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「特集ミッドシップは本当に理想のレイアウトだったのか? Part 3:Toyota MR2 Prototype 国産初の量産ミッドシップに懸けた夢」への疑問

 今回は、また雑記の記事への疑問です。

 カーマガジン 2012年7月号(通算409号)の特集「ミッドシップは本当に理想のレイアウトだったのか?」の中の「Part 3:Toyota MR2 Prototype 国産初の量産ミッドシップに懸けた夢」に対する指摘です。この記事を書いたのは沢村慎太郎氏です(パートにより著者は違います)。

 記事そのものは大歓迎です。AW11は世界一!と主張している私には実にうれしい記事です。私が知らないことも書かれているので良かったと思います。プロトタイプの全高が1175mmで量産型よりも75mm低かったとか。でも、写真を見ると余り変わらないように見えますが・・・。ある程度は最低地上高の差だったのかもしれません。

 ただ、内容にいくつか疑問があります。いずれも記事本文ではなくで、写真脇の説明文なので沢村慎太郎氏ではなく、編集部が書いた文章かもしれません。
 37ページのリアトランクに収められた燃料タンクの写真の説明文に「市販型MR2ではキャビン中央を前後に走るセンターコンソール内に燃料タンクが収められるというデ・トマソ・ヴァレルンガやロータス・ヨーロッパ流のレイアウトが採用されたが」という部分です。
 ヨーロッパはそこにはバックボーンフレームがあり、燃料タンクはエンジンルームのキャビンの後ろ、エンジン脇に位置しています(S2までは1個、ツインカムとスペシャルは左右に2個)。スペシャルに乗っていましたので100%断言できます。もしかするとS1は違ったという可能性は0ではありませんが、そこまでの大改造をしたとは思えません。
 デ・トマソ・ヴァレルンガは実車は一度見たことがあるだけですので、断言は出来ませんが、
http://cgc5081.cocolog-nifty.com/cgc5081/2010/08/post-1c9e.html
 この写真を見る限り、燃料タンクはフロントです(914/911などと同じ)。

 量産車でAWと同じ燃料タンクの配置の車は存在するとは思いますが、明確にこれが同じというのは私は知りません。少なくともヨーロッパは違うのは明らかです。

 もう一つも写真の説明文です。39ページの上中央のタイヤの写真の説明文にちょっと長いですが全文引用すると「重量配分がリア寄りになるミッドシップにおいて、前後とも同じタイヤサイズを装着するケースは珍しい。MR2でもAW11は前後同サイズの185-60R14とされ、独特のアンダーステアを生む遠因ともなった。」
 X1/9も前後同サイズ(全てのモデルかどうかは確認できていませんが)です。まあ、少数派かと言えば、その通りでしょう。問題が、それが独特のアンダーステアを生む遠因になっていたかどうかです。そもぞもそこに書かれているように何故前後違うサイズを使うかと言えば、リアが重たいからで、普通のミッドシップは簡単に言えば、前より後輪が幅が広いです。AWの場合、前後同じですから、どちらかと言えば、後輪が役者不足だと解釈出来ます。しかし、アンダーステアということは前輪が役者不足なはずです。エリーゼはS2でS1と比べて前輪を細くして相対的にアンダーステアにしています(オーバーが出にくくした)。
 本文中で39ページ中央で「そのパワーに対して後輪を前輪よりも太くしてマージンを稼ぐことを提案したが、スペアや保守部品対応の混乱を恐れる販売店サイドからの反対に遭い、オプションでもいいからと粘る吉田と激論の末、それは否定されてしまった。」と記述されています。これからすると、185/60R14よりも後輪を太くしたかったと解釈出来ます。マージンを稼ぐことをという点からしても、これはオーバーステア方向へいくのであって、アンダーステアを生むとは思えません。
 185/60R14の後輪で十分なマージンがあったとすると相対的に前輪には太すぎるということになります。そして少なくともNAのAWでは、リアタイヤが滑ることはまずありません。でも、そうだとすると、リアに十分なタイヤがフロントで滑るというのはおかしくありませんか?アンダーステアを解消するためにはAW11はフロントを太くしないといけなくなってしまいます。
 考えられるのは後輪のマージンが不足していたのでアンダーステアにしつけたというものですが・・・・そもそもタイヤがどうであれ、量産ミッドシップはアンダー方向にしつけられています。アンダーがどれだけ弱いかは、車により違いますが。例外はエリーゼのS1位でしょう。この車はほぼニュートラルになっているので何かあるとすぐにオーバーが出ます。でも、私が所有した他のミッドシップはいずれもアンダーでした。
 後輪のマージンが不足しているから、アンダーにしつけたとして、独特のアンダーステアとはどういうものでしょう?もちろん、AW11が独特のアンダーステアであることは明かです。しかし、この説明文を書いた人の「独特のアンダー」が私の知っている「独特のアンダーステア」と同じかどうかはわかりません。AW11は、昔からよく言われるように確かにアンダーステアが強いです。フロントタイヤから滑り出すのは明かです。ただ、そこからステアリングを切り込んでいくと車自体は曲がっていきます。SWだとフロントタイヤが滑り出すと車自体もアウト側にはらんでいきます。ビートも同じです。私が所有した車で、アンダーでてから切りますと車が曲がっていくのはAWだけです。いわば、逆ドリフトです(笑)。普通のドリフトはリアを滑らせて曲がっていきますが、AWはフロントを滑らせて曲がっていきます。
 それでも後輪は破綻しないので、リアが弱いからセッティングでフロントを更に弱くした車、には思えません。もし、そうなら、そこまでいけば、後輪がグリップを失ってオーバーへ移行するはずだと思います。写真の説明文とはいえ、どういう意味は理解しにくいのでもっと説明があるべきだと思います。

 なお、何故か、Part 3が二つあります。続けて、「Part 3:Toyota MR2ついに走り出した僕らのミッドシップ」という記事(こちらは沢村氏ではない)があります。まあ、どちらもAWについての記事ですが、何故Part 3が二つあるのかはよくわかりません。書かれていること自体は概ね同意出来ます。AWの音は最高です!街中走っていても、楽しいのはやはりこの音でしょう。今の車には出せませんね。ここで1型と3型が二台でていますが、売り物だそうです。写真で見る限り、我が家の白爺よりもずっと綺麗に見えますね。59万円。調べたら1型はもう売れたみたいですが、3型は残っていました。走行距離は10万km弱。買い換えてやろうか・・・なんてね、そんなことはありません。あるとしたら、エリーゼの代わりにAWがもう一台(笑)。 

 それから特集記事本体ですが、「ミッドシップは本当に理想のレイアウトだったのか?」というような記事はありませんでした(苦笑)。普通、こういうタイトルをかかげたら、負の部分について色々書くと思いますが。まあ、私はミッドシップ万歳なので良いですけれどね。ただ、カウンタックのスペック、いい加減、昔の実際とかけ離れた値を使うのはやめた方が良いと思いますが。

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