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 安全性の問題は確かに重要です。しかし、「安全」「安全性」という言葉を聞くと判断力を失う人が余りに多いように思います。「安全」とういうのは、Zero Defectであると考える人が多いですし、それは確かにそうかもしれません。が、実際には、少なくとも工業製品では、Zero Defectはありえません。設計上の問題と製造上(品質)の問題が考えられ、前者はともかく、後者は根絶は出来ません。良い悪いはあくまで確率の問題でしょう。前者についてもやはり、全ての状況を想定してテストし、対策を施すことは不可能でしょう。であるので、どれだけカバー出来ているか=確率の問題ということが出来ます。

 なので、「危険性がどれだけあるか」を考えるべきです。「危険性が低い」=「安全」であり、「危険性が高い」=「危険」です。「危険性がゼロではない」=「安全でない」・・・ではありません。それを言えば、世の中から「安全」は消え去ります。

 この話を書いているのは、勿論、プリウスブレーキ問題の報道を問題だと考えるからです。リコールが発表されましたが、これはリコールしなければならない問題でしょうか?プログラムにある程度の不具合があったのは確かでしょう。が、それによって生じたのは、「安全性の問題」というほどのものでしょうか?感覚の問題という説明をしたのはまずかったかもしれません。が、感覚の問題、と称したくなる気持ちはわかります。
 低ミュー路で短時間ブレーキが聞かないように感じられる、というのが今回の問題ですが、そんなの当たり前やん!と思いますが、ABSが標準になり、ABSの性能も向上したので、「当たり前」と考えない人が増えてきたようですね。

 新聞の記事によると時速20km/hで幅1mの氷盤ににさしかかるところでブレーキを踏み始め、一定の力(軽く)で踏み続けた場合に停止する前の距離は、プリウスは13.6m、通常のABSを使った車(車種不明)は12.9mだった、現状のプリウスは0.7m長いのが問題、ということです。別途、目標は12.3mだっとし、1割以上制動距離が伸びるとされています。旧型プリウスと比べて0.06秒長い0.46秒の空走感を感じることがあったと。
 数値は何度かやった平均値なんでしょうが、余り意味があるようなものには思えません。説明がまずいですね。目標ってなんでしょう?それよりも改善後は何mなんでしょう?そちらの方が重要だと思いますが・・・。改善後は12.3mになるのでしょうか?
 記事によると回生ブレーキはABSが作動しないので、ABSを作動させるために油圧ブレーキだけに切り換える必要があるということで、そのタイミングが遅い、ということでしょうか。
 ただ、軽く踏んだだけでABSが作動するのでしょうか??ドライ路面で踏んでいて氷に乗れば作動するでしょうけど・・・そういうことなのかな?

 実際にどれだけ問題があるかわかりませんが、にしても、軽くブレーキを踏み続けて0.7m長いというだけに過ぎません。約5%伸びるだけです。1割以上というのは目標の12.3mとの差、1.3mでしょうが。それにしても、これがどれだけ現実世界での事故の可能性を増やすでしょうか?
 低ミュー路では、ABSがあったとしても簡単には止まれないと考えるべきです。なので、車間距離をとって、早めにじわっとブレーキを踏むべきものでしょう。
 ABS自体、制動距離が短くなるものではありません。ロックさせないためのものです。タイヤがロックするとドライ路面では制動距離は伸びますから、結果的に制動距離を短くすることが出来ると言えますが、ロック寸前でブレーキを踏んだ方がABSが作動するよりも短くなるはずです。まあ、現実には、人間でも機械でもずっとロック寸前の状態を続けることは難しいので、今となってはABSを使った(作動させた)方が平均すれば制動距離は短くなると言っても間違いではないのかもしれません。

 まあ、とはいえ、現実には機械が進化しすぎて、昔のようにドライバーが注意して運転するのではなく、機械任せでらくちん運転、になってしまっているのでしょうねえ。今回の問題は単純にABSの話ではなく、油圧ブレーキと回生ブレーキの切り替え制御なのかもしれませんが、まあ、ともかく、私位の世代のドライバーからすると安全性の問題?なんで?という感じです(苦笑)。改修すべきではありますが、リコールするほどの話ではない、と私は考えます。

 国交省はこの問題を「通常のABSより劣っている」とし、保安基準の「安全、迅速、かつ有効に自動車を停止させる」というブレーキの技術基準(こんなの基準にならんような気がするが・・・)に適合しない恐れがあると結論付けたそうですが・・・これ製造上の不具合ではないのですから、何故、型式認定とれたんでしょう?これがリコールだというのなら、認定した役所の責任も問われますよ!?

