数の小型空母と少数の中大型空母 »