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116i スポーツとジュリエッタ スプリント試乗

 似ていないようで似ている二台です。どちらもCセグメントですが、王者ゴルフに真っ向勝負ではなく、プレミアムを売り物にして、価格は高め、その代わり装備も充実でゴルフよりもスポーティなイメージで売る車です。どちらも最廉価グレードがゴルフの松に近い価格設定です(116i:308万、スプリント:318万、ゴルフ コンフォートライン:289万、ゴルフ ハイライン:329万)。
 1シリーズは今回は1.6Lの直四ターボで、116iと120iで出力は違うものの基本的には同じエンジンです。DCTではありませんが、このクラス世界初の8速AT。ジュリエッタも1.4Lの直四ターボの6速DCTが基本で、最上級グレードだけ1.75Lの直四ターボのMT。

 まずはBMW。3シリーズも直四ターボの新型が発表され、ほとんどが直四化されてしまい、直六は3Lターボのみになり、NAは無くなります。BMWの直六にも縁が無かったです。残念。まだ、今なら325の在庫はあるのかもしれませんが・・・お金ありません(苦笑)。
 まあ、性能は1シリーズと同様に向上しているでしょうし、商品性は上がっているのでしょうけれど、NAにこだわりがある私としては残念です。
 さて、その新型1シリーズにようやく試乗出来ました。試乗車は116iのスポーツです。といっても、Mスポと違って内外装がちょっとスポーティな感じになっているのとシートがスポーツシートになっている程度です。標準グレードが308万に対して、318万です。
 シートの調整方法がマニュアルだといまいちですが(バックレストの角度調整がダイヤルではないし、高さ調整がおしりを持ち上げてからレバーをひくと上がってくるので、下げるなら体重で押し下げる必要がある)、これは電動シートにすれば解決出来ます(120は標準、116も営業氏いわく、オプションの装着率高いとのこと)。また、調整してしまえば、ポジションは合います(調整幅は広い)。シートも低いです。
 ただし、FRなのでペダルは右側へオフセットしています。ブレーキペダルを右足で踏んだ状態の右足の位置が私にとってのアクセルペダルを右足で踏んだ時の位置です。また、アクセルがオルガン式なので足首がやや疲れます。
 とはいえ、問題がある、運転出来ない・運転が辛いというほどではありません。慣れれば多分問題はないでしょう。BMWは概してポジションはうまくあいます。

 さて、発進・・・と行きたいのですが、今回はここからが難しいです。まず、キーを差し込む場所がありません。はて?と思ったら、キーは持っていれば良く、後はスタートボタンを押すだけでエンジンはかかります。今回は試乗でしたが、自分で所有しているのならキーは鞄なりポケットなりに入れたまま取り出す必要がないという訳です。今では珍しくもない装備ではありますが、私はキーを差し込んで回す車ばかり乗っているのでなじめません。

 さて、今度こそ発進・・・あれ?なんだ、このシフトレバー?ええっと、プリウス式と言えば良いのでしょうか。レバーの位置は変わらず上下に押すとまた中央に戻ってきます。それでPNDなどと変わるのですが・・・今どこにいるのかは表示を目で見ないとわかりません。うーん、私は古くさい人間なので、物理的な位置が変わる方がいいです。ちょっと慣れれば見ないで操作出来ますから・・・。