 そもそも車の安全性の問題について言うのなら、やるべきことは他にあります。プリウスのブレーキの改修をする位なら、トヨタ(に限らず、他のメーカーも)は以下の二つを実施すべきです。

1.AT車のブレーキ踏み間違い対策
2.スタビリティコントロールの標準化

 MT車にはクラッチを踏まないとエンジンがかからないようにする仕込みが入っています。これは、ギヤを入れたまま(ニュートラルになっているのを確認せず)、エンジンをかけて意図せず車が動いた事故に対する対策です。しかし、現実にはこれはほとんどは、車をとめる時にギヤを入れ(古い世代の人の習慣。サイドブレーキが信頼出来なかった時代の)、ドアを開けて乗り込まずにキーを差し込んでエンジンをかけた場合でしょう。それもサイドブレーキを引いていなかったかもしれません。サイドブレーキをひいたまま、ギヤが入った状態で乗り込んでエンジンかければ、動きだそうとしますが、気が付いてキーを戻せます。クラッチを踏んでとめることも出来ますし、ブレーキを踏むことも出来ます。
 なので、ユーザーが複数のミスを犯した時の対策です。しかも、それにより不利益が生じています。万一の時、スターターモーターの力で車を動かせません。現実にはほどんとないのでしょうが、踏み切り上でエンジンがかからなくなった際には、臨時電気自動車になって脱出するようにと古い教科書には書かれていたように記憶しています。
 また、私はクラッチが切れなくなる故障(レリーズベアリングの破損)に遭遇した際にギヤを入れてクラッチをつないだままエンジンをかけて発進させることにより、なんとか自走して帰って来ました。今はもうクラッチが切れなくなると走行不能でレッカー出動、です。

 MTではそのように過剰な対策されているのにもかかわらず、いまだATのブレーキとアクセル踏み間違い事故への対策が施されていません。MTの暴走でどれだけ事故が起きて、何人死んだか知りませんが、ATの暴走は普通にニュースを見ていれば、月に一度、少なくとも数か月に一度は死亡事故が報道されています。プリウスのブレーキ問題で何件事故が起きて、何人死んだのでしょう?どちらを優先すべきかは明らかです。何故、マスコミはこのことを取り上げて対策をメーカーや国に求めないのでしょうか?

 私はAT車に人間工学上、重大な欠陥があるとしか思えません。何故、MTではブレーキと間違えてアクセルを踏まないのでしょう?今日ではMT車の絶対数が少なくまたMT車ドライバーの平均的な技量がATのそれよりも高いというのはあると思います。しかし、ここにMTでは一度も経験がないのATでやらかした証人がいます。私です。
 MT車に定常的にもうすぐ丸21年乗っていますが、ペダルの踏み間違えは一度もありません。AT車には相方号を運転し始てもうすぐ丸3年ですが、1年目に踏み間違えています。旅行先でとあるコンビニの駐車場に頭からとめて、出る時にRに入っておらずに発進させ、車が前進したので慌ててブレーキを踏んで止めようとしたらアクセルを踏んでしまい、車は更に前進し、車止めを乗り越えました。幸いそこでブレーキを踏み直して止まったので、柵から転落しないで済みましたが、ブレーキの踏み直しが出来なければ、柵の向こう幅1.5m位の水路に突っ込んでいたでしょう。シートベルトは当然していましたし、死ぬことはないかもしれませんが、怪我をしていた可能性は高いです。
 それ以降、左足でブレーキを踏むようにしています。元々、クラッチの代わりにブレーキを踏んでしまうことが多かったのと、なにもしないと知らない間に左足をふんばってしまって疲れる(試乗程度の時間ですら)ので、その対策もかねて、ブレーキを左足で踏む練習を始め、今は、微妙な制御以外は出来るようになり、通常は左足でブレーキを踏んでいます。それ以降、踏み間違いは起きていません。あっと思えば、左足を踏み込めばとまりますので。
 MT車の時に困らないか?いえ、困りません。実はMT車ではほぼ同じことをやっているのです。急ブレーキを踏む時、エンジンがとまらないように反射的にクラッチを踏みます。それをATではブレーキを踏むのです。なので、とっさの時にちゃんと反応出来ます。左足でブレーキを踏めば、最悪でも、ブレーキとアクセルの両方を踏むにとどまりますから、間違えてアクセルだけ踏んだよりははるかにましです。
 しかし、全てのドライバーに左足ブレーキを推奨出来るではありませんし、それでも踏み間違えることはあるでしょう。ですから、抜本的な対策が必要です。

 対策は二つ考えられます。
a)踏み間違いが起きる理由の解明とその対策
 何故、ATでないと発生しないのか?それには理由があるはずです。私には自分でやらかしても思い付きませんが・・・
b)踏み間違えた時に対策
 これは簡単です。例えば、ギヤが1速または後退の状態である程度以上のアクセル開度(75%位?)に達したら、エンジンを停止(電子制御スロットルならスロットルを閉じる、そうでないのならインジェクターからの燃料噴射を停止)すれば良いのです。
 弊害は二つだけです。
 1.急発進が出来ない
 2.バックスピンターンが出来ない・やりにくい
 どちらも問題にはならないでしょう?特殊な運転をする人以外はやらないことです。え?急発進はしょっちゅうやっている?それいけないんですよ(笑)。
 常に出来ないのが駄目なら、Mレンジの時は制限解除してもいいでしょう。また、電子制御をオフすると制限解除でも良いかと思います。ゴルフで言えば、ESPをオフしたら制限解除すれば、必要な時には急発進でも急後退でも出来ます。そこで踏み間違えたら?それはもう故意にやったのに近いですから知りません。ああ、そうか。脱輪した時や障害物からの脱出などで必要になるかもしれませんね。それを考えるとゴルフで言えばESPスイッチなどでVSCの解除と連動か、間違えて行う恐れがないある操作をすると解除出来るというのが望ましいでしょう。
 この対策はプログラムの更新だけで出来るはずです。私が国交相なら、全てのAT車にこの内容のリコールを指示しますね!(^O^)

  スタビリティコントロールの話はまた今度。

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