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民から官へ

 民主党政権が動き出してから、一ヶ月程度経過しました。個々の政策への文句はありますが、言い出すと(書き出すと)きりがないので、それはやめておきます。
 全体的な流れだけについて述べます。民主党の意図はどうであれ、結果的には、小泉政権が唱えた「官から民へ」の逆の「民から官へ」を行おうとしているように見えます。民主党自身はそんなことはないというでしょう。自民政権は官が企業を支援していたのに対して、民主党は国民(人)を支援するのだというでしょう。
 それは間違いではないとは思います。ただ、小泉政権はその従来の官需で企業を支えていたのをやめて、民間企業の邪魔はしないから自分でがんばってください、政府はもう支援するのはやめます、ということだったと理解しています。小泉元首相の意図は別にして。だから、政府はもう当てにならない、だからがんばらないとつぶれると、各企業はがんばったのです。結果的に、所謂格差も生じた部分もあるでしょう。そして、従来のやり方がよかった勢力が小泉退陣後、盛り返して、骨抜きになっていって、結果的に自民党政権の崩壊を招いたと考えます。
 民主党政権は官需で企業を支えないという点から言えば、小泉政権と同じかそれよりも更に進めているようにも見えます。もっとも、それは所謂、公共事業に限られるようで、それ以外の部分では必ずしもそうとも言えませんが。
 いずれにしても、企業を支援して間接的に国民を豊かにしようとする従来の自民党路線(自民党が本当に国民を豊かにしようとしたのか?という批判があるかもしれませんが、少なくとも過去はそうなっています。それが駄目になったのは早くてもバブル崩壊以降でしょう)から直接国民を支援するのが民主党のやり方ということでしょう(そうでないように見える部分も多々ありますが、一応)。
 一見、これは正しいように見えます。間接的に支援するよりは効率は良いですから。ただ、これは輸血で支えるようなものです。輸血をやめた時、果たして患者は助かるでしょうか?
 企業を官が支援するのが良いと言っている訳ではありません。そうではなく、国が国民へお金を出せば、それで豊かになるのか?と言っているのです。
 民主党はそれにより内需を喚起し、内需拡大により経済成長するのだというかもしれません。でも、それは果たして、本当に可能なのでしょうか?官からの輸血が途絶えても、そのまま内需は拡大し続けるのでしょうか?

 国がやるべきことは、経済が発展していける仕組みを作ることです。一時的な救済策、経済対策は必要ですが、それはあくまで一時的なものであるべきです。官需によらない経済発展を可能とする仕組み・体制をつくることが国の責務であると考えます。所謂、セーフティネットの制度は必要ですが、それもあくまで一時的な救済策であり、本質的には個々の国民が自分で豊かになることが必要であり、その努力をする人には機会が与えられる仕組みをつくることが国が本来やるべきことです。

 子育て支援は良いでしょう。子供への投資は未来への投資ですから。それだけは認めます。批判はあるでしょうが、国の福祉政策の中心は高齢者から子供へシフトすべきです。将来を担う子供が増えれば、結果的に高齢者の福祉も守られるのですから。高齢者の福祉は守られても、子供を産み育てる意欲がない社会になれば、その社会は滅ぶだけです。

 なんでもかんでもやるお金はありません。だから、直接支援は絞り込んで、体制作りに重点をおくべきだと思います。そして、どのような体制を作るかを示すのが国家戦略室とやらの仕事でしょう。

 なお、高速道路無料化は、民営化した道路公団を、官営に戻すことに他なりません。収入なければやっていけませんから(SA/PAの売り上げだけではくっていけません)。郵政民営化の撤回も同じです。少なくともこれらは、民から官へではなく、官から民へでしょう。道路は国民の直接支援だというかもしれませんが、そのために官がふくれることになりますよ。

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