 幸いサイドブレーキはついていますので、サイドブレーキを解除して発進。敷地から道路に出たら・・・あれ?なんか柔らかいぞ??走り出しても、全体的に足は柔らか目です。ガツンガツン来たりはしません。デビュー直後の120i(先代1シリーズ)に試乗した時と大違い。あの時はガツンガツン、ドンドンと始終上下に揺さぶられ続けて試乗で疲れ果てましたが、今回はその逆です。ランフラットタイヤの熟成が進んだのもあるのでしょうけれど、これならタイヤはもう普通のに交換したいとは思いません。
 が、しばらく乗ると今度は柔らかすぎるように感じてきました。当たりは優しいのですが、収束がやや遅く、路面が悪いと今度はゆらゆらぶるぶるというような動きが続きます。エリーゼと逆ですね。エリーゼは、ガツン、ガツンとそれぞれの衝撃は大きいものの一発で収まりますが(S1と比べてS2だと残る場合もあるけれど)、116iは、ガツンとこない代わりには二次、三次振動が小さいものの残ります。
 うーん、乗り心地は悪くはないですが・・・良いとも言いがたいです。従来は硬さが気になることが多かったBMWですが、今回は柔らかさが気になります。
 操作性はやはり左足でブレーキは踏みにくいですが、それ以外は特に問題はありません。ああ、ウインカーがシフトレバーと同様に押すとすぐまた元に戻るタイプですが、これは最近のBMWに共通したもので、116iだけの問題ではありません(好みではありませんが)。
 8速ATですが、ここまで段数が増えると私みたいにマニュアル操作で走らせる人間には忙しすぎます。もちろん、1350回転から4000回転で220Nmの最高トルクを発揮するエンジンですので、こまめに変速しなくても問題なく走りはします。が、低回転を保ってエコ運転すると忙しいです。そしてパドルがついていないので、左手はほとんどシフトレバーの上で、ステアリングは右手だけで持っている状態が長くなってしまいます。これは是非ともパドルが欲しいです。120iでもついていませんし、現状オプションもありません。数ヶ月後にMスポーツパッケージが追加されるそうですが、それにも付かないそうです。3シリーズはオプションでパドル付きを選択出来るそうですが・・・・。
 エンジン自体は・・・何も印象に残っていません。問題は特にありませんが、エンジンそのもの何か魅力を感じるというものでもありません。BMWとは思えません。悪いとは言いません。良くできたエンジンでしょう。が、うーん、これじゃまるでゴルフ。
 それからアイドリングストップ機能がついていますが、試乗中、一度もエンジンは止まりませんでした。暖まらないと止まらない車もあるのですが、116iの場合、マニュアルモードだと止まらないとのこと。あらま、じゃあ、仮に我が家にやってきたら、私が運転する限りは一度も止まらないのですね(苦笑)。オフ出来るようにして(確認しませんでしたが、多分、今でも出来るはず)、マニュアルモードでも止まるようにすればいいのに。
 全体を通して、好みの問題(スタートボタンやシフトレバー、ウインカー)を除けば、欠点はパドルが無いこと位です。通常Dレンジで運転する人にはそれも問題にはならないでしょう。しかし、116iならではの魅力は何かと言われると返答に窮します。プレミアムCセグメントの自動車として商品性は高いでしょうし、性能にもなんら問題ありません。日本で公道を走る限り、120iは必要ないでしょう。装備で追加したければ、116iでもほとんどはオプションで選べます。ですが、これは他にない、というのが感じられません。
 トヨタみたい・・・というよりはゴルフみたいというべきでしょうか?BMWらしくないのが唯一の欠点と言えるかもしれません。ただし、以上は街中の短時間の試乗での印象ですので、高速巡航やワインディングを走らせれば、BMWらしさが出てくるのではないかと思います。
 どうせパドルは無いのなら、我が家には116iで十分です。シートは標準やスタイルのものよりも、スポーツの方が好みに合うので、スポーツか標準グレードにオプションでスポーツシートを追加することになるでしょう。電動シートにも出来ますし、営業氏の話だと電動シートのオプション装着率は高いそうです。まあ、これはBMWの高さ調整がやりにくいこともあるでしょう。

 次はジュリエッタです。2010年の夏にクラシックカーのイベントで参考展示されたのをみてから、一年半経過してやっと日本に導入されました。試乗車はこれまた最廉価グレードのスプリント。といっても、装備は充実していて、上位グレードと比べて落ちるのはヘッドライトがハロゲンで、パワーシートでない位です。Cセグの車としては充実していると言えるでしょう(国産車はHID標準または安価なオプションであることが多いですが)。
 エクステリアは116iよりも個性的で魅力的に思えます。ボディサイズは似たようなもので、ゴルフよりもやや大きいです。インテリアも質感もまずまずで、ユニークさを感じます。この辺はさすがアルファ。BMWも質感は高くなっていますが、デザインはアルファに負けます。ただし、カーナビは余り考慮しておらず、純正オーディオは格好いいですが、ナビをつけるとパネルごと交換だそうです。まあ、そうすれば2DINのナビが付くので、ルノーなんかよりはましですが。
 ただし、細部の作りを見ると、ドア上部のモール部分が前ドアと後ろドアであっていない(直線になっていない)とか、あれ?という部分もありますが・・・。こういうものなのか、製造上の問題なのか判断尽きませんが・・・。

 ポジションは問題ありません。FFなのでペダルがやや左へオフセットしていますが、私にはそれでちょうどいいです。ブレーキも左足で踏みやすく、もちろん、右足で踏んでもなんら問題はありません。シートもまずまず。
 キーは普通で差し込んで回すタイプです。ほっとします(笑)。シフトレバーの2ペダルの普通の車。残念ながらスプリントにはパドルがありませんので、シフトレバーで操作する必要があります。116iと同じ。まあ、ゴルフも松にはついていますが、梅や竹にはありません。
 さて、発進。DSGと比べるとアルファのTCTは、がさごそ感が少ないです。敷地から道路へ出たら・・・あー、硬いなあ。116iと比べるとかなり硬めです。ただし、トーションビームのMiToのようにゆさぶられはしません。その後も全体的に硬めの印象を受けました。路面が荒れていると相応にガツガツきます。とはいえ、一番おとなしいスプリントでタイヤも205/55R16ですから、ガツンガツンはしませんし、リアだけばたばたはしません。硬めですが、乗り心地が悪いというほどではありません。とはいえ、スプリントでこれだと、コンペティツィオーネ(225/45R17)やクアドリフォリオ ヴェルデ(225/40R18)は、街乗りだとややきついかもしれません。
 TCTはいい感じです。DNAのNでも変速速度は十分で、逆にDにしても街中の短時間試乗では差はわかりませんでした。6速でDSGや116iと比べるとギヤの段数が少ないのですが、マニュアル操作で乗る分にはむしろ忙しすぎにちょうどいい位です。
 操作性、ステアフィールなどなども特に問題はありません。エンジンの動力性能も十分。ただし、まだ新しい試乗車で試乗コースも余り引っ張れる場所がなかったので、上まで回せませんでしたし、音は普通でした。
 こちらもアイドリングストップ機能付きです。そして、試乗開始して最初に信号で止まった時にエンジンも止まりました。マニュアルモードでもちゃんと止まります。ここはアルファの勝ちです。ただし、ブレーキを踏んでいると止まり、離すと始動するので(これは2ペダルの場合、極普通の動作)、発進の際にどうしても遅延が生じます。これは感覚的なもので、実際にはそれで出遅れるという訳ではありませんが、ブレーキを離してアクセルを踏んでから、少ししてから動きだします。MTだとクラッチを踏み込んだらかかるので、ギヤを入れてクラッチをつなぐ間に完全にエンジンは始動しているので遅延は生じません。実際には2ペダルの方が車自体は早く動きだしますが、MTは通常の動作の中で始動するので感覚的な遅延が生じないのです。まあ、これは、慣れと言えば慣れでしょうね。横の信号が赤になったらブレーキペダルを離して、自分の信号が青に変わったらアクセルを踏めば良いでしょうから。渋滞中なら前の前の車が動きだしたらブレーキを離して、前の車が動きだしたらアクセルを踏めば良いでしょう。とはいえ、やはりMTの方が親和性は高いと思います。これはジュリエッタに限らず全てに共通する話です。

 116iよりも感想が短いですが、気になる部分も少なかったと言えます。乗り心地は人により評価は分かれるでしょう。116iの方がスプリントよりも快適だと思う人が多いかもしれません。私は・・・わかりません。どちらももう少し長く、もう少し色々な路面を走らせてみないとどちらが良いとは決め切れません。
 いずれにしても、ジュリエッタも大きな欠点はなく、商品性は高いと思います。ま、価格も高いのですけれど。ただ、パドルがないことと、2ペダルで相方も運転することを考えるとコンペティツィオーネが良さそうです。パドルがついて、メモリー付きの電動シートで、シートヒーターもつきますから。サスペンションも設定が違うようで、タイヤも薄くなるので乗り心地は悪化しそうです。まあ、とはいえ、225/45R17なので、極悪な薄さではありませんが・・・。ただし、358万と値段が40万も高くなってしまいます。ここは悩ましいですね。

 なお、試乗車はありませんが、MTのクアドリフォリオ ヴェルデの展示車もありました。座って触って見た限りは、一部雑誌などで言われていたクラッチの操作のしにくさは私は感じません。左側へオフセットしているので、フットレストは使いにくいですが、エリーゼと同じようなものです。あくまで静止状態なので、実際にはわかりませんが、MiToよりもシフトフィールはよさそうな感じがしました。タイヤは更に薄くサスペンションも更に硬めの設定のようですが、もしかすると、エリーゼに近くなって結果的にはこっちの方が乗り心地が良かったりするかもしれません。もっとも388万はちょっと高すぎます。(^^;性能も過剰でしょう。
 無い物ねだりですが、スプリントのMTがちょうど良いかもしれません。MTならパドルの問題はありません。コンペティツィオーネなら75台限定ですが、MTがあるようですね。赤だけですが。もう売れ残りは少ないかもしれませんが。

 とまあ、1シリーズもジュリエッタどちらも大きな問題・欠点はなく(パドルが無いのが最大の欠点)、商品性は高いとは思いますが、当然、それに応じて値段も高いのですね。で、そうなるとやはりゴルフ梅のコストパフォーマンスの高さが光ります。マニュアルエアコンで装備も簡素ですが、必要なものはついています。そしてあの乗り心地。同じような街乗り試乗では、乗り心地はゴルフ梅が上です。絶対的な動力性能は低いですが、普通に使う分には困りません。それでいて、50万ほど安いのです。街乗りと日本の高速巡航ならやはりゴルフ梅の方が良いように思えます。
 まあ、だからこそ、両車とも真っ向勝負ではなく、プレミアム、という路線できているのでしょう。

 さて、三車の中でどれが一番我が家に適しているでしょうか?まず、色が問題です。性能は問題のないジュリエッタですが、四色しかありません。赤白黒グレーです。最近のアルファは色が少ないのも難点です。147/156の時代には赤が過半を占めるとはいえ、他にも色々な色があったんですが・・・。赤と黒はないので、白かグレーですが、相方は嫌がるでしょうね。まあ、どっちかと言えば、白かなあ。
 ゴルフは色の数はそこそこあるのですが、相方が好むような色がありません。私は薄い水色あたりは好きですが。
 その点116iは色の数こそゴルフと大差ありませんが、オレンジメタリックという相方の好きな色があります。色の出入りはあるにしても、従来からBMWは色は豊富でわりと良い色も多いです。
 また、私が自分で買うとしたら(追加)、前輪を駆動する、過給器付き、クラッチがない車は乗らないという私のポリシーからすると、ゴルフとジュリエッタは、FF、ターボ、2ペダルという三重苦です。116iならFRなので、二重苦で済みます。これは実際の問題よりもこだわりには過ぎませんし、2ペダルはピー太郎で既に崩れています。とはいえ、三つ全部はねえ。と思うと自分で買うのは躊躇しますので、追加なら116iにしたいです。。
 116i、スプリントもマニュアル操作では引いてシフトアップ、押してダウンです。私はこれが正しいと考えます。他にフォードやマツダもこの形式です。加速中にシフトアップするので引くのが利にかなっているでしょう。ゴルフは逆で押してシフトアップ、引いてシフトダウンです。ルーテシアもゴルフと同じです。
 相方がルーテシアを乗り換えてくれるのならどれでも問題ありません。パドルはあった方がいいですが、無くてもなんとかなります。しかし、もし、追加なら、116iは難しいです。操作方法似ているものの逆の車が混在すると間違いが起きやすくなってしまいます。パドルがあれば、操作方法が全然違うので問題はありません。なので、追加ならルーテシアと同じゴルフか、パドルがついたコンペティツィオーネを選ぶべきです。なので、116iは脱落します。
 ゴルフ梅とジュリエッタコンペティツィオーネの比較であれば、価格差が100万近くなってくるので、ゴルフ圧勝でしょう。パドルを優先してゴルフ松を選んでもまだ安いですから。
 こだわりを捨てれば、ゴルフ梅追加が最良の選択でしょう。もし、相方が乗り換えてくれるのなら、色で116iが最良でしょう。ただし、相方はBMWは嫌いですが(苦笑)。
 繰り返しになりますが、116iもジィリエッタも良く出来た大きな欠点のない商品性の高い車だとは思います。しかし、BMWやアルファロメオに期待する何かを短い試乗コースでは感じることが出来ませんでした。一つは、昔のと比べるとNAっぽいといはいえ、やはりターボが私の好みに合わないのかもしれません。どちらもNAで上まで回していい音がする!というのを期待するメーカーでしたから。低速からトルクは出ていて使いやすいエンジンですが、回す楽しみのようなものがありません。ハンドリングうんぬんは評価出来るほどの試乗ではありませんが。
 もっと長い距離、色々な状況で乗れば、それぞれの良いところがもっと良くわかる可能性は高いとは思います。そういう意味では短距離しか試乗できなかったのは残念です。ただ、短距離の試乗でも理由はともかく楽しいと思える車があるのもまた事実です。うーん、やはり私がBMWやアルファロメオに期待するものと、両車が提供するものが、ずれている、ということなのではないかと思います。とはいえ、どうよ?と他人に聞かれたら良い車だよと勧めることは出来ますし、両車とも売れるとは思います。駄目な車という訳ではありませんから。

